〇 マーヴィン・ゲイの幻のライヴと、「ホーリー・ホーリー」をすぐにカヴァーしたアレサ・フランクリ | 吉岡正晴のソウル・サーチン

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〇 マーヴィン・ゲイの幻のライヴと、「ホーリー・ホーリー」をすぐにカヴァーしたアレサ・フランクリン

 

【What’s Going On Live – Aretha Franklin Live: Aretha Covered “Wholly Holy” Right Away】

 

ライヴ。

 

マーヴィン・ゲイの世紀の名盤『ホワッツ・ゴーイング・オン』が1971年4月に発売され大ベストセラーになると、マーヴィンの元にライヴのオファーが殺到した。

 

しかし、マーヴィンは大のライヴ嫌いなためになかなかツアーにでない。そんな中、マーヴィンの生まれ故郷ワシントンDCのプロモーターが同地での凱旋ライヴを企画し、マーヴィンを誘った。マーヴィンは渋々承諾。

 

1972年5月1日、ワシントンDCでマーヴィンのライヴが決まり、そのライヴ・レコーディングが行われることになった。

 

ところが、技術的な問題が生じ、このライヴ・アルバムの発売はその時点ではお蔵入りになってしまう。おそらく、なぜか「マーシー・マーシー・ミー」の録音に失敗したためだろうとみられる。理由はわからないが、シンプルなミスとみられる。「マーシー・マーシー・ミー」はアルバム『ホワッツ・ゴーイング・オン』からの3大ヒットで、これなしにライヴ盤を出すことは躊躇された。

 

このライヴのポイントはいくつかある。

 

①   まず、4年ぶりのライヴということ。

②次にマーヴィンの生まれ故郷ワシントンDCでのライヴ、しかも凱旋ライヴということ。

③モータウンもこのライヴに期待しており、ライヴ・アルバムを録音することを決めていたということ。

④そのためもあり、普段はデトロイトのスタジオで活躍する腕利きのミュージシャンをそろえたこと。

⑤マーヴィンが生涯確執のあった実父を招待していたこと。

 

などがマーヴィンをやる気にさせたようだ。

 

しかし、これは結局発売がボツになり、そのリヴェンジとして1974年1月、オークランドでのライヴが録音されることになり、これは無事ライヴ盤として出た。

 

Live

Marvin Gaye

Motown (1998-04-07)

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ここには稀代の隠れ名曲のひとつ「ジャン」が収録されるが、もしワシントンDCのライヴ盤が出ていたら、このオークランド盤はおそらく出す必要はなくなり、「ジャン」も日の目を見ることはなかったかもしれない。運命のいたずらはおもしろいものだ。

 

Marvin Gaye "Jan" (Live 1974 Oakland Ca)

https://www.youtube.com/watch?v=sM50o2Spj8U

 

 

 

ちなみに、このワシントンDCでのライヴ音源自体は、2000年に発売された『ホワッツ・ゴーイング・オン』デラックス盤に収録されている。

 

What's Going On (Deluxe)
Universal Music LLC (2016-02-25)

https://amzn.to/2qKfTl7

 

ただ今回は16チャンネルのマルチトラックから再リミックスされた。

 

そして今回、マーヴィン生誕80周年ということで、このライヴ・アルバムが単体で発売された。それがこれ。

 

ホワッツ・ゴーイン・オン・ライヴ

マーヴィン・ゲイ

ユニバーサル ミュージック (2019-10-18)

https://amzn.to/2mlo9GD

 

What's Going on -Live-

Marvin Gaye

Motown (2019-10-18)

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「ホリー・ホリー」。

 

ところでアルバム『ホワッツ・ゴーイング・オン』が出たのは1971年5月。ここに収録されているゴスペル的な「ホーリー・ホーリー」にいち早く目を付けたアレサ・フランクリンは1972年1月のLAの教会で、これをカヴァーする。このカヴァーのスピードも特筆に値する。アルバム発売から半年ほどでこれをカヴァーしているのだから早い。その教会での様子を撮影したライヴ・ドキュメンタリー映画『アメージング・グレイス』の映画が今年全米公開され、すでにDVD、ブルーレイで発売された。(DVDはリージョン1、オール・リージョン再生機が必要。ブルーレイは世界規格共通なので、どこのものでも再生できる)

 

そして、もちろん、マーヴィンもそれから4か月後1972年5月のライヴで「ホーリー・ホーリー」を歌う。アレサとマーヴィンのものを聴き比べるとおもしろい。

 

そのあたり、マーヴィンとアレサの話を10月3日放送の「ナイト・サーチン」でご紹介した。マーヴィンとアレサ、それぞれの「ホーリー・ホーリー」をかけた。

 

期間限定同録は次の通り。

 

The Nite Searchin #061 2019/10/03

https://soundcloud.com/user-875451192/the-nite-searchin-061-20191003

27分あたりからマーヴィンの話題になります。その後、CM明けがアレサのDVDの話。

 

CD

Amazing Grace - Complete Recordings (2CD)

Aretha Franklin アレサフランクリン

Rhino/atlantic

https://bit.ly/2n4Iv7a

 

アメリカ盤DVD

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(約3380円、国内業者の販売)

 

 

■マーヴィン・ゲイ関連過去記事(一部)

 

マーヴィンのことがすべてわかるデイヴィッド・リッツ著、究極の伝記

 

マーヴィン・ゲイ物語 引き裂かれたソウル (P‐Vine BOOKs)

デイヴィッド・リッツ

スペースシャワーネットワーク (2009年5月発売)

https://goo.gl/HKbEvO

 

マーヴィン・ゲイ (文藝別冊)

河出書房新社 1404円(1300円+税)

2019年2月16日発売

https://goo.gl/s2bqB6

 

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アレサ・フランクリン・ライヴDVD『アメージング・グレイス』(リージョン1)

 

アメリカ盤DVD

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(だいたい2300円+350円郵送料前後で日本まで)

 

アレサ・フランクリン映像作品『アメージング・グレイス』ブルーレイ盤イギリス盤

 

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ENT>MOVIE>Amazing Grace>Aretha Franklin

ENT>ARTISTS>Gaye, Marvin

ENT>ALBUMS>What’s Going On Live

 

 

 

 

 

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