宗秀斎です。
4月に入り、お花見日和となりましたね。
ブログの更新も相変わらずの滞り…前回の制作始動と書いておきながら、もう終盤…いや、完成を見る事になりました(汗)
制作過程の記事を書くことが数年前に比べ確実に減ってます。
今回の作品も昨年制作したテーマと同じなので、省略していることもあるのですが…
今、確実に言えることは制作、プライベート含め年々忙しくなってきたということです。
そうはいっても更新頻度upしていかないと…今年の目標ではあります。
ご覧の通り完成間近というよりほぼ完成です。
5月初めに行われる新天皇即位と数日前に元号「令和」が発表され、令和元年となります。昨年からメモリアル模型を制作するというコンセプトを練り、試験的に第一弾を制作しましたが、今回の作品は更にグレードアップ!
紫宸殿もフルスクラッチとしてスケールも前作と違い、1/250となりました。
今更ながら完成までの過程見ていきたいと思います。
紫宸殿(内裏)の内郭部分の清涼殿に繋がるかつて校書殿と呼ばれ、その名残を留める建物の制作から、こちらは裏側ですが現地視察した際に撮影した写真を元に再現してみました。
こちらは東側の宜陽殿と呼ばれる建物で朝儀(政治)が行われていたといいます。紫宸殿から軒廊(こんろう)と呼ばれる通路と繋がる部分にあたります。普段は外観のみ見学しかできません。
正面。
内郭部分の塀、門を作っていきます。朱色はアクリルガッシュの和シリーズの「ひいろ」と呼ばれる古色に近い朱色を使用。寺院仏閣に使用される朱の種類は様々ですが、色味として最良でした。
始めに西側の月華門と呼ばれる箇所から
内側。門開きにしました。また塀の回廊の外側の柱も一本一本作りました。立面図に合わせその本数、間隔も忠実に。
紫宸殿正面(南側)の承明門。こちらの正門は他の門に比べ大きいです。
真正面の門から覗き込む情景が好きです。額縁(承明門)も付けました。
東側の日華門と呼ばれる箇所も先程の月華門と同じ大きさ、構造です。
これで内郭部分の完成。
石英と呼ばれる砂を用いて、京都御所の特徴である白州の砂利道を再現してみました。
さて、これから儀式に使用される旗や廷臣(貴族)のフィギュア制作にとりかかります。
今回、その参考としたのが昨年、京都で開催された御大礼展へ視察した時のもの。
こちらの形は古式と言っても大正天皇の頃に様式が変わったものです。それを再現された模型です。
ですので古式といっても再現したのは割と近代に近い情景でもあります。
一方こちらは江戸時代の即位の儀式を再現された模型。旗や人物の位置、調度品など随分違います。むしろウサギの絵が描かれたり、虎の毛皮を使用されたりと僕として大変ユニークな情景だと感じたのですが(笑)
これを再現するには、なかなかハードルが高く大正天皇即位の情景で進めてみました。
右近の橘と左近の桜を植えます。ちょうど桜の季節で満開にしてみる。絶妙のタイミングでした。この左近の桜は元々は梅の木だったようで、乾枯したのを桜に植え替えたそうで、いつ頃か不明です。
萬歳(ばんざい)の旗。バンザーイとよく言いますが、これです。文字も僅か3㎜程度で言われたら読める??というくらいの極最小です。これは和紙に印刷した上、強度を上げるため厚さ1mmのプラ版に貼ってます。紙のままだと経年劣化でしわしわになるのでそこも耐久性を考え工夫しました。
青・黄・赤・白・紫5色の菊花章中錦旗(きっかしょうちゅうきんばん)と呼ばれる旗や槍も大量生産、結構大変な作業です(汗)
束帯姿の貴族フィギュアも大量生産。これオリジナルです。このサイズの貴族フィギュアを制作してるのは私くらいではないでしょうか?もしかしたらあるかもしれませんが、今のところお見かけしません。というくらいマイナーフィギュア(笑)
というか作らない?
お遊びで官房長官に代わり令和を掲げる!
旗が立ち並び…
儀式で帝が紫宸殿から出る事は通常ありえないことなのですが、あえてその御姿を再現してみました。帝フィギュアも完全オリジナルです。恐れ多いこと承知で制作してみました。
そして完成を見ました。
いかがでしたか?
今回はフルスクラッチでの紫宸殿を立面図からほぼ忠実に再現したものが肝だと思っています。
またこのような即位の情景を個人で再現した例は無いかと思っております。というかそれを模型で再現しようと普通は思わないでしょうか(笑)
でもその情景を少しでも身近に手に取って感じて頂きたいという一心で、今回の即位式に併せた令和元年記念模型として制作致しました。日本古来の伝統や風俗が集約されたその情景がここにあると思います。
実際にこの目で再現された儀式を見たいと切に願うのですが、時代も移り変わりそれを引き継ぐことも困難かもしれませんが、それでも見てみたいですね。
近所の東寺の桜も絶景。
鴨だけに鴨川も綺麗でした。模型のことも何もかも忘れてリフレッシュ!のお花見日和でした。
さて、次回は完成紹介。
改めて野外撮影に臨みます。それでは!