「日本海大海戦」
1969年8月13日公開。
日露戦争において、東郷平八郎率いる日本海軍がバルチック艦隊を撃破。
興行収入:3億6000万円。
脚本:八住利雄
監督:丸山誠治
キャスト:
- 三船敏郎(東郷平八郎海軍大将・連合艦隊司令長官)
- 加山雄三(広瀬武夫少佐)
- 仲代達矢(明石元二郎大佐)
- 黒沢年男(前山三吉一等兵)
- 久保明(松井菊勇大尉)
- 佐藤允(安保清種砲術長)
- 藤田進(上村彦之丞海軍中将)
- 平田昭彦(津野田是重参謀)
- 土屋嘉男(秋山真之参謀)
- 船戸順(山岡熊治参謀)
- 田島義文(伊地知彦次郎大佐)
- 辰巳柳太郎(山本権兵衛海軍大臣)
- 草笛光子(東郷てつ)
- 笠智衆(乃木希典大将)
- 松本幸四郎(明治天皇)
あらすじ:
十九世紀末。
欧州列強は争って中国への侵略を続けていた。
明治三十三年には、日本を含む八ヵ国の連合陸戦隊が排外思想を奉ずる義和団の暴動を鎮圧した。
だが、ロシアだけは満州に兵をとどめて、虎視たんたんと日本を狙っていた。
明治天皇を仰いでの御前会議は、ロシアに抗議文を送ったが、返事はなかった。
ついに国交は断絶。
連合艦隊司令長官・東郷平八郎(三船敏郎)は、バルチック艦隊とともに、旅順とウラジオストックにいる太平洋艦隊の動向に気をくばり、秘策を練った。
そして広瀬少佐(加山雄三)の旅順港口に老朽船を沈め艦隊を封じ込むという奇策を採用した。
一方、乃木軍司令官(笠智衆)率いる陸軍第三軍は、旅順要塞に陸上攻撃をかけた。
だが、ロシア艦隊は封鎖を破り、日本艦隊の砲弾をかわして敗走した。
十月二十日、バルチック艦隊がリバウ港を出た。
敵艦が日本海に現われると判断した東郷は、連合艦隊を内地に引き揚げさせた。
攻撃開始から五ヵ月目の翌年の元日、旅順二〇三高地の敵陣が、乃木軍の手で陥落した。
その頃、ストックホルムで諜報活動をしている明石陸軍大佐(仲代達矢)は、バルチック艦隊の航路が敵司令長官の一存で決まるという情報をつかんだ。
五月二十日、見張船信濃丸が五島列島沖にバルチック艦隊を発見。
五月二十七日、旗艦三笠にZ旗を掲げた東郷長官は、敵の直前を大曲転する大胆不敵な戦法をとり、敵の先頭を圧迫した。
激戦は、日本艦隊に大勝利をもたらした。
戦勝と平和回復に沸く国民。
だが、東郷は戦いに勝って真の“戦いの恐しさ”を忘れることができなかった。
コメント:
東宝が毎年終戦記念の8月に公開していた戦争大作映画通称8.15シリーズ。
東宝オールスターキャストで描かれる大作。
本作はそのシリーズの3作目で、初めて第二次大戦ではなく日露戦争を描く。
三船敏郎が東郷元帥、笠智衆が乃木大将とベストの配役。
映画黄金期の日本映画を再認識することが出来る。
三船は、いつものように怒鳴ることがない。
部下にも丁寧語を使うなど、言葉はきれいだ。
当然、部下への想いにも溢れている。
目の不自由な店のおばさんの戦死した息子にも焼香をする。
戦いの勝利の後も、敵の将校への礼儀を尽くす。
ラストの草笛光子の妻と靖国へと歩いていく姿は印象的だ。
この映画におけるロシア・バルチック艦隊との対馬沖海戦シーンは、円谷英二監督による特撮で、同監督の遺作となった。
旗艦、三笠は、1/10スケール(13メートル)の模型が作られた。
その他艦船は、1/38スケールにてミニチュア50隻以上が作られた。
見所は、バルチック艦隊に対する戦法「敵前大回頭」。
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