仏教では、あちらの世のことを彼岸ともいい、こちら側の世のことを此岸ともいう。
「対岸の火事」という言葉があるけど、対岸であれば火事が起こったところで自分の身に降りかからないからあわてずにいられますが、自分の家の隣が火事となれば他人事ではなく、自らの身に危険も及べば、火が燃え移って家が焼けてしまうかもしれず、大慌てとなります。
同じ出来事であっても、他人の身に起こることと、自分の身に起こることとでは、大きな差があるものです。
どんなに相手の身に寄り添おうとしてみても、同じにはなれません。
私がトイレに行きたくて、代わりに誰かに行ってもらっても、スッキリしません。
私がダイエットして、他の誰かが痩せるのでは、納得いきません。
お別れという大きな悲しみは、他人には理解できないのですよ。
理解しようとしてくれる優しい人はおりますけどね。
この悲しみを誰かに分かってもらおうとして話したものの、
思うような感じとならず、思っていることが伝わらないことありますよ。
だって、対岸の火事なんですもん。
独りで抱え込むには辛すぎて、誰かに相談してみたものの、
思うような答えではなく、思わぬ言葉に傷つくことだってありますよ。
だって、対岸の火事だから。
同じような経験をしたことがなければ、同じような気持ちになれませんよ。
想像力の翼がある心優しい人なら出来るかもしれませんが、
普通は自分の体験した事柄の範疇でしか考えられないんだよ。
大事な存在との出会いには意味があったことでしょう。
失ってみて気づくこともありますが、出会いがもたらしてくれた大いなる幸せを知っていますよね。
では、この別れにはどんな意味があるのでしょうね?
私には分かりません。
だって、あなたの人生ですから。
それに、別れの先に答えがあるのですから。
あなたは大事な存在と出逢う前に、この出会いの意味を知っていましたか?
知りませんよね。
出会ってからの営みの中で、意味を考えず味わってきたのです。
亡くなってみてから意味を考え、答えを知ったのでしょ。
さよならだって同じですよ。
さよならの向こう岸に答えが待っているのですよ。
あちらの岸に行く日まで、意味など考えず生きればいいのですよ。
生きて欲しいと願ったように、自らも生きればいいのですよ。
生きる人生のその先に、この別れの意味を知る時がきますよ。
あなたはあの子の元気な姿を忘れない。
あの子はあなたの笑顔を忘れない。
あなたはあの子の温もりを忘れない。
あの子はあなたの優しさを忘れない。
あなたはあの子の心を忘れない。
あの子はあなたの心を忘れない。
あなたはあの子との過去ばかり見つめてる。
あの子はあなたとのこれから先を見つめてる。
あなたはあの子との過去を忘れない。
あの子はあなたとの未来を忘れない。
あなたには今日がある。
あの子にも今日がある。
さよならの向こう側には、こんにちはが待っている。
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私の著書:
「ありがとう。また逢えるよね。ペットロス心の相談室」双葉社
「老いゆくペットと幸せに暮らすための40の心得」双葉社