映画「シェルブールの雨傘」(1964年)
私の生まれた年の公開。日本でも大ヒット。
Copyrighte Jaques Demy's film 1964
音楽担当のミシェル・ルグランは、フランシス・レイと並ぶ映画音楽の巨匠。
若き日のカトリーヌ・ドヌーブの演技が実にケナゲで美しい。
歌の部分はカトリーヌではなく実はダニエル・リカーリが歌っていたと知ってちょっとがっかりだが、このミュージカルの「音楽」と「演技」の同期性は素晴らしい。
このテーマ曲の特徴は、
半音上行形の装飾音で始まるモチーフAと、
で出来ており、これらモチーフを繰り返し模倣することで展開してゆく。
二部形式1個(16小節)が完結するごとに、半音ずつ移調してゆくのも大きな特徴。
駅の別れのシーンでの、Cm→ C#m→ Dm→ Ebm の4段階移調は、壮絶に劇的である。
シニカルな現代の我々からすると、駅の別れのシーンの音楽演出はベタすぎるのかも知れないが、先入観なしで聴くと素直に感動できる作品だと思う。
公開から半世紀。自分たちの親の世代が愛したであろう作品をしみじみ鑑賞してみるのもよいのでは?
youtube動画:シェルブールの雨傘 4分45秒から開始します