少し前にお寺の新年祈祷会があり、お師匠さんから「足で稼ぐ」という新年のお話がありました。
ちなみに、稼ぐとはこの地の方言で、働く・仕事をするという意味。
今年の法話はとても短く、祈祷したお札を郵送するのではなく、自らの足でお寺に赴きご祈祷したお札を持ち帰ることに意味があるとのお話で、自らの労力を掛けた分だけよりご利益もあるものだとのこと。
確かにそうなんですよね。
郵送で送られてきたお札よりも、自ら貰いに赴いた方が有難味があるものでしょうからね。
前職の広告代理店で仕事をしている時に、私は古い人間なので営業は足で稼ぐものだとも思っており、頭を使うのはもちろんですが、足も使って仕事しておりました。
でも、営業成績不振の後輩から相談されたことに、上司から足で稼ぐなんて指導されたけど、それは昔のことで古いですよ!と指摘がありました。
そこで、営業成績抜群の私と一緒に同行してみることに。
まず、クライアントの最寄駅から会社まで一緒に歩きます。
商談後には違う道で最寄駅まで帰りました。
これが足で稼ぐということだよ!と終えてあげました。
行くときには見ることが出来なかった景色が帰りにはあることを教え、帰り道に美味しそうなラーメン屋さんがあることを指摘して、あのお店美味しいかどうか食べてみるのも次回の話のネタになるし、次回訪問の際のトーク材料にもなることを教えてあげました。
また、同じ道を戻るにしても、行きと帰りでは看板や広告の配置が違うから、見せ方の勉強にもなることを教えてあげました。
次にトイレに行きたいというので、緊急でないことを確認して駅ビルの上層階までエスカレーターで上り用を済ませます。
これが足で稼ぐということだよ!と教えてあげました。
いつもトイレに行くときはどうしているかと聞くと、駅のトイレや駅ビルでも最寄のトイレを使うとのこと。
それでは、見える景色が限られるんだよって教えてあげ、上層階のトイレを使用することで駅ビルのテナントの感じが見渡せることで、その駅を利用している客層やその街の色合いというものが分かるのだと指導してあげました。
お昼をご馳走してあげて、次なるクライアント先に向かいます。
そして、お昼食べたお店の感想をクライアント伝えると、相手は喜んでくれご機嫌な商談となりました。
実は前回訪問の際に、近場の美味しいお店を聞いていたのです。そこのリサーチをするためにも奢ってあげるためにも一石二鳥なので利用したのです。
これが足で稼ぐことだよ!と教えてあげました。
けっこう街歩きをしながら、いろいろなポイントを教えてあげて足が疲れてきたみたいなので、喫茶店で休憩してから帰社することにしました。
休憩はどうしているのかと聞くと、普通に喫茶店に入ったり、公園のベンチなどを利用しているとのこと。
私は喫茶店を利用するにしても、外の景色が見渡せる店を利用して、行き交う男女のファッションや持ち物をチェックしたり、どんな年齢層の人がその時間移動しているか見たりして、この街で広告やキャンペーンをするとしたら、どんなアプローチがいいかなぁ~と考えていることを教えてあげました。
これも足で稼ぐことだよ!とね。
止まっている・休んでいるとしても、そういう時間すらも無駄にしないで何かに繋がらないだろうかと思考していると、何か閃いたりするんだよね!と実際の商談に繋がった話などをしてあげた。
古い先輩社員の足で稼ぐという教えは、足繫くクライアントで出向いて仕事に繋げるという人間関係みたいない話だから若者にはピンと来ないのでしょうけど、こういう日々の積み重ねが私の営業成績になっていることを知ると、足で稼ぐってことが分かるのですよね。
ちなみに、私も昔ながらの手法で足繁く通って仕事に繋げたクライアントもありますよ。
「いや~近くに立寄ったものですから」とね。
何度断られても通い詰めて、「お茶でも飲んでけ!」との切っ掛けから、私の顧客になりましたからね。
なんでも楽をしようとするのではなく、面倒でも働けばいいのですよ。
それが足で稼ぐということなんですよね!
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私の著書:
「ありがとう。また逢えるよね。ペットロス心の相談室」双葉社
「老いゆくペットと幸せに暮らすための40の心得」双葉社