先日、私がプロデュースした「ヒューマン・アニマル・ボンド-人とペットの絆-」という市民講座にて、日本盲導犬協会にいがた盲導犬ハーネスの会より、会長の赤塚さんから講演をしていただきました。
前回の講座では、西洋文化に比べて動物への理解が遅れている日本の状況をお話しましたが、今回も同様に海外に旅行に行った際のお話においても、同様のお話がありました。
日本では盲導犬や介助犬への理解が普及されていないので、レストランやホテルなどで入店拒否されることがあり苦労されるそうですが、海外では普通に受け入れてくれるし、犬用の水入れを持って来てくれ、人のオーダーを聞く前に、犬の食事を用意した方がいいですか?と、人より先に犬のオーダーを聞いてくれたとのことでした。
街中を歩いていても、困っているとすぐに人が手助けしてくれるし、電車もバスも飛行機も当たり前のこととして一緒に搭乗出来るので、不自由を感じることがなかったとのこと。
先日のニュースでは、ユナイテッド航空にセラピードッグと一緒に飛行機に搭乗していたら、他の乗客が犬がいるから降ろしてくれ!と訴えると、その訴えた人の方が搭乗拒否されるということがありました。
犬は訓練を受けたセラピードッグで証明書もあり、正規の手続きを踏んでいることから権利が認められ、犬を降ろすよう訴えた人は犬アレルギーだ訴えた?そうだが、医者の診断書を持ち合わせていなかったので、人よりも犬の権利が優先されたのです。
日本でも、もっともっと、盲導犬や介助犬への理解が広まればと思い、今回の講座を主催しました。
協会の皆さんも普及に努めているそうですが、まだまだというのが日本の現状のようですので、皆様も盲導犬や介助犬への理解の普及にご協力してください。
まず、一般の晴眼者(目の視える人)に出来る事としては、
・盲導犬は訓練されておりますので、吠えたり、噛んだりしませんので、犬が苦手な場合でも怖がらないでください。
(10頭のうち3頭くらいしか盲導犬になれないほど、訓練が行き届いており、とっても性格も穏やかで、すごくいい子です!)
・盲導犬への声掛けや触れ合いはしないこと。
(声をかけられると、犬の顔の向きが変わってしまい、そこで命令すると意図していない違う方に進んでしまうから)
・人との意思伝達の為のハーネスやリードには触れないこと。
(人と犬をつなぐ安全具なので、絶対に触れないこと。触れられてしまうと、意思伝達ができなくなってしまう)
・盲導犬が一緒でも絶対ではないので、声掛けと手助けすること。
(犬には信号の赤・青は判断できないので、危険なこともある。道が狭くなっていると通行が出来ないので、見えている人の介助が必要)
・盲導犬に食べ物を与えないでください。
(いつでも貰えると思い訓練が無駄になってしまいます。後でちゃんと貰ってますので必要ありません)
・盲導犬を連れた人を見かけたら、スピードをゆるめて安全に通れるように運転してください。い
・特に盲導犬を連れて立ち止まっていたら、ヘルプサインなので手助けしましょう。
(目の不自由な白い杖を持っている人が立ち止まって杖を上にあげている時は困っているサインだが、盲導犬ユーザーの場合は、リードとハーネスを両手で使っているので、立ち止まっていたらヘルプサイン)
・声掛けして案内する際には、あっち・こっちではなく、進行方向に対して右左とか、時計の針で喩えるならと、具体的な指示をお願いしたい。
・騒音が大きいようなところでは声が聞き取りづらいので、肩を叩いて教えて欲しい。また、拍手などの音で知らせて欲しい。
・トイレまで案内してくださるのなら、扉は引き戸なのか・押戸なのか、様式は洋式なのか・和式なのか、トイレットペーパーの位置、レバーの位置を教えてくれると助かる。
最後に、盲導犬のお仕事をしていない日常を聞かせて下さいと質問すると、普段はただの野良犬です!とのこと。
家の中を自由に歩き回り、好きなソファーで寝て、ボールを持って来るので一緒に遊び、枕元で一緒に寝るとのこと。
新潟県あるあるとして、冬の時期にストーブの灯油を補充しようと外に出ると、心配で後をついて来てくれたことに気づかず、家に入る際に戸を閉めてしまうと、外で静かに待っていることがあり、自らの不注意を謝るとのことでした。
そうそう、これをお伝えしておかなければなりませんでした。
3頭目の子が1年足らずで癌となり、直ぐに交代の子が来た際に、新しい子は懐かず訓練が出来なかったとのこと。
左に寄り添うように指示しても、そこに来ないとのことでした。
新たな盲導犬は赤塚さんの心の中に、前の子の姿があることを感じ取っていて、そこは自分の居場所ではないと自ら避けていたそうです。
それから、あの子はお嫁に行ったんだ!と心に思うと、直ぐに命令に遵って寄り添ってくれたそうです。
お嫁に行った子は、パピーウォーカー(小さい頃育ったお家)さんの元に引き取られ、余生を謳歌し、数年後に会った時にはちゃんと覚えていてくれたそうです。
・・・盲導犬同伴の受け入れについて・・・
身体障害補助犬法で、公共施設や公共交通機関をはじめ、不特定多数が利用する病院・ホテル・飲食店・スーパーなど、様々な場所で補助犬を受け入れることが義務付けられております。
食品衛生法に基づき、条例で動物が入ることが出来ないと定められているエリアは厨房です。飲食店のテーブル下での待機や生鮮食品売場などへの補助犬同伴は法令上認められていることです。
補助犬はユーザーが責任を持って、健康管理・衛生管理をしているので、ご安心下さい。
どうか盲導犬への理解と普及にご協力下さい。
少しでも多くの人にご理解していただきたく、他の方にも目にとまるようしていただければと思います。
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私の著書:
「ありがとう。また逢えるよね。ペットロス心の相談室」双葉社
「老いゆくペットと幸せに暮らすための40の心得」双葉社