菅原文太の映画 「仁義なき戦い 広島死闘篇」 千葉真一、北大路欣也が大活躍! | 人生・嵐も晴れもあり!

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「仁義なき戦い 広島死闘篇」

 

 

「仁義なき戦い 広島死闘篇」 予告編

 

1973年4月28日公開。

仁義なき戦いシリーズ第2作。

 

脚本:笠原和夫 

監督:深作欣二

出演者:

菅原文太 、 千葉真一 、 北大路欣也 、梶芽衣子 、金子信雄 、 山城新伍 、 名和宏 、遠藤辰雄 、成田三樹夫 、 前田吟 、 木村俊恵 、 加藤嘉 、 北村英三

 

あらすじ:

広島、終戦直後から駅前の縄張りをめぐって対立していた博徒の村岡組とテキ屋の大友連合会は、一時休戦状態を続けていた。

昭和27年。

村岡組が広島競輪場の支配を独占したことに端を発し、再び抗争へと突入していった。

工員だった山中正治(北大路欣也)は博奕がもとで、やくざを傷つけて傷害罪で逮捕された。

若い山中は刑務所でも荒れ狂い、その度に呉の山守組々員・広能昌三(菅原文太)になだめられた。

三年後。

仮出所した山中が広島駅前の大衆食堂で無銭飲食し、店の主人・靖子(梶芽衣子)とやり合っていた所、グレン隊を引き連れた大友勝利たちに袋だたきにあってしまう。

大友勝利(千葉真一)は、大友連合会・大友長次の実子で、村岡組の縄張荒しをしていたのである。

深傷を負った山中を靖子は自分のアパートへ連れて行き、治療した。

靖子は村岡組々長の姪で子持ちの未亡人だった。

山中の噂を聞いた村岡(名和宏)は、一度は靖子と肉体関係を結んだことを怒ったが、正式に村岡組若衆として盃を交わした。

一方、勝利は、テキ屋で甘んじている父に見切りをつけ、村岡の兄弟分の時森勘市(遠藤辰雄)を抱き込み、博徒大友組を結成した。

そして、勝利自ら先頭に立ち、村岡組の事務所を襲撃した。

村岡は、松永弘や山中の働きで一命をとりとめたが、直接報復に出る事をさけ、山中一人に行動を命じた。

時森を追って呉にやって来た山中は広能組を結成した広能と再会。

広能は呉で時森を殺させるわけにはいかず、広島で山中に引き渡すと約束した。

だが、時森は山守組に泣きついてしまった。

山中への約束を果たせなくなった広能は、自ら時森を射殺した。

一方時森を失った勝利は関西に逃れていった……。

靖子との仲を村岡に認められ有頂天になった山中は、命じられるままに大友組の残党を殺していった。

しかしこれは村岡のしくんだ罠で、山中は翌日、殺人罪で逮捕された。

山中がこの事実に感づいたのは、数ヵ月後、刑務所の中で、仲間から靖子が近々結婚すると聞かされた時だった。

裏切られたと知った山中は刑務所を脱走村岡の家へ駈けつけた。

しかし家には靖子がおり、結婚話など微塵も出なかったので、山中は村岡への懐疑心を深く詫びるのだった。

その頃、勝利が広島に舞い戻り、報復を開始していた。

そして、ついに勝利は村岡の子分を殺害した。

怒った村岡は、大友組壊滅を命じた。

広島市内の随所で銃撃戦が展開される。

村岡への義理をたてる山中は殺人鬼と化していき、村岡はそんな山中をフルに利用した。

数日後、ついに山中は勝利を見つけ、拳銃を発射。

傷を負った勝利は動きがとれず警察に逮捕された。

警察に追われる山中が呉の広能を訪れた。

彼を隠まおうとする広能を振り切って、山中はふたたび広島へ戻った。

しかし、松永から靖子の一件の事実を聞かされ呆然となる。

警察に包囲され、もはや誰もが信じられなくなった山中は自らの拳銃で自決した……。

山中の葬儀が盛大に行われた。

参列した山守(金子信雄)たち親分衆は「任侠の鏡」と山中を誉めちぎるが、広能は虚しさでいっぱいだった。

 

 

コメント:

 

仁義なき戦いのシリーズ2作目。

この作品は、「仁義なき戦い」シリーズの一本ではあるが、単発作品的な趣を持つ作品で、菅原文太扮する広能昌三は登場するが、脇役的扱いで、実質的な主演は山中正治(北大路欣也)と大友勝利(千葉真一)である。
 

仁義なき戦いシリーズの特徴のひとつは、主役の菅原文太だけが突出した姿を誇示するものではなく、むしろ脇役の若手俳優たちが思う存分広島弁を駆使して暴れまくるところである。

その結果、第1作では、松方弘樹や渡瀬恒彦、本作では北大路欣也、千葉真一など、売り出し中の若手俳優のステイタスアップに貢献することとなった。

 

 

本作でも、暴れまくる大友勝利を演じる千葉真一の演技にしびれてしまう。

「わしら、うまいもん食うて、はくいスケ抱くために生まれてきたんじゃないの」と言い切る勝利の本音に思わず喝采。

千葉真一はどちらかと言えば正義のヒーローのイメージがあったが、この下品でとことんエネルギッシュな大友勝利像には驚かされる。

 

 

また、北大路欣也が演じる山中正治が殺人の時に、大きく股を開いて、腰を沈めた上でピストルを撃つ仕草は、とことん格好良い。

本作以外では正義の味方の配役が多い北大路欣也が、若き日にはこんなぶっ飛んだ若者を演じていたことに感動する。

最後に自決してしまうシーンは泣けるが。

 

この千葉真一と北大路欣也の配役は、当初の案は逆だったようだ。

配役はもともと千葉真一が山中正治、北大路欣也が大友勝利でクランクインするはずだったという。

ところが、北大路が「山中の方が自分のキャラクターに合っているのでは? それにセリフがどぎつすぎる大友はできない」、「大友は粗暴で下品すぎて、どうしても自分では演じられない。山中のほうをやらせてくれないか」と言い出し、配役の入れ替えを要求した。

そのためプロデューサーの日下部五朗と宣伝担当者らは千葉を訪ね、「山中と大友を交代してもらえないか」と依頼。

セリフを全て覚えて撮影に入る直前だった千葉は初めは交代に難色を示したが、ほどなくして深作欣二が交代に反対していないことを知った千葉は、最終的に交代を了承し、千葉を大友、北大路を山中に入れ換えることとなった。

深作は唯一人キャスティング会議で、「千葉に大友を演じさせたほうが、絶対おもしろくなる」と主張していたが、その通りになった。

大友はシリーズ中1、2を争う名キャラクターとして人気が高く、千葉自身も忘れられない役柄として挙げている。

 

ぢゃっかる@ふわふわ時間 on Twitter: "真剣佑と郷敦のパパです 仁義なき戦い 広島死闘篇 大友勝利役最高でした  アナザーストーリー的な話やけど、とにかく面白くてせつない。 名言ばっかやし、梶芽衣子さんべっぴん過ぎるし。 #千葉真一… "

 

 

そして、山中の情婦役をつとめた梶芽衣子。

女性が前に出てこない深作映画の中では稀なヒロイン。

本当に凛々しく美しい。

梶芽衣子は、日活に入社して脇役女優として多くの映画に出演し、1970年の日活映画『野良猫ロックシリーズ』4作に主演し人気を得た。

その後も『大江戸捜査網』(東京12チャンネル)などのテレビドラマに日活女優として出演したが、1971年、日活がロマンポルノに移行したため退社しフリーとなった。

1972年3月『純子引退記念映画 関東緋桜一家』を最後に引退した藤純子の後釜として東映に誘われ同年東映に入社し、『銀蝶シリーズ』の後、1972年8月からの『女囚さそりシリーズ』で人気を決定付けた。

 

映画「仁義なき戦い 広島死闘篇」 - Kジーホームシアター

 

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