僕らはフレデリック | 童話作家になればよかった

童話作家になればよかった

子供を連れて行った自然観察会に自らがハマり、
散歩ついでに始めた「自然観察写真」の紹介を中心に、
日頃感じたよしなし事を、きままに書きます。

やあ、フレデリック、初めまして。
実は君のことを知ったのは、つい最近のことなんだ。
スイミーは少し聞きかじっていたけれどね。
フレデリック―ちょっとかわったのねずみのはなし - レオ・レオニ, 谷川 俊太郎
フレデリック―ちょっとかわったのねずみのはなし - レオ・レオニ, 谷川 俊太郎
それが、今頃どうしてって?
今、人間の世界は大変なことになっているんだ。
そう。新型コロナウイルス感染症さ。
世界中が悩んみ苦しみ、迷っている。
僕も、その一人さ。

えっ!?コロナとネズミがどう関係するかって?まあ、お聴きよ。
救いを求めて僕は本を読み漁り始めた。
自分が嘗て読んだ、尊敬する賢者たちの著作をね。
その中で、諏訪中央病院の鎌田實名誉院長の本に君のことが書かれていた。って訳さ。

まだピンと来ないって?!じゃあ僕らの仕事のことを話そう。
僕らは所謂エンタメ業界って呼ばれているような世界で生きている。
芸術・芸能・文化を、如何にして、より多くの人に、少しでも良い品位に伝える仕事だよ。
そう、その為に ひかり や、いろ や、ことば を集める。
もう、分かってくれただろう?
フレデリック、君と同じ仕事さ。
だからこそ、君に尋ねたいことがあるんだ。

君は仲間が たべもの を集めて居るのを見て申し訳なく想ったかい?
「どうして きみは はたらかないの?」なんて聞かれた時は何を考えた?
「ゆめでも みているのかい」なんて言われて腹は立たなかったの?

今、僕らの仲間は、ジシュクってヤツで仕事を失っている。
どうも自分たちの仕事はフヨウフキュウってことのようだと自信を失くしてる。
実際に向き合わなくてもリモートってので事足りるから、
事態が収拾しても、もうお呼びじゃないみたいだ。

本当にそうなのかな?

今、人の世界でも、ばかな きつね や、まぬけな ねこ の話題で持ちきりだけど、
まだ たべもの は、たくさんあるけれど。
きっと、僕らが集めておいた ひかり や、いろ や、ことば が必要になる日が来ると想うんだ。

どうかな?ねえフレデリック・・・。