三船敏郎の映画 第123作 「日本の首領 完結篇」 三人の大御所が勢ぞろい! | 人生・嵐も晴れもあり!

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「日本の首領 完結篇」

 

 

日本の首領 完結篇 予告編

 

 

1978年9月9日公開。

「日本の首領」3部作の最終編。

 

 

脚本:高田宏治

監督:中島貞夫

 

 

出演者:

三船敏郎、佐分利信、片岡千恵蔵、高橋悦史、菅原文太、寺田農、桜町弘子、渡辺文雄、待田京介、佐藤慶、小林稔侍、金子信雄、仲谷昇、西村晃、京唄子、安部徹、稲葉義男、小池朝雄

 

 

あらすじ:

関東同盟理事長・大石剛介(三船敏郎)と、関西中島組組長・佐倉一誠(佐分利信)の間には表向きには平穏無事な日々が続いていたが、日本政財界最大の黒幕・大山喜久夫(片岡千恵蔵)が癌で倒れたことにより、両者の間に再び不穏な空気が漂いはじめた。

大山は佐倉の娘婿の医師、一宮恭介(高橋悦史)の執刀で九死に一生を得た。

大山は任侠団体の統一合体を提唱するが、全国制覇の野望に燃える佐倉、大石は共に同意せず、虚々実々の駆け引きが始まった。

サイパン島開発という国家的な大事業に着眼した大石は大山を後盾に保守党中久保派の伊庭官房長官(仲谷昇)に接近する。

平山幹事長(金子信雄)から大石の野心を聞いた佐倉は大いに動揺した。

大石、佐倉の当面の問題は資金調達にあった。

佐倉の胸中を読んだ川西(菅原文太)は、膨大な土地、不動産を持つ松原産業の子会社、木村建設を倒産に追い込んだ。

そして自殺した木村社長の娘・由紀子を保守党の実力者・刈田(西村晃)に与えた。

一方、大石は、娘の郁子と刈田の息子春男の縁組により、刈田を味方に引き込み、アメリカ側への賄賂の特使として、刈田と春男をサイパンに派遣する。

大山は自分の回復祝の席で、佐倉に打倒大石を示唆した。

刈田はサイパンでジェラード議員と取引中に中島組の組員らしき強盗団に襲われ、大金を奪われる。

被害にあったのが日米の両議員のうえ巨額の金銭とあって、鬼島検事正は大規模な捜査活動を開始する。

身の危険を悟った大石は帰国した春男と愛人をガス自殺にみせかけ口を封じ、重病を装って入院した刈田も毒殺して、サイパン事件の賄賂の領収書を取り戻そうとする。

だが領収書は由紀子の手にあり、それを大山から外科部長の椅子を約束された一宮が買い取った。

さらに大山はサイパン事件の仕掛人、川西も抱き込み、佐倉の背信行為を示唆するのであった。

一方、佐倉も大石に勝った大山を消すことをファミリーの一宮に託す。

医者としての地位をとるか、佐倉に従うか一宮は苦脳する。

時同じくしてアメリカでのジェラードの証言が報じられ、大山とジェラード、大石と故・刈田の黒い関係が報道されて、大山は病気再発を理由に入院した。

又、川西は関東同盟の報復で悲惨な最後を遂げた。

佐倉はついに関東の壁を破ったかに見えたが。

 

 

コメント:

 

任侠、ヤクザ、実録と移り変わっていった東映映画が1978年に「ゴッドファーザー」の向こうを張って豪華配役陣で制作した「日本の首領」シリーズの完結編だ。
何といっても、三船敏郎、佐分利信、片岡知恵蔵の三人の大御所が同じ画面に映っているのは驚嘆に値する。

その重厚さは言葉が出ない。

菅原文太や高橋悦史、西村晃が脇役だから本作の配役の豪華さがわかる。
 

完結編においては、撮影時に佐分利信の体調が良くなく、佐分利を中心とした話が書けず三船敏郎が主演になった。

東映の宣材にも「三船敏郎8年ぶりの主演」と書かれた。

三船、佐分利に対抗する、その上を行くような人物が欲しいと片岡千恵蔵の名前が挙がり、「御大はヤクザ映画は出ないだろう」という予想に反し「中島貞夫なら出る」と出演を了承したという。

片岡は1972年の『純子引退記念映画 関東緋桜一家』以来の映画出演だった。

片岡は二作目で内田朝雄が演じた児玉誉士夫をモデルとする大山喜久夫を演じた。

三船、佐分利、片岡のギャラが特に高く、一本立て大作でもサイパンロケが少数でしか行けないほど圧迫したようだ。

 

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