ハンフリー・ボガートの映画 「弾丸か投票か」 ギャング対潜入捜査官の異色サスペンス映画! | 人生・嵐も晴れもあり!

人生・嵐も晴れもあり!

人生はドラマ!
映画、音楽、文学、歴史、毎日の暮らしなどさまざまな分野についての情報やコメントをアップしています。

「弾丸か投票か」

(原題:BULLETS OR BALLOTS)

 

 

弾丸か投票か プレビュー

 

 

1936年米国公開。

日本劇場未公開。

ギャング対警察の異色サスペンス映画。

 

 

脚本:シートン・I・ミラー 

監督:ウィリアム・ケイリー 

出演者:

エドワード・G・ロビンソン 

ハンフリー・ボガート 

ジョーン・ブロンデル 

ジョセフ・キング 

バートン・マクレーン

 

 

あらすじ:

ジョニー・ブレーク(エドワード・G・ロビンソン)はニューヨーク警察の敏腕刑事で暗黒街で最も恐れられている男であったが、一寸した失態で左遷された。

しかし、親友マクラレン(ジョセフ・キング)が警察部長になれば復職させてもらえるだろうとナイトクラブを経営している恋人のリー・モーガン(ジョーン・ブロンデル)とともに至極楽観していた。

ところがマクラレンは部長になったが、ブレークは免職されてしまった。

これを怒った彼は拳闘試合を見物しているマクラレンを衆人環視の中で殴り倒した。

それを見たギャングの親分アル・クルーガー(バートン・マクレーン)は留置所に叩き込まれたブレークを救って味方に引き入れた。

相棒のフェンナー(ハンフリー・ボガート)はこれに反対したが、聞き入れられなかった。

ブレークがギャングの仲間に入ったことを聞いて彼の友人も恋人のリーも彼を罵った。

ある時ブレークは警官と喧嘩して留置所に叩き込まれた。

すると彼はそこでマクラレンに逢い、「ギャングを操る政治屋の巨頭は未だ突き止められない。それを知るのはクルーガーのみだ」と報告する。

彼は政治屋の正体を突き止めるためギャングの仲間に入っていたのである。

ブレークが釈放されると間もなく、フェンナーは除名されたことを恨んでクルーガーを射殺した。

ブレークはフェンナーを押さえて一味を牛耳り、リーの経営する店を無理矢理自分たちの手に収め、一味の信望を集めるようになった。

彼の勢力が大きくなると政治屋が連絡を取りはじめた。

こうして正体を突き止めたブレークはマクラレンとともに密かに準備を終え、ギャングの巣窟を襲いさらに政治屋の検挙に着手した。

折りしも、フェンナーはブレークが警察のスパイであることを知り、リーに教えられた隠れ家を襲って狙撃した。

ブレークは重傷にも屈せずフェンナーを倒し、駆けつけて誤解を謝るリーに笑って別れ、ともすれば倒れんとする身を鞭打って政治屋の集まっている銀行に向かった。

秘密の通路を彼が奥へ進んだときマクラレンの率いる警察隊は行動を開始し、一網打尽に捕縛した。

凱歌の叫びを聞きつつブレークはフェンナーに抱かれて息絶える。

 

 

コメント:

 

禁酒法時代のアメリカを舞台に、ギャングと警察の騙し合いを描いたフィルム・ノワール。

タイトルからは想像がつかない内容の警察vsギャングの映画だ。
敏腕刑事だったが左遷・免職になってギャング団に転身してノシ上がる男を、エドワード・G・ロビンソンが演じる。

本当に彼はいつもイイ味を出す役柄だ。
ジョーン・ブロンデル、ハンフリー・ボガートが共演。

ジョニー・ブレーク(エドワード・G・ロビンソン)は敏腕刑事だが少しの失態で左遷された。

更に、親友マクラレンが警察部長になった途端にブレークは免職されてしまう。
ギャング親分クルーガーは、かねてより人柄を見込んでいて「ギャングにならないか?」を誘っていたブレークをギャング組織に引き入れる。ここが面白い。

日本ではあり得ない展開だ。

ギャング組織にいるフェナー(ハンフリー・ボガート)はこれに反対したが、聞き入れられなかった。
ブレークはギャング組織の中でメキメキと実力を発揮して、ギャング組織のトップとして君臨することになったのだが。

この後、驚きの展開になる。

ここからがさらに面白い。

 

 

ギャング組織へ潜入捜査する話なのだが、ギャングの親分から誘われるという展開が良い。

この時代としても斬新。

組織のアジトでは稼ぎの扎束の量が半端ない。
そして、ラスト5分間に名シーン有り。

たぶん見た人は、記憶に残るだろう。


まだエドワード・G・ロビンソンが『深夜の告白』やフリッツラング監督作『飾窓の女』&『スカーレット・ストリート』などに出演する前の映画であり、ハンフリー・ボガートもまだまだ下積み時代の作品であったが、なかなか面白い映画だ。

 

ボギーは、相変わらずきちっとした服装でダンディ。

そして、声も耳ざわりの良いバリトンだ。

この映画でもただの脇役ではない、主役と張り合っている。

やっぱりカッコイイ!

 

この映画では、ボギーがジョニー・ブレークの恋人リー(ジョーン・ブロンデル)に言い寄ってキスしようとして、ほおをひっぱたかれるという珍しいシーンが出てくる。

この女優は、後にスティーブ・マックイーンが主演して大ヒットした 「シンシナティ・キッド」に出演して助演女優賞を獲得している。

それでも、ダンディさが微塵も崩れないのがボギーだ。

振られてもカッコイイのだ。

 

原題の「BULLETS OR BALLOTS」は、直訳すると「弾丸か投票用紙」ということ。

日本語タイトルは、ほとんど直訳のままだ。

この命名の意味は:

弾丸=ギャング

投票用紙=政治家

ということだろう。

つまり、「ギャングか、政治家か」ということ。

 

この映画は、TSUTAYAでレンタル可能:

https://tsutaya.tsite.jp/item/movie/PTA00008MUR4