爺婆は心臓を鍛えよ! | 野中宗助の日常

野中宗助の日常

漱石「門」の主人公の名前を拝借

BS放送を観ていると、加山雄三や草笛光子などが、年寄り向けの筋肉鍛錬マシーンのようなものを宣伝している。

 

ソファに腰かけながらブルブルと震えるマシーンの上に足を乗せるだけで、あるいは自転車のように漕ぐだけのマシーンで鍛錬すると筋肉が衰えないとか。

 

爺婆の足腰の筋肉は衰える一方に、ぜひ一台購入したほうがいいと勧める。

 

でもそんな楽して筋肉が鍛えられるとは信じがたい。

 

なにより仮にそのマシーンで筋肉が「ついた」としても歩くというのは筋肉だけの問題ではなく、心臓の問題でもある。

 

心臓がそれなりに強くないとしっかり歩けない。

 

息が上がるようだとダメ。

 

階段も坂も登れない。

 

心臓も鍛えないといけない。

 

そのためにはマシーンではなく実際にしっかり歩くことを勧める。

 

2~3日に一度、走らないと気がすまない自分は経験上、そう思う。

 

自分のつれあいは月釜と称して、茶会を月に5日ほど催す。

 

茶会を催す場所は自分が走るための拠点としている元伯母の家である。

 

小さな家なので、つれあいが茶会を催す5日間は、ランニングウエアに着替えたり、シャワーを浴びたりできないので、その間、ランニングの拠点にできず、走れない。

 

5日間も走れないとムズムズし、気分も晴れない。

 

仕事があればいいが、自宅でなにもせずにいるとなにか悪いことをしているようにも思え、体が「さぼっている」感じだ。

 

自宅でプライムビデオを観て、ただ食べているだけでいると体がむしばまれていくような気さえする。

 

爺婆こそ鍛えないと老化する一方で、どんどん体が衰える。

 

で、昨日、茶会の最終日に、つれあいが最終日は一席だけなので午後からなら走りにきてもいいと言ってくれ、ムズムズしていた自分は午後、炎天下を走った。

 

昨日は7月並みの暑さだったがそれでも鴨川を走るのは嬉しい。

 

しんどいが嬉しい。

 

汗だくになり、シャワーをあび、体がすきっとする。

 

足腰も大事だが、やはり心臓だ。

 

爺のくせに心臓がそれなりに強いと、バスなどに乗り遅れそうになると走れる。

 

先日も急ぎの用事があってJRに間に合おうとして駅まで結構な距離を走った。

 

73歳の爺いが必死の形相で走るのはさぞ気持ち悪いだろうが。

 

心臓の鍛錬はソファに座ったままで足の筋肉を鍛えるということだけではできない。

 

やはり爺婆は河川敷でも近所のどこなりと出て、走るなり、歩くなりして心臓を鍛える必要がある。

 

しんどいが身も心もすっきりする。

 

汗を流せばビールもうまい、もちろん飯だってうまい。

 

心臓を鍛えれば、車を使う要もなく、認知症ドライバーだって減る。

 

訳あって歩けない、走れない人は別にして、そんなマシーンに頼ろうとするのは逃げだと思う。

 

加山雄三も草笛光子も歳のわりに心臓も元気なのでニコニコしているのだろう。

 

筋肉鍛錬マシーンを買おうと考える爺婆はまだ元気だ。

 

鍛えようという気持ちがあるだけ元気な証拠だ。

 

でも鍛えるためにはマシーンではなく、実際に歩くこと、走ることを勧める。

 

毎日、30分ほどでいい。

 

鍛えよ、特に心臓を、と思う。

 

そして自宅にこもらず、外の景色も見よう。