日本人はお骨に対して執着が強い民族って、皆さん知っていますか?
海外で不慮の事故に遭ったとして、日本人であれば遺体の引取りや遺品の回収ということに労を傾けますが、他の国々では遺体は亡くなった国で葬り、遺体の移送などはあまり考えないことなのです。
戦争のあった土地で戦没者の遺骨探しをするのは日本くらいの風習であって、他の国々からすると奇異な光景に見えることなのでしょうね。
世界の大半の弔い方は土葬ですからね。
火葬する文化圏はとても少なく、ごく少数派なんです。
土葬の文化圏の思想から考えると、死者の国にこそ本体である魂の帰るべき処で、この世の肉体は仮の姿であり、死ねば屍でしかなく、無用なものとなり、大地に還すものなのです。
最近では、衛生的な問題や大都市化による土地不足から、土葬文化圏であっても火葬することが増えてきたそうです。
でも、火葬したお骨をどのようにして扱っていいのかという文化がないので、扱いは適当のようですよ。
海外からいらっしゃるお客様方の話によると、お話する方のどの地域も土葬文化圏で、火葬に立ち会ったことのある方の話では、火葬炉のグレードも高くないのと、外国人は体が大きすぎ(脂肪分)て火葬すると煙と臭いがひどいそうです。
あと、日本的なお骨拾いなどはなく、高温で灰になるまで焼却して、灰を箒で集めて渡すそうです。
ペットの場合も同じで、灰にするだけで遺骨を拾うというシステムはなく、ビニール袋に遺灰を入れて渡されるそうです。
ちなみに、海外でペットロスの研究をしている人に聞いた時も同じで、アッシュという灰にして渡されれるだけで、ビニール袋ならまだマシで、よくアルミのバケツで渡されると言っておりました。
たま、高級な霊園になれば、すぐに土葬できるようにと、コンパイルという自然分解する筒に入れられ渡されるそうです。
日本人的な考え方からすろと、ビニール袋?バケツ?
えっ⁈って思いますよね。
でも、お骨に執着しないのが世界的な考え方なんですよ~
愛する者の身体は生きている時にこそ愛するものであって、死後の身体は魂の抜け殻、魂の洋服という感覚ですから、そこに価値はないので埋葬するなり焼却するのが当たり前なのです。
日本人のように、お骨までも慈しむという文化はないのです。
日本も昔は適当だったのでしょうけど、江戸時代から市民にも葬儀という風習が一般的になり、寺院で戸籍管理していたことからも、一家に一墓地というようなことが始まったのです。
火葬文化圏である日本においては、火葬後にお骨を目にしますし、お骨にも魂が宿っているから、しかるべき墓所に埋葬してあげなければ成仏できないと考えられてきましたからね。
それで、お墓に行けば故人に会えるということから、お墓参りとなっていったのでしょうし、「骨を拾ってくれ!」「骨を拾ってやる!」という言葉からも「最後まで面倒みてやる」「最後は任せて思い切ってやってこい」というように、お骨になってまでもという表現になるのですよね。
そんなこともあり、お骨をも慈しむというのが日本的な考え方で、お骨は愛しい者の姿でもあり、慈しむべき拠り所となり、懇ろに扱われてきたのです。
そうして丁寧に扱われるべきものとして、信仰の対象としても敬われ、お寺にて祀り埋葬するのが一般的となっていったのでしょう。
(まったくの私見です)
ちなみに、「骨を拾う」となると、お骨拾いすることでもあり、最後まで世話するという意味になり、「骨を拾ってやる」となると、後のことは任せて心置きなく頑張ってこいという意味になる。
城卓矢の「骨まで愛して」なんて演歌もあるほどで、今は氷川きよしに受け継がれていますしね。。。
「何にもいらない欲しくない
あなたあれば幸せよ
あたしの願いはただ一つ
骨まで 骨まで
骨まで愛して欲しいのよ」
というのが、日本人の心を歌ったものなのです。
まぁ、外国のことはよその国のことだからいいとして、日本人としては骨まで愛してくれたら嬉しいのでしょうから、お骨拾ってほしいのですよ。
最期の最後というのは、お骨までなんですよね。
人やペットの火葬の時に、お骨まで愛して、自分の身になって生きて欲しいと願い、お骨を食べる人おりますし、愛しいお骨だから手放せないと言うのです。
体だけって言われるよりも、お骨まで愛してるって言われたら幸せですよね。
(体だけの付き合いなんて言ったら、引っ叩かれますよね)
ペットたちは、最後まで愛されて幸せなことですよね。
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私の著書:
「ありがとう。また逢えるよね。ペットロス心の相談室」双葉社
「老いゆくペットと幸せに暮らすための40の心得」双葉社