岩下志麻の映画 「桜の樹の下で」 渡辺淳一の同名小説の映画化! 男をめぐる母娘の愛と葛藤を描く! | 人生・嵐も晴れもあり!

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「桜の樹の下で」

 

 

桜の樹の下で プレビュー

 

1989年5月13日公開。

渡辺淳一の同名小説の映画化。

一人の男をめぐって繰りひろげられる母と娘の愛と葛藤を描く。

 

 

 

脚本:那須真知子

監督:鷹森立一

出演者:

岩下志麻、七瀬なつみ、津川雅彦、寺田農、山口果林、野坂昭如

 

あらすじ:

京都にある老舗の料亭「たつむら」の女将・菊乃は、四十半ばながらその美貌は歳を感じさせなかった。

夫とは別居状態で娘の涼子と二人暮らしで、時おり東京の出版社社長・遊佐恭平と大人の恋愛を楽しんでいる。

「たつむら」の東京支店オープンの準備が進められ、大学を卒業した涼子は菊乃の許で見習いを始めた。

春、京都の桜を見に来た遊佐を涼子か案内し、今度よその桜を見に連れていってほしいと頼んだ。

東京支店の準備も大詰めとなり菊乃は遊佐と東京・三田のマンションを見に行った。

暗闇の中で二人は愛し合い、菊乃は早く東京の人になりたいと思った。

五月、涼子は遊佐にせがんで、二人は秋田へ飛び、角館の桜を見に行った。

その晩、遊佐と涼子はホテルで結ばれた。

それから涼子の様子が変わり、遊佐も菊乃を避けるようになった。

東京支店の披露パーティーで菊乃は、遊佐と涼子が仲睦まじく手を握っているのを見て二人の仲を悟った。

菊乃は母としてではなく女の意地から東京の店を涼子に任せ、遊佐に監視役を頼んだ。

涼子は一人前の女となり、やがて遊佐の子を妊娠した。

菊乃は京都で店を切り盛りしながら一人悩んでいた。

そして菊乃は上京した際にマンションから飛び降り自殺を遂げた。

その日、涼子は流産し、たぶん母が子供を連れていったのだと思った。

涼子は桜の樹の下には屍体が埋められており、狂い咲きするのだという伝説を思い出し、遊佐と別れる決意をするのだった。

 

 

コメント:

 

母と娘の共通の恋人の社長の男が2人の間で心が揺れる「三角関係」のストーリー。
しかし、三人とも無理に話をこじらせるような悪役然としたキャラではなく、誰かが不幸になることを望んでなく思いやりを持っていて、三角関係の設定としてはキレイな関係で良く出来ている。
「桜の樹の下には、死体が埋まっている」という言い伝えを、恋の終わりと母の死とお腹の子の流産という悲しい結末に繋げている。

 

 

津川雅彦が演じる若社長は、料亭を経営する岩下志麻の恋人だが、その娘(七瀬なつみ)とも付き合う話。

岩下には脱ぎのシーンは一切なく、脱ぐのはもっぱら七瀬なつみ。

京都を舞台にした美しい風景、美しい女性の立ち振る舞いがきらびやかで心が落ち着く場面が良い。

特に、匂い立つような桜の花をとらえた映像美は圧巻だ。

岩下志麻の現代劇での京都弁は、昔若かりし頃に演じた「古都」の一人二役以来かも知れない。

本作公開の当時はすでに48歳だが、全く中年の肌の衰えなど微塵もない綺麗な姿だ。

 

 

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