雪が極端に少ない異常な暖冬が続いています。
豪雪地帯として有名な新潟でも、今年は例年の十分の一しか雪が積もっていないという驚きの状態がテレビのニュースでも報道されていますね。
この「冬らしくない冬」となっている原因は何でしょうか。
そのひとつが、日本から遠く離れた南の海の海面水温にあるようです。
日本気象協会によると、インド洋の異常気象が関係しているようです。
海面水温というと、日本では太平洋熱帯域のエルニーニョ、ラニーニャ現象が広く知られていますが、今回はインド洋の海面水温の変化を引き起こした「ダイポールモード現象」というあまり聞きなれない異常気象が日本の天候に影響を及ぼしていることがわかってきているようです。
最近インド洋の海面水温が西部で高く、東部で低い状態が続いているそうで、そのことによってインド洋上空の大気の流れが大きく変わっており、その結果オーストラリアの干ばつや火災を引き起こしたというのです。
日本付近では、しばらくの間は、南にある高気圧が例年より強く、上空の偏西風は北に蛇行して、寒気が南下しにくい状態が続くというのが気象庁の予測だそうです。
イギリスのBBCのダイポールモード現象についての解説によると:
インド洋ダイポール (IOD)
インド洋ダイポール(IOD)は、アラビア海の西側(即ち、インド洋西部)とインドネシア南部の東インド洋の2つの領域の海面温度の差によって定義されます。
IODは、オーストラリアやインド洋盆地を取り巻く他の国の気候に影響を与え、この地域の降雨変動に大きく貢献しています。
エルニーニョ現象と同様に、インド洋全体の温度勾配の変化により、水分と空気の上昇と下降の好ましい領域が変化します。
科学的には、IODはエルニーニョに似ていますが、赤道インド洋での海洋と大気の結合現象です。
IODは、西へのウォーカー循環の延長と関連するインドネシアのスルーフロー(太平洋からインド洋への暖かい熱帯海水の流れ)を通じてエルニーニョとの関係があると考えられています。
IODとエルニーニョが段階的に行われると、エルニーニョとラニーニャの影響はオーストラリアに対して最も極端なことが多く、段階的に外れるとエルニーニョとラニーニャの影響を減らすことができます。
海洋東部の気温は、西部と比較して暖かい部分と寒い部分とで振動し、"正"、"ニュートラル"、および "負" と呼ばれるフェーズを循環します。
今年のIODは、最近の60年間でこの現象が最も強いといえます。
その結果、今年のこのIODの影響によって、東アフリカの洪水、オーストラリアの干ばつ・火災現象が起こっているということです。
ブラジルの大統領だけが異常気象の原因ではないということでしょうか。
いずれにしても、今まで見たことがない雪が極端に少ない日本の冬は、これからの日本の社会の大きな変動を予言しているような気がしますね。