金閣寺と幻の天鏡閣完成 |  Kyotoから創造するARTBOX45°

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 歴史的建造物の模型・ジオラマなど当時の情景を蘇らせることに日々励んでいます。

宗秀斎です。

 

4月上旬から制作していた今年の金閣寺天鏡閣ジオラマが完成しました。

 

野外撮影に臨みましたが、あいにくの曇り空。週末にはどうしても撮影しなくてはならず、明日の京都は雨と予報されているので本日決行致しました。それでもまずまずの撮影はできたかと思っています。撮影枚数も100枚以上と記録を残す意味でも時間をかなり費やしました。

 

 

その前に先月、大河ドラマ「麒麟がくる」に便乗して戦国時代の武家屋敷「細川管領邸ジオラマ」がホビコムの月例コンテストに入賞致しました。今年に入り「紫宸殿即位の礼再現」「修復前の平等院鳳凰堂」に続いて今回で3度目の受賞となりました。

古建築模型はあまりお目にかかれる機会が少なくて、マイナーなテーマにも関わらず今回の作品を取り上げて下さったことに作り手として意義を感じています。古建築模型が波及する1つのキッカケになればと切なる願いです。

 

 

さて、金閣寺天鏡閣ジオラマ。今回で5作目でしょうか。毎年1つは必ず制作する定番ジオラマ。フジミ模型プラモデル金閣寺1/100を併用して天鏡閣とそれに繋がる複道などは木製フルスクラッチ。

金閣寺天鏡閣を作る際に1/150と1/100スケールの金閣寺プラを使い分けて使用しているのですが、今回は1/100。金メッキはいつものように剥がして、新たに金彩を施す作業から。

同じ金でも赤金や青金といった種類があるように金の塗料によって印象が変わります。いつも使用している金塗料を使用して金箔に近い彩色を心掛けました。金箔が貼られている金閣は金メッキ独特のギラギラ感でなく、できるだけそれに近い表現にしたいといういつもの拘りです。

 

天鏡閣部分。

現在も諸説ある謎のベールに包まれた幻の建造物。会所として1層目と2層目で様式が異なる和風の建物として2層目は寝殿造に見られる半蔀(はじとみ)張りに。金閣寺天鏡閣については過去に何度も記事にしているのでここは省略致します。

 

創建当時の鏡湖池の透明度は高かったであろうと推察し池の底が見えるように工夫してみる。

 

鏡湖池に映る金閣と天鏡閣。

今回の見所の1つである池の表現。池の波紋の自然な形が偶然にも表現できたのでリアル感が増しました。今までのジオラマで特に気に入っている鏡湖池。なぜこのような自然な波紋を作ることができたのか?池や海、波や波紋の表現は難易度が高く試行錯誤しながら色んな材料を試したけどあまりしっくりいかず…。

完成直後、今までの制作工程を振り返りながら考えた末にあることに気付く!

今度、池を作る機会があれば同じ工程で進めてみて同じように表現できたら僕の中では新発見!です。

 

僕なりのオリジナリティーを追求した松の木も栄えます。

 

いかがでしたか?今年の金閣寺天鏡閣ジオラマ。
室町創建の北山文化を象徴する創建時の金閣情景模型としてここに蘇らせました。
 
次回作は何にしようか?と迷走中です。
また進展次第記事にしたいと思います。これにて金閣寺と幻の天鏡閣ジオラマ制作は終了でございます。
ありがとうございました。