桃井かおりの映画 「メイン・テーマ」 薬師丸ひろ子主演のヒット作! 大人の恋とは? | 人生・嵐も晴れもあり!

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「メイン・テーマ」

 

 

「メイン・テーマ」

 

1984年7月14日公開。

人生のメインテーマとは何かを考えさせる大ヒット作。

配給収入:18億5000万円。

 

監督・脚本:森田芳光

出演者:

薬師丸ひろ子、野村宏伸、財津和夫、桃井かおり、中沢亮、太田裕美、渡辺真知子、戸川純、小倉一郎、浜村純、弓恵子、細川隆一郎、小松政夫

 

あらすじ:

小笠原しぶき(薬師丸ひろ子)は、先日まで幼稚園の先生だったが、ふとしたことでやめざるを得なくなり今は失業中。

房総の海岸で、彼女は4WDのピックアップで全国をマジック修業にまわっているという大東島健(野村宏伸)と出会い、ひょんなきっかけから彼の4WDで一緒に旅をすることになる。

しぶきの目的地は大阪。

元、自分の受け持ちの園児で、父親の転勤で大阪へいってしまった御前崎カカル(中沢亮)に会うのが一応の目的ではあるが、カカルの父親・渡(財津和夫)に、以前から心魅かれるものがあったことも動機のうちだった。

しぶきと健の旅が始まったが、何かとソリの合わない二人は道中ケンカばかりしている。

浜松で、しぶきが健の叔父のマジック・ショーを手伝わされている頃、健は伊勢雅世子(桃井かおり)というジャズ歌手と出会い、ドライブを楽しんでいた。

雅世子は渡と長い関係にあるのだが、しぶきはそのことは知らない。

健は雅世子の大人の魅力にすっかりまいってしまい、しぶきはそんな彼の様子をみて小さな嫉妬を感じる。

健の4WDは大阪に着いた。

別れ際、しぶきはシャツをプレゼントし、健は故郷の沖縄へ向かった。

御前崎の家をたずね、カカルとの再会を楽しむしぶきだったが渡の妻に対する気がねなどがあり、長居はできなかった。

そして、彼女は健のことが心にひっかかり、沖縄に住む姉夫婦を訪ねることにする。

一方、雅世子は、歌手生活にピリオドを打つ決心をし、最後のステージを故郷の石垣島に近い沖縄でしめくくろうと向かった。

また、それを知った渡も沖縄へ飛んだ。

しぶきは健と、雅世子は渡と、それぞれ再会する。

渡がしぶきを訪ねて来た。

しぶきは想いを打ち明けるが、子供扱いされる。

ある日、しぶきはレストランで雅世子と親しそうに話す渡を見てショックをうける。

万座ビーチの海開きで、健のマジックショーが行われた。

その後、健と雅世子が連れ立って行くのを見たしぶきは、二人がキスするのを目撃、雅世子に渡のことを持ち出し、つっかかる。

そして、健にも意地を張った。

雅世子に呼び出されたしぶきは、彼女から渡と別れたことを聞く。

幼稚園に就職したしぶきのもとに、健が誕生日のお祝いに駆けつけた。

二人はお互いの気持ちを確かめ合い、ホテルに向かうが、道路は渋滞。

ラジオから雅世子のラストコンサートの実況中継が流れる。

石垣島、畑仕事をする雅世子のもとに渡が現れる。

一方、しぶきと健は、万座ビーチホテルへ腕組みして入っていった。

 

 

コメント:

 

薬師丸ひろ子の20歳の頃の大ヒット作品。

本作の5か月後には『Wの悲劇』が公開されてまたまた大ヒットという、薬師丸ひろ子という人気子役だった女優が、大人としてしっかりファンを掴み取った時期であった。

 

本作では、大人になりたての少女っぽさがまだ残る可愛らしさと、大人の女性として恋をしたいという願望とが入り混じる素晴らしい青春映画になっている。

まさに、森田芳光監督の腕が冴えわたる映像になっている。

 

この映画の成功の秘訣は、まず何といっても薬師丸ひろ子という逸材を主役にしたことだ。

14歳の時に『野生の証明』で映画デビューし、17歳で『セーラー服と機関銃』というヒット作を生み出した天才少女。

その薬師丸ひろ子がどんな女性に成長したのか、国民みんなに注目されていた。

 

 

そして、この映画がデビュー作となった、若々しい野村宏伸という俳優の起用だ。

野村は1984年、映画『メイン・テーマ』のオーディションを妹が雑誌で見つけ、参加することをすすめられた。

最初は気が進まなかったが、優勝者500万円・推薦人100万円という賞金目当てにオーディションに応募する。

23,000人が参加したオーディションで優勝し俳優デビューすることとなった。

本作で野村は、日本アカデミー賞新人賞を受賞した。

 

さらに、薬師丸ひろ子が抱えるメインテーマである、女性がなぜ男にモテるのか知る方法が必要になる。

それを具体的に彼女の目の前で見せてくれる格好の人物の登場。

それが、桃井かおりというどんな男をも惹きつけてしまう女の魔力を持った女優なのだ。

 

 

薬師丸ひろ子が、どうすれば大人の恋ができるのかを劇中で桃井に尋ねるシーンがある。

これぞこの映画の「メイン・テーマ」だ。

 

本作のタイトル「メイン・テーマ」の主題歌も大ヒットした。

この歌の歌詞を見てみると、どうやら「愛ってよくわからない。何なの?」

と、問い続けることが、メイン・テーマのようだ。

なかなか意味深なタイトルだ。

 

 

 

実は、映画の半分は、このテーマを巡って、男と女が交わす心のふれあいを描いているのだ。

愛する人を求めて人間が生きて行く様子を、懸命に映像を通して伝えようとしているのだ。

映画は、ただ面白ければ良いのではない。

 

自分が好きでも、相手は全く感じてくれない。

自分が嫌いだと思う人からしつこく迫られたりする。

もうあきらめたと思っていた相手から、突然愛の告白があったりする。

 

人生はままならない。

でも、きっと運命の人はいる。

その人に会えた時に、きちんと自分の気持ちをまっすぐ相手に伝えられる人間になっていたい。

 

そんなことを映画を観たときに考えられると、人生はすこしずつ豊かになるかも知れない。

 

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