「新網走番外地シリーズ」第3弾「新網走番外地 さいはての流れ者」 | 人生・嵐も晴れもあり!

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「新網走番外地 さいはての流れ者」

 

 

新網走番外地 さいはての流れ者 予告編

 

 

1969年12月27日公開。

新網走番外地シリーズ第3作。

 

 

脚本:村尾昭

監督:佐伯清

出演者:

高倉健、山本麟一、谷隼人、星由里子、南利明、水島道太郎、 須賀不二男、今井健二

 

 

あらすじ:

久しぶりに北海道に帰って来た末広勝治(高倉健)は、幼い正一を連れてオホーツク海に面した小さな漁港にやって来た。

そこでは、漁業権を独占しようと田丸組が暴れていた。

勝治は、食堂の女主人ふみ代(星由里子)と知り合った。

折しも、日野組の船長白鳥(今井健二)は、田丸組のインチキ博奕に手を出し大事な船を抵当に入れてしまった。

借金を返すには、馬そり競争に勝つほか方法はなかった。

勝治は、愛馬タローを若社長の竜太郎(谷隼人)に貸し、勝負には勝ったがタローは死んだ。

その夜、勝治は祝いの酒盛で小松(南利明)と再会した。

数日後、正一をふみ代に預けた勝治は、田丸組のヤンシュウとして働いていた。

しかし、田丸(須賀不二男)の悪党ぶりに、組を出ようとした勝治は、制裁を受けてふみ代に助けられた。

傷も直らぬ勝治は日野組の蟹工船に乗り込んだ。

一方、田丸は、日野組の船にダイナマイトを炸裂させたが、幸い破損は軽く、船は漁場に向かった。

海は大荒れに荒れ、田丸組の三恵丸が遭難した。

勝治は一同を促し、乗組員を救った。

無法な若島(山本麟一)らも涙を流した。

やがて、大漁旗をはためかして、帰港した勝治に、ふみ代と正一の誘拐が若島から知らされた。

勝治は立ち上ったが、日野組の年寄常吉(水島道太郎)が押し留めた。

そして、常吉と若島は、田丸組へ向かったが、田丸の卑怯な銃弾に倒れた。

怒った勝治と竜太郎は、田丸組に殴り込み、勝治の怒りの刃は、田丸を深々と刺した。

 

 

コメント:

 

三作目で監督は佐伯清。

一作目がマキノ雅弘、二作目が降旗康男と来たのでここまではシリーズの監督の固定化は考えていなかったようである。

それも俊籐浩滋プロデュースならではの「昭和残侠伝」と同じ考えであったのかも知れない。

本作は馬のレースや船での対決があったりして、マンネリした任侠映画に新しい風を、ということらしい。
これを観たら、最後の殴り込みに来るまで、この映画が任侠映画だということを忘れてしまう。
食堂で高倉健と山本麟一の殴り合いは西部劇の乗りだ。

この新網走では、馬に乗っての銃の打ち合いシーンがあるので、これもやくざ映画ではない西部劇タッチだ。

しかも対立していた山本麟一が健さんに漢を感じてかれらのためにしようとして、親分に殺されるという新たな展開。

俊籐プロデューサーの指示なのか、あちこちにユニークさがある作品だ。

 

星由里子の食堂のおかみさんがキリッとした顔つきで演じていて良い。

若大将の澄ちゃんと違う魅力が出ている。

この女優さんも2018年に亡くなった。