僧侶のエロジャーナルSOMEDAY!
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奇妙な冒険~黄金の休日~

そこは一つの小さな町の
ただの近所のパン屋だった。

ただ、日常に潜んでいることを忘れてはいけない。
奇妙な冒険は…。


その日は休日。
床屋→喫茶店→マクドナルド
という最強の休日ゴールデンコースで
ほぼ1日を終えた僕は、
翌日の朝ご飯を買うために近所のパン屋に
立ち寄った。


そこは、安いのにまあまあ旨いコストパフォーマンスの
高いパン屋として(僕の中で)有名なパン屋だ。
店の名前はカタカナで覚えられないが。


もう閉店も間近なのだろう。
ほとんどパンはなかった。

だが、僕の狙うパンは残っていた。
そう!それは食パンだ!
喫茶店で食べたトーストがあまりに旨かったため、
自分でも買いたくなったのだ。

食パン一斤を手にとって
レジに持っていく。

女子店員だ。ショートカットで、
若干無表情。だが、それでいい!
この店の女子店員が無愛想なのは、
最初から想定の範囲内だ。
元より覚悟を決めていれば
心の傷も小さくて済む。


「298円です」


金銭を支払う。
と、女子店員から「お切りしますか?」
と問われる。


なるほど。そんなサービスがあるのか。
僕は感心した。
やはりコストパフォーマンスが高いぜ!
近所のパン屋!


「じゃあ、お願いします」
お言葉に甘える。
「何切れにしますか?」


何切れ…僕は考える。
なるほど。確かに、薄切りが好きな人もいれば、
厚切りが好きな人もいる。
関西では確か厚切りが人気なはずだ。

だが、僕は新潟出身。
中部地方と言われるくらいだから、
真ん中が好きだ。


イメージの中でパンに切れ目を入れてみる。

6切れでは薄すぎる。ウスウスだ。
かと言って、4切れにすれば厚い。
厚すぎれば、アゴを痛めかねない。

答えは出た!!


「5切れでお願いします」

「はい。少しお待ちください」
切られていないパンを奥へ持って行く。
そうか。これからこのパンを切ってくれるのだな。
そう思った僕は、心と体の状態を”待ち”に
設定した。


待つためのイスもなければ、
時間をつぶす娯楽もない。
ともなれば、店内を見回すくらいしか
やることはない。
他に店員でもいれば会話を楽しむことも
できるかも知れないが、あいにく奥でパンを作っている
職人さん以外は、無愛想女子しかいない。

大体、他に店員がいたとしても、
ほぼみんな無愛想なため、僕はビビって話しかけることができないのは明らかだ。

閉店間近なため、他に客はいない。
この店には喫茶スペースもあるが、そこも無人だ。
早い時間に来ると、近所のおっちゃんや
おばちゃんがたむろしているが。
レジの奥には、コーヒーをいれる機械もある。
自宅に欲しいが、あったらあったでそんな使わないよな…などと思考おめぐらす。


この間、おそらく20~30秒間というところだと思う。


ふと、無愛想店員がボーっと突っ立っていることに気づく。

おいおいおい。
お前、何をボーっとしとるんだよ。
俺の食パンはどうした?
切るのは職人任せだとしても、
何かできることがあるだろう!
俺と一緒にあなたまでボーっとするって
どーゆうことだよ!?


店員の態度が気になってしまう僕。
しかし、何かが変だ。
違和感を感じる。

ふと、自分の右手を見る。

(…………え?)

その右手には、手提げ袋が持たされていた。
その中には、食パンが一斤。
もちろん、5つに切れて。

(えーーーーー!?)


パニックに陥る。
バカな!パンを受け取った記憶なんて僕にはない!
それどころか、いつ切られていたかも
分からない!!!


パニックが体を支配する。
全身硬直して動かない。

だが、僕も伊達に28年間生きているわけではない。
多少の不思議体験ならある。
簡単に狼狽するような姿を人に見せるわけにはいかない。
5秒ほどで脳を鎮めて、
「あ。ありがとうございます」
そう、静かに店を出た。


僕は呼吸を整えながら、家路につく。
パニック状態から何とか脱して、
一つの結論に至る。


彼女は、スタンド使いだったのだ。
しかも、能力は『キングクリムゾン』


ざっと説明しよう!
『キングクリムゾン』とは、
時間をとばしてしまうスタンド能力。
そして、とばしてしまった時間の中で
自由に行動できるのは、『キングクリムゾン』の
能力者だけなのだ!
詳しくは『ジョジョの奇妙な冒険 第5部黄金の風』参照

※スタンド使いから分からない人は、『ジョジョの奇妙な冒険』第3部~参照


まさか、近所のパン屋にスタンド使いがいるとは!
ただ、僕は忘れていた。
スタンド使いはスタンド使いに引かれる。
この町には、きっとまだ奇妙な能力者がいるに違いないのだ。


……ご静聴、ありがとうございましt。


おわり

あらかじめの運命

先日、仕事帰りのレンタルビデオ屋さん。うっかり油断して延滞し
たエロビデオを返却しに行った。

延滞料金300円を支払い、恥ずかしさを胸に抱いて帰ろうとする


と、レンタルビデオコーナーの出口付近には時代遅れのゲーム機。
... その中で目についたのが、そう!
『太鼓の達人』だったのだ!

ちなみに『太鼓の達人』とは、ゲーム機から流れる音楽と映像にあ
わせて太鼓を叩くという、画期的なリズム感ゲームのこと。

何故かは分からない。
暑さのせいか?仕事のストレスか?
他のことでうさが溜まっていたのか?
僕は、猛烈に…猛烈宇宙交響曲級に、太鼓が叩きたくなる。

僕は、コイン投入口に100円を入れた。

と、そこで昔のことを思い出す。
それは、中学生の頃だったか…。
太鼓の達人がムーブメントを巻き起こしていた頃。
何と、太鼓の達人にプレイステーション版が登場!

僕は非常に欲しかった。
近くのゲームセンターには、
パチンコとパンティーが景品のクレーンゲームしかなかったので、
太鼓の達人などプレイしたことはなかった。

じゃあ、何故プレイステーション版が欲しかったのか?
それは、ある格闘漫画で、強い奴はリズム感が良い!みたいなこと
が描いてあったから。

ちなみに僕は美術部。

しかし、問題が一つ。
僕はプレイステーションを持っていない!
セガ・サターン派だったのです!
ファッキン湯川!

だけど、その諦めなさはほとんどビョーキ!

僕には、『相方』と呼ぶ程の友人がいました。そして彼は、プレイ
ステーションを持っていた。

となれば、手段は一つ。

太鼓の達人を購入し、相方の家でプレイする!それっきゃねぇ!
しかし、太鼓型のコントローラーまで必要なこのゲーム。
当時の中学生にとってみれば、破格すぎる価格!

だが、相方にこの話を持ちかけると、同じく太鼓の達人に興味を持
っていたらしく、共同で購入することが決定。
きっかり半額ずつ。

やった!これで太鼓の達人ができる!
これで強くなれる!
ひゃっほい!

だが、ことはそう上手くはこびはしなかった。
何故なら、そんな毎日相方の家には行かないのだ。
行かないならできない!答えは明快!
しかし、相方はやりたい時に太鼓ができる。
確か半分金出したはずだが、これはもしかして、
公平じゃないんじゃ!?
助けて!センターマーン!

そして、そんな日々が続くと、不思議なものであの頃持っていた情
熱も
いつしか消えていく。

それから数年が経った。

ある日相方に聞く。
「太鼓の達人どうしたん?」
「売ったれや」

一言あってもええんちゃうんかい!!?

そして、現代。
目の前で太鼓の達人が始まる。
まずは難易度の選択。
「かんたん」にしたかったが、男の意地で
「ふつう」を選択。
次に曲を選択。
太鼓の達人の良いところは、
流れる音楽がスゲーいっぱいあることだ。
懐メロから最新POPからより取り見取り。

数十秒悩んで選択した曲は、そう!
木村カエラの『Butterfly』。

バーターフラーイ今日はー♪

流れる音楽。
僕は、画面に出てくる映像にあわせてバチを叩く。
絶対できないと思っていた。
自分に、リズム感なんてないと思っていた。

だけど、できてる!
何だかうまいことできてるよ!
すげー!!

調子が上がる。
テンションが上がる。
腕をふるう!!
汗はほとばしる。

ドン!ドン!ドンドンドン!!

……終わる。

気持ちいいーーーっ!

あの頃得られなかったもの。

何故僕はあの頃、1万円近く払って太鼓の達人ができなかったのか

それは、ただただ、やるべき時じゃなかったのだ。

仕事帰りのサラリーマンだからこそ、
たった100円で味わえるエクスタシー。

時はきた!!

そんな風に思ったりして。

一皮むいたら中2

それは、2012年2月13日。
言ってしまえば、バレンタインデー前日だ。
曜日的には月曜日。ちなみに僕が勤める会社は火・水曜日が定休日となっているので、バレンタインデー当日は出勤しないのだ!
つまり、つまりこういうことだ!女子が男子にチョコレートをあげられる日は…言い換えれば男子が女子からチョコレートをもらえる唯一無二の日なりーーーっ!!

もちろん昨年もらうことはできなかった。しかし、この職場で働き出して早二年。
そろそろ、あ!あの人好きかも!的な娘がいてもおかしくなくない!?なくなくなくなくなくなくない!?

ただし、ここに一つ重大なポイントがある。しかも、マイナスの方の。
それは、僕の働く一帯の課に女子が少なすぎるのだ!

しかも聞くところによると、その昔わが社にも女子が男子にチョコレートを渡す儀式があったというのだが、バレンタインデーでの女子の苦労…そして、ホワイトデーでのお返し…そんな流れが面倒だということで儀式は廃止となったのだという……。

…それでいい!

そうして与えられたチョコこそ、本当にありがたく、嬉しいチョコなのだ。

だからと言って、自分がもらえるとは限らない。
というか、もらった試しがない。

確かに、恋人はいた!
恋人からはチョコもらってた!
それは、紛れもなく嬉しい。間違いない。
ただし、それとこれとは話が別だ。
別に、その子を抱けるとか、好きになってくれるとか、そういうことを望んでいるわけではないんですよ!!

ただただ、チョコが欲しい!!何となくモテた気分になってみたい!たったそれだけのことなんですよ!

そんな気持ちで出勤してから、数時間。もう、定時は過ぎて半分以上の社員は退勤している。

発表します!ダララララララララララ!(ドラム音)

今のところチョコ数……ゼロ。

そりゃあ、そうだ。
などと、虚しく納得して仕事に心と体を任せる。

そして、事務所内ではなく外にで仕事しなければいけなくなった僕は、寒空の中さんざん走り回った後に事務所に戻る。

と、デスクの上を見る。
そこには…あれ?ちょっと待てよ。
いやいや。これは…え?

チョコ…?

マジでかーっ!!

僕はニヤニヤする顔面を抑えることに全精力を注いだ。
そして、そのチョコの入った包みを手に取る。

そして、隣近所に座る上司たちに聞く。すっとぼけながら。

「あれ?何すか、これ?」

「○○が置いてったんだよ」

「へー。そうなんすかー」

平静を装った僕だが、内心はお祭り騒ぎだ。
顔がにやつきそうなのを必死に自制する。
「キターーーーーっ!!」
テンションはマックスの針を振り切っていた。

ちなみに○○というのは、わが社で総選挙やったらほぼ1位で間違いない!
という、女子だ。
要は前田のあっちゃんだ。

確かに彼女は朝事務所でチョコを配っていた。しかし、あくまで友チョコ的な感じで女子に配っていた。

あのチョコ、お情けでいいからくれんかなー…みたいなことは考えていた。

が、まさかの!まさかの!いただきマンモス!

確かによく見たら、変な袋にゴミみたいなんがちょっと入っているだけだが、そんなの関係ねぇ!!
紛れもなくそれは手作りチョコ!

いや。その前に、確認しなければいけない。僕は、上司たちに聞く。
「これ、皆さんももらったんすか?」
聞こえていないのか、返事が来ない。
全く別の話をしている上司の一人。
ちょ、おい!どーでもいいんだよ。そんな話は。
聞かせろよ!俺に!
皆がもらったのか!…
それとも!俺だけがもらったのか!?
と、熱意が口から飛び出る。
「これ!皆さん!もらったんすか!?」
先ほどより遥かに強い口調。
と、その熱意が伝わったのか、もう一人の上司が
こちらに向かって言う。
「そうだよ」
そうか…そうか…そうかーーーーーーっ!!!
いや。分かっている。分かっている。
あっちゃんが僕のことを好きじゃないなんてことは!
抱けるなんて、到底考えていない。
それでも!それでもこの、心から湧き上がる喜びは否定できない。
非難する気もない。
念のため確認するが、僕には彼女がいる。
彼女から十中八九チョコをもらうことはできるだろう。
しかし、あえて言おう!
それがどうした!?
彼女からもらえるチョコは嬉しいに決まっている。
だからと言って、会社で赤の他人のあっちゃんからもらえる
チョコが嬉しくないわけねーだろが!!
それはともかく、とりあえずお礼が言いたい。
社会人として、同僚として…一言「ありがとうございます」
そう言わなければいけない。
しかし、その日はもう時間も遅く、帰社している。
次の日以降にチャンスを待った。

そして、五日が過ぎた。

何か、もうどうでもよくなっていた。
いや、大体あまりにも時間が経ち過ぎて、
今更お礼を言うのも何か変じゃない?
というか、どういうテンションで言ったらいいかわからんし。
そして、何よりその時の僕は、
便に血が混じり、ろくすっぽ飯も食えないという…
半病人みたいな状態だったのだ。
チョコのお礼言ってる場合ではない。
人と話すのもしんどい。

そして、その夜。
仕事のために上司と歩いていると…
なんと!前方から、偽あっちゃんが!

ついに!ついに会ってしまった!
出来るなら、出会いたくなかった…。
会えば礼を言わなければいけなくなる。

明らかに僕は緊張していた。
体の肉は強張り、呼吸は浅くなる。
しかし、それは覚悟を高めている証でもあった。

だが、そこでふと考える。
おいおい。今はプライベートの時間


緊張しながらも社会人として5年の経験を積み重ねた

Time…確かに仕事中ではある!しかし、今はそれほど切羽詰まっている状況ではない。むしろ、「チョコサンキュでーす」と、軽く談笑するくらいでも良いかも知れない。

PJace…確かに仕事場ではある!しかし、この職場、仕事中にスタッフ同士話してもOK。あまりにも長時間ダラダラプライベートを話すわけにはいかんが、「チョコ、サンキュでーす」くらい言ってもいいはずだ。

O…今すぐイベントが始まるわけではないし、「チョコサンキュでーす」と、言葉を交わすくらいは大好きなはずだ。


と、いうことで結論は「チョコ、サンキュでーす」と言える!と、いうことだ。

僕はあっちゃんの方へと踏み出す。

が、そこで足が一瞬止まる。
しまった!俺の隣には上司が!!

いや。別にいいのだ。先ほど検証した通り「チョコサンキュでーす」くらいはあってもいいはずだ。

しかし、問題がある。
この上司、何かことあるごとにイジってくる上司だ。特に男女のことに関しては。
イジられるのはかまわない。
むしろ好きなくらいだ。
いや、何だかイジられないと、かまわれないと不安なくらいイジられたがりだ。

しかし、その時の僕には今回はイジられたくない!という感情が芽生えていた。

それはそうだ。
僕だけにチョコをくれた、ということは相手だってイジられたくないはずだ。

僕は、「お疲れさんでーす」と通り過ぎた。
ファッキン俺!通り過ぎてどーする!?
だって、こんな時の対処方が俺のマニュアルには載ってねぇ!

「お。○○じゃーん」

と、背後から声。
上司が彼女に話しかけているではないか!しかも、お互い楽しそうに!
くそ!五十代のくせに、何てチャラチャラしてんだ!

僕は、悔しさを感じながら歩き出そうとした…が、途中で気づく。

あのチャラ上司との会話が終わる時…その時こそがチャンスじゃないか!?今なら彼女も笑顔だ!

…ハイエナと罵られてもかまわない!
俺はやるぞ!

大きな決意をした僕は、話している二人を横目に、近くにあったイベントを行うためのステージに立ち寄った。

そして、さも「ちょっとステージボロくなってきたなー。修理しないといかんよなー」とでも考えているかのように、うろうろする。
というか、実際小声で言っていた。

そして、思ったより早くその時はやってきた!

二人の会話が終わったのだ!

うろうろするあまり、若干彼女との距離が空いてしまった僕。

しまった!


疲れた体に鞭打って、軽ダッシュをかます。

その先には彼女。

あくまで軽く!軽く言うんだ!
「チョコ、サンキュでーす」と。


「チョコ…ありが…とうございます」

しかし、疲労と胃の痛さで出た声は、
よく言えば高倉建さん。悪く言えば初めて話しかけたストーカー!
しまった!気負い過ぎた!

「いえ…」

あまりの気迫にだろうか、先ほどチャラ上司と話していた時の笑顔は消え、
むしろ若干引いている!

フォローだ!フォローワーになるんだ!

「お返しとか、どうっすかね。いるんすかね」

説明しよう!ここでこんなことを言ったのには理由がある!
つまり、チョコとかもらったことないんで、どーしたらいいかわかんないっす。的な純朴さを前面に押し出したかったのだ!

しかし、間違えれば何だか重めな印象を与えかねないこの言葉…ある種の賭け!

「…いや。大丈夫っす」

負けたーっ!!


「そうっすか」

負け犬は去っていく。


人生を歩みつづけて27年。
彼女もいるし、昔ほどの性欲もない。

それでも変わらぬ自分に出逢い、
恥ずかしさを感じながらも、
若干の懐かしさと、嬉しさを感じていた。

それからあっちゃんと一ヶ月は気まずかったが。


おわり