フェノバールとガバペンチン | 草村動物病院 「動物の診察室から」

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 てんかん薬の質問がありました。

 2013年9月24日のブログに、抗てんかん薬について書いてあったので、↓にコピーします。

 フェノバールとガバペンチンまたはプレガバリンの併用は大丈夫だと思います。

 ゾニサミドで元気食欲がなくなることはあまりないのですが、人体用と動物用は2種類のメーカーさんが出しているので、別のゾニサミドを試しすのも一つの方法かと思います。
 
2012年9月24日 動物の診察室から  「抗てんかん薬」

 犬や猫のてんかんは意外と多いものです。

 猫はまた少し薬が違うのですが、私の病院のてんかんの治療薬について書いてみます。

 てんかん発作が起きた動物を診るとき、はじめに発作の既往歴を調べます。いつに初発があったのか、発作の時間、発作の回数、発作の頻度をわかる範囲で教えてもらえいます。

 てんかん発作を起こす動物は、3歳くらいまでの若い時期から起こす場合が多く。

 チワワなどの水頭症は1歳くらいまでに症状が出ますし、パグに多いためパグ脳炎と言われる(壊死性髄膜脳炎)は2歳~5歳で発症が多いとされています。

 逆に、高齢になってからのけいれん発作は、脳腫瘍の場合が多いのです。

 次に、神経学的検査を行い、脳以外の脊髄などの症状が出ていないかを調べます。

 そして、麻酔が必要ですが、私の病院ですと頭部のCT検査、MRI検査を行います。

 脳腫瘍、脳炎、水頭症などの異常が見られず、発作は1分以内で発作の後は正常に戻る場合には、「てんかん」として治療が始まります。

 犬で現在使用している薬は、ゾニサミド(商品名エクセグラン)以前はフェノバルビタールを使用していましたが、てんかんの薬は長期にわたり投与するので、ゾニサミドの方が肝障害が無いので第一選択薬はゾニサミドです。

 ゾニサミドで調整がうまく行かない時は、ゾニサミドにガバペンチン(ガバペン)を追加します。1日3回投与が必要なのですが、難しい場合には1日2回の投与にします。

それでも発作が起きる場合には、ガバペンチンの代わりに同じ系統の新薬でプレガバリン(LYRICA)に変更します。ただこの薬は結構高い薬ですので、私の病院ではスイスからの輸入品で1カプセルのミリ数が多いものを使っています。

それでも、うまく調整できない場合には、上記の薬にレベチラセタム(イーケプラ)を追加しますがこの薬もお高く1に3回投与なのですが、難しい場合には1日2回の投与で行っています。

要約すると抗てんかん薬は

ゾニサミド

ゾニサミド+ガバペンチン

ゾニサミド+プレがバリン

ゾニサミド+プレガバリン+レベチラセタム

これは私の病院での処方ですので、かかりつけの先生とよく相談して治療を行ってください。