この前、死別の悲しみは蓄積できる経験ではないというお話をしましがが、死別後に心に抱く後悔は訓練することができるのですよ。
愛する者を失って、「あの時こうしていれば…」「こんなことなら、もっと～」と後悔の真っ只中にいる人にとっては、なんのことを言っているのだろうと思いますよね。
何度も同じことを繰り返しては涙して、心が張り裂けそうなほど辛い思いをして、取り返しのつかないことをしてしまったと後悔して苦しんでいるのですからね。
何度も何度も同じことを後悔しているうちに、じつは心は訓練されていて、この後悔という辛い苦しみの感じ方を変えているのですよ。
何度も同じことを後悔しているうちに、最初に抱いていた後悔の感じ方よりも、何十回と後悔した後の後悔の感じ方の方が、最初に比べて少しは楽になっているのですよ。
最初の後悔の塊は刺々しくゴツゴツしていたのに、何度も後悔しているうちに後悔の塊は解けずとも、表面は滑らかになってゆき、少しは楽になるのです。
心が辛く苦しいままでは、生きるのが大変だから、何度も訓練することで受け止め方が楽になっているのです。
言葉を替えて言うなら、訓練されて上手になっているのですよ。
さらに言葉を替えるなら、涙で研磨されて滑らかになったのですよ。
人によっては、その後悔が何度も何度も繰り返されることで深みにはまり、人生のどん底から抜け出せない場合もありますが、これは人生のおかれた状況と絡み合ってしまっているのであって、純粋は後悔だけではなくなっているから重いものとなるのです。
人は後悔を何度も訓練していると、いつかは達人の域に達することがあるのです。
同じ過ちから何度も繰り返すことでも、また異なる過ちを繰り返し後悔することでも、何度後悔しても現実は変わらず、繰り返し後悔したところで過去に遡れる訳ではなく、あの時思っていたことをしなかったことが後悔になっているんだと、後悔の本質に気づくことがあります。
この本質に気づき、後悔という人生を歩みたくないと決意した時、人は変わるのです。
もう、後悔しないようにしよう！
後悔しないように、今を生きよう！！
そして、いつの日にか今日を生きたこと成果があったとき、人はあの時の後悔のことに感謝するのです。
あの時、後悔したお陰で！とね。
そうして、後悔は訓練されて成果を得ることで、心の中にあった塊は解け、人生の学びへの変わるのです。
氷も両手で抱けば、いずれは水になります。
by晴正
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私の著書：
「ありがとう。また逢えるよね。ペットロス心の相談室」双葉社
「老いゆくペットと幸せに暮らすための40の心得」双葉社