今週月曜日に、村上診療所に受診し、子宮蓄膿症のためそのまま新潟本院で手術を行なった、フレンチブルドッグの「ベティーちゃん」。
元気になったので、今日退院です。
村上診療所で、飼い主様を待っているベティーちゃんです。よかたですね。
フレンチブルドッグの「ベティーちゃん」は9歳6ヶ月の女の子です。
先週末から下痢嘔吐と具合が悪く、土曜日に陰部から大量のおりものが出たそうで、近くの病院に受診しました。
子宮蓄膿症と診断され、抗生剤と嘔吐を止める注射をしてもらい、抗生剤の内服を処方されたのですが、症状が改善されないため、村上診療所を受診しました。
陰部からの排膿なので、子宮蓄膿症なのですが、エコー検査でも、大きくなった子宮内に液体があることがわかりました。
子宮蓄膿症は、そのままでは死亡してしまい、治療は早期に外科手術です。子宮内に膿があるあるまま抗生剤を使用すると、子宮内の細菌が菌でしまい、そのためのエンドトキシンショックを起こすことがあります。
飼い主様には、早期の手術が必要と説明し、そのまま新潟本院へ向かってもらいました。
新潟本院へ向かうベティーちゃん、敦井先生に連絡しておいたので、そのまま入院し検査手術となったようです。
私が夕方戻ってみると、手術は無事に終わって、点滴中でした。今朝も点滴中で、ベティーちゃん、楽になったようです。
よかったですね。
チワワの「こたろう君」は、6歳10ヶ月の男の子です。
年末に痙攣発作を起こし、上越の上原先生の病院で治療をしていました。
治療の結果、痙攣発作は起きなくなったのですが、後ろ足の麻痺、そして徐々に前足の麻痺も進行してきました。
私の病院で、MRI検査を行ったのですが、画像では水頭症と重度の脊髄空道症が認められました。
脊髄空洞症は、脊髄の中心官が大きくなる病気です。
脊髄は神経繊維が集まって脳から尻尾の先まで、背骨の中を走っている神経です。脊髄を輪切りにしてみると、中心にとても小さな穴があります。脊髄空洞症の子の脊髄を輪切りにしてみると、ちくわのように大きな空洞があるのです。
脊髄空洞症は、大きな空洞の中に脊髄液が入って、内側から脊髄を圧迫するために、ふらつきや、頚部痛、進行すると四肢麻痺が起きるのです。
治療は、脳圧を下げる内服薬ですが、内服薬に反応しなく症状が重い場合には手術を行うことがあります。
手術法は「大後頭孔拡大術」で、後頭骨の骨を削って、硬膜を切開します。それにより、小脳への圧迫が解除されるのですが、切開した硬膜の代わりに人口硬膜を、ふっくらと余裕を持たせて縫合します。
しかし、こたろう君の場合には、最初の症状が痙攣発作で、脊髄空洞症だけでは痙攣発作は起きないので、その発作は水頭症が関係している可能性が高く、適応手術は「VPシャント術」が考えられました。
そして、昨日こたろう君に、VPシャントの手術を行いました。
手術後の3D-CTの画像です。脳室内にチューブを入れて、途中に圧調整弁を設置して、その尾側のチューブを腹腔内に設置してあります。
手術後の「こたろう君」です。歩けるようになるといいですね。
猫の「クロちゃん」は、綺麗な三毛猫ちゃんで、昨日骨盤骨折で入院しました。
私は村上にいたのですが、帰ってレントゲンを見てみると、結構大変な手術になります。
骨盤骨折の手術は、定番な骨折以外に、その症例に合わせていろいろな手技を考えなくてはならない場合があります。
クロちゃんの、骨盤骨折は、関節窩の頭側が骨折していて、その前方の骨は3つに分かれていました。手術は高難易度なので、私がすることになりました。
術前のレントゲンと、3D CTの画像です。
手術前の「クロちゃん」です。
私が執刀、麻酔は廣橋先生、助手は新卒の中島先生、器具出しは新卒の百瀬先生で、この手術は、外科関係の雑誌や教科書を見ても、会得できません、実際の手術で、一つ一つに手技を説明して、完璧に行なって見せることがいちばんの勉強です。
術後の写真です。獣医師になって1ヶ月経ちませんが、この手術だけで、3年経っても理解できない手術を会得できたと思います。
今年は、新卒の先生3名いますが、毎日遅くまで残って勉強しています。みんな偉いと思います。
ポメラニアンの「カイちゃん」は、14歳11ヶ月の男の子です。
3月28日に、前の日から急に元気がなくなったとのことで新潟本院へ来院しました。
診察の結果は、腹腔内に血液が溜まっていて、エコーでは多分肝臓破裂が疑われました。
すぐに「メルちゃん」から採血をして輸血開始です。
肝臓腫瘍が強く疑われ、手術適応なのですが、腫瘍の位置が肝臓の中央部で、肝臓外科で一番難しいところです。
ただ、幸いなことに次の日29日に、ちょうどカイちゃんと同じ中央肝腫瘍の手術で、大学の軟部外科の先生が来る予定になっていたのでした。
その先生は、私の病院には10年ほど前から来てくれていて、私の病院の顧問にもなってくれていて、日頃からむづかしい症例にアドバイスをしていただいています。
外科医に順番をつけることはできないのですが、軟部外科に関しては日本で一番外科医です。
飼い主様に、ちょうど肝臓外科の専門医が来ることを説明し、今手術をするよりは、1日メルちゃんの血液を輸血して専門医の手術を次の日に受けることを勧めました。
次の日は、一番目の手術となり、無事成功。回復も順調で退院となったのでした。
しかし、肝臓の病理検査の結果は「血管肉腫」とても悪性で再発や転移の多い腫瘍です。そして、生きていける時間は数ヶ月のことが多い病気です。
そしてカイちゃんは、退院後調子は良かったのですが、2週間後発熱をし食欲がなくなってしまいました。
カイちゃんのお家は、新潟本院より、村上診療所の方が近いので、今は村上診療所に通っています。
カイちゃん、今は熱も下がって、少しだけ食事をしてくれています。大変な病気ですが、頑張りましょうね。