宗秀斎です。
久々のブログ更新です。
今年の夏も相変わらず体に応える猛暑日となり、模型製作も億劫になるくらい体力も消耗しているのでモチベーションを上げるのは大変です。ブライベートでも暑すぎて外出することなく黙々と屋内で製作しているくらいでしょうか。
そのような中、5年振りに京都御所紫宸殿を製作してみたいと考えて先月末から進めてみました。
5年前の製作では令和元年記念というテーマで大正期の即位式を再現した風景を盛り込んだジオラマを作りましたが、今回は純粋に現在の紫宸殿の風景をジオラマ化したいと思い、シンプルに仕上げてみました。
紫宸殿の実測図と立面図を元におおよそ1/250スケールに合わせて製作。
木材からのスクラッチ製作による紫宸殿側面パーツ。
撮影した写真を見ながら寝殿造に見られる建具の半蔀が特徴的な建物の鮮やかな装飾も忠実な彩色に心掛けてみました。
檜皮葺屋根の質感や屋根の反り具合も以前に比べて満足のいく仕上がりになってきたのではないか?と実感しています。
檜皮葺の少し経年劣化した深みある彩色に拘りました。
裏側部分もしっかりと作ってます。裏側はあまり目にする機会が少ないと思うので、こちらもできるだけ忠実に再現しています。裏側の左反面は小御所に繋がる廊下で塞がれていますが、今回の製作範囲は紫宸殿と回廊のみなので回廊を省略しています。
宜陽殿
月華門
承明門
紫宸殿を取り囲む回廊や月華門、承明門といった朱色鮮やかな表現には古色を再現したターナーガッシュの緋色、黄丹を使い分けてその鮮やかさに近づけるようにしてみました。
回廊の柱も外側、内側に1本、1本付けていくだけでも気の遠くなる作業で全体の回廊を仕上げるだけでも1週間かかりました。柱の正確な本数は数えていませんが、100本以上は超えてます。これこそ忍耐と根気のいるルーティーン作業。ジオラマ製作はそのほとんどが長時間に渡り地味な作業が続くことが多く、地味とは言え集中力もいるので武者修行といっていいくらいです。1mm傾いただけでも違和感を覚えるので、直角定規を使いながら垂直に立てていかねばならないので大変💦
たかが柱1本されど柱1本という精神ですね。
紫宸殿に繋がる宜陽殿。
ようやく全体の回廊と門や紫宸殿に繋がる宜陽殿の建物などが完成。正面にある一番大きな承明門から覗く紫宸殿の風景がまた良いのです^^
最後に外側の砂利道と内側の敷地に白洲を撒いて、紫宸殿手前にある右近橘と左近桜の植樹を以て1ヶ月に及ぶ紫宸殿製作の完成です!
今回は季節外れということで左近桜は咲かせていません^^
いかがでしたか?
今年、5年振りとなる京都御所紫宸殿ジオラマ。
現在、平安時代を舞台とした大河ドラマ放送中の「光る君へ」に便乗して平安王朝を偲ばせる京都御所紫宸殿の風景を再現し、当時の思いを馳せるそんな模型になればと製作。これまでの復習も兼ねて3度目の挑戦となりましたが、ディテールもより細かくなった気がしています。
滅多に製作しない紫宸殿模型ですが、これを機にそれに関連したジオラマにも挑戦したい気持ちになった作品でした。
これにて京都御所紫宸殿ジオラマ製作は終了です。