三國連太郎の映画 「未完の対局」 モントリオール国際映画祭グランプリ受賞作! 日中合作映画! | 人生・嵐も晴れもあり!

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「未完の対局」

 

 

「未完の対局」 中国版(ロシア語)

 

1982年9月15日公開。

戦後初の日中合作映画。

日中国交正常化10周年記念映画。

 

受賞歴:

モントリオール国際映画祭グランプリ。

1982年毎日映画コンクール:日本映画優秀賞、音楽賞、録音賞 

1982年日本映画テレビプロデューサー協会賞
1983年藤本賞
1983年日本アカデミー賞:優秀作品賞 

1983年金鶏奨:特別賞

 

脚本:神波史男、大野靖子、安倍徹郎、李洪洲、葛康同

監督:佐藤純弥、段吉順

 

キャスト:

  • 況易山:孫道臨
  • 松波麟作:三國連太郎
  • 况阿明(少年時代):劉新
  • 况阿明:沈冠初
  • 况巴(松波の娘):紺野美沙子
  • 恩田忍(松波の妹):三田佳子
  • 况華林(阿明と巴の娘):伊藤つかさ
  • 况婉怡:黄宗英
  • 况阿恵(少女時代):茅為恵
  • 况阿恵:沈丹萍
  • 関小舟:杜彭
  • 恩田雄二:山本亘
  • 森川:石田純一
  • 森川よね:乙羽信子
  • 立花医師:松坂慶子
  • 張医師:于紹康
  • 篠原八段:中野誠也
  • 橋本隆吉:大滝秀治
  • 黒田参謀:待田京介
  • 尾崎大佐:室田日出男
  • 情報局・滝井:小林稔侍
  • 小阿恵:張磊
  • 張医院の書生:林道紀
  • 警察署長:織本順吉
  • 日本領事:鈴木瑞穂
  • 日華會館婦 : 小川眞由美

 

 

あらすじ:

日本の名棋士、松波麟作と中国の江南の棋王と謳われた况易山は、一九二四年、北京で運命的な出会いをした。

その二人の対局は官憲により中断させられたが、江南の麒麟児といわれる况の息子、阿明は、その天分を伸ばすために、日本の松波のもとに預けられることになった。

才能を発揮していく阿明は、松波のひとり娘、巴といつしか愛しあうようになる。

しかし、日中戦争の激化のなかで、二人の恋愛関係は複雑な波紋を周囲に投げかけた。

天聖位の獲得を契機に、阿明は祖国に帰って銃をとる決意をし、妻の巴を伴って、密行による国外脱出を企てる。

しかし、出航を目前に、夜の埠頭で阿明は射殺され、巴は憲兵に逮捕される。

戦後、すべての家族を失った况は、息子、阿明の消息を求めて焼跡の東京を訪ねた。

だが、彼は阿明が、こともあろうに、松波の謀略で国外脱出の際、憲兵に射殺されたと知らされる。

さらに况は、阿明の妻、巴の発狂した姿を見せられ、松波も戦死したと聞かされる。

やり場のない怒りと絶望のなかで况は、中国に帰った。

だが、実は松波は生きていた。しかし、すでに碁は捨てて酒びたりの自堕落の生活をしている。

一九五六年、日中間の民間交流が芽ばえる中で、况のもとに松波の訪中が伝えられた。

“松波が生きていた”すべてを忘れようとしてきた况にとって、それは複雑な動揺をもたらした。

今や廃墟となった旧况家で、松波と况は再会するや、松波は誰にも言えなかった阿明の射殺の真相を告白した。

ただ慟哭するばかりの况。

しかし、阿明と巴の遺児、華林は明るく育っていた。

その孫娘に促されるように、松波と况は、阿明と巴の遺骨を美しい大湖に沈めた。

そしていつしか二人は、虚空の盤の上に、三十年前の打ちかけの碁を打ちはじめるのだった。

 

未完の対局のTwitterイラスト検索結果。

 

コメント:

 

日中戦争という混乱の時代を生きた日本と中国の二人の名棋士の出会いと激動の日々を、日中のかけ橋となる子、阿明の人生と共に描いた感動巨編。

日中国交正常化10周年を記念して、初めて本格的に作られた日中合作映画。

三国連太郎、三田佳子らの演技が素晴しい。

 

 

日中戦争の勃発で、日中の囲碁の頂上対局が寸前で中止になる。

互いに深い敬愛をもって接し、子供を留学させたりと篤い親交があった。
戦火が拡大し、囲碁を趣味とする軍幹部におもねる時期もあったが、戦局が悪化した。

そして日本の敗戦、中国の体制の大変革といった時代の大波に翻弄され、かつてのライバルは修復不能な関係悪化に陥った。
戦前・戦中・戦後の中国・日本と、時代と時代を目まぐるしく舞台背景が変化する様子がうかがえる場面がある。
 

 

現在のネット上では、本作自体についての日本人の客観的な評価が得られていない状況にあることが分かった。

現在YouTubeには日本語版の映像はゼロ。

予告編も皆無。

かろうじて中国語版を見つけたので、上記の通り紹介してあるが。

 

戦争のせいで苦難の道を歩んだのは日本も中国も同じだ。

だが、誰のせいなのか。

日本人が先に中国を侵略したのだ。

その事実を全く認識もせず、この映画をくそみそに評価している記事がほとんどというのは情けない限りである。

日本人の歴史認識の無さにはあきれる。

 

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