〇 ソウル・イラストレーター江守藹個展、9月29日まで南青山で
【Emori Ai Exhibition Until September 29】
個展。
ソウル・イラストレーターとして他の追従を許さない、まさにワン・アンド・オンリーな作品を描く江守藹(あい)さんの個展が、2019年9月14日から29日(日)まで東京・南青山の骨董通り近くのビリケン・ギャラリーで行われている。
ザ・タイムの立体イラスト(売却済み)
https://ameblo.jp/soulsearchin/entry-12515900975.html
さっそく初日の9月14日(土)『レディオ・ディスコ』の生放送ゲスト出演を終えて、オッシーを誘って行った。当初オッシーは翌日の名古屋日帰りの仕込みがあるので、むずかしいと言っていたが、ゲストトークの中で江守さんの話をしたところ、10分くらいだけご挨拶で、ということで行くことになった。
会場のビリケン・ギャラリーというお店がおもしろく、店主の三原さんとも話がはずんだ。1976年に開店したおもちゃの専門店としては、日本でほぼ最初の店舗とのこと。(このお店については改めて別稿で)
江守さんの原画は約30点展示されているが、いくつかすでに売却済みの赤丸シールが貼られていた。
原画の他に、CDや7インチレコードのジャケットをファイルにまとめたもの、昔の江守さんと吉岡が編集していた雑誌ギャングスタ―(なんと、店主・三原さんの所蔵品だった)、江守さんが書いた記事の掲載されている雑誌など、「江守藹展」の様相を呈していた。
ただ作品集の書籍(画集)にするには、原画の点数が少なく、ちょっと難しいと店主の三原さんは言う。「レコード・ジャケットなどのクオリティーのいいものをスキャンして、100点くらい集められれば、一冊にまとめられるかもしれません」とのこと。
江守さんも、「昔は原稿を渡しちゃったら、それがレコード会社のデザイン室でデザインされ印刷所にまわされ、印刷が終わるといったんディレクターの元か、デザイン室には戻ってきたのだろうが、それを返却してくれ、なんて言わなかったからねえ」と振り返る。
確かに1970年代なんて、たぶん、原画も、そして紙の手書き原稿もレコード会社や雑誌社に渡したら、それっきりだった。
1980年代中ごろになってファックスが普及するようになると、文字の原稿はファックスで送れるようになり、オリジナルが手元に残るようになったが、絵、イラストの場合、ファックスでは送れない。
文字原稿はテキストデータをメールで送れるようになるが、絵はデザインをデジタルでやるようになり、デジタル・データ化できるようになってから初めてメールなどで送れるようになり、原本が残ることになった。
今回もそうしたデジタル原画のものをシルクスクリーンみたいに100枚程度プリントして、ナンバリングでもしたらどうですか、と聞くと、「それだと、オリジナルではない。複製ができてしまっているわけだから」との江守さんの見解。「ただ、まあ、最近、そういうのもあることはあるけどね」とも一定の理解は示した。
ちょうど、「レディオ・ディスコ」に出たイクラさんが昔、店をやったときに江守さんに大きな壁画を描いてもらったことがあるが、壁が巨大すぎて、写真は撮ったけど、現物の壁は廃棄してしまったのが残念だった、と言っていた。
その原画のスケッチが展示されていた。
(写真) サム・クックとムーンドッグス
個展は9月29日(日)まで。入場無料。どなたでもごらんいただけます。江守氏は、木曜日と定休の火曜日以外(月・水・金・土・日)、基本的にはギャラリーにいる。
■江守さんを紹介した海外の記事
Those People: A New Black Magazine
2014/12/10 by Dex Digital
https://medium.com/thsppl/why-were-japanese-people-watching-soul-train-a14e5e096529
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概要
江守藹・個展
日時 2019年9月14日(土)~9月29日(日) 月・火曜日休み 12時~19時 (ただし9月16日、23日祝日は営業)
会場 ビリケン・ギャラリー
〒107-0062 東京都港区南青山5-17-6-101 ビリケン商会
地下鉄・表参道駅B1出口から7分
入場料 無料
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プロフィール。
江守氏は1948年6月8日生まれ。2018年6月の「ソウル・サーチン・ラウンジ」に登壇いただいた。
江守さんは1960年代から当初はジャズにはまり、さらに米軍基地のブラザーたちと知り合うようになり、黒人文化全般に興味を持ち、自然とソウル・ミュージック、R&B、そして彼らのダンスに興味を持つようになった。自身、絵を描くことが好きで、絵の仕事をしようと考えており、ひょんなきっかけからイラストをてがけるようになり、これが当時は日本人唯一の、そして最初のソウル・イラストレーターとなった。
1970年代に、ソウル、ディスコ系のレコードのジャケットのイラストと言えば、まず江守さんのイラストだった。ネットで江守さんのイラストのジャケットをまとめたサイトがこちら。
http://nakasecond.livedoor.biz/archives/51602281.html
これらがみな江守さんのジャケット。一目見てすぐ江守さんとわかるそのジャケットはすぐに人気となり、各社から毎月のように、彼のイラスト付きのレコードが出るようになった。
同時に、ダンスも得意だった彼は自らダンス・チームを組み、ダンサーとしても活躍。全国のディスコで行われるダンス・イヴェントや、ダンス・コンテストの審査員なども担当。
さらに、1975年の六本木の伝説のディスコ「アフロレイキ」以降、多くのディスコ、ライヴ・レストランなどを開店、運営してきた。「アフロレイキ」以降、赤坂の「ブッツィー」、お台場にできたドン・コーネリアスの「ソウル・トレイン・カフェ」などがある。
また、オーティス・クレイ、エディー・ケンドリックス、デニス・エドワーズ、デイヴィッド・シーなどとも親しい交流を持ち、デイヴィッド・シーのアルバムはプロデュースまで行った。
70年代後期に、「ギャングスタ―」というソウル、ディスコ雑誌を出した。そのギャングスタ―について↓
■デクスター、「ギャングスター」を求めて(パート1)
2012年07月21日(土)
https://ameblo.jp/soulsearchin/entry-11307355977.html
デジタル・デクスターさんと再会「ニグロズ・イン・東京」コラム
2014年11月30日(日)
https://ameblo.jp/soulsearchin/entry-11958425721.html
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(江守さん関連記事は下記に)
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■江守アイ関連記事
江守藹著『黒く踊れ!』出版記念パーティー
2008年10月17日(金)
https://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10152488673.html
July 14, 2008
Illustrator Emori Ai’s Book Will Focus On Dancers In Japan
http://blog.soulsearchin.com/archives/002606.html
『黒く踊れ!』内容紹介
July 25, 2008
Otis Clay Will Be Coming To Japan September
http://blog.soulsearchin.com/archives/002618.html
オーティス・クレイと江守氏の邂逅
November 19, 2007
Nick Okai’s Funeral Day One: His Memorial Song “My Girl” Was Played…
http://blog.soulsearchin.com/archives/002150.html
ニック岡井葬儀での「マイ・ガール」、江守氏選曲
November 20, 2007
Nick Okai’s Funeral Day Two: Someone Should Record These Culture
http://blog.soulsearchin.com/archives/002151.html
November 28, 2007
It’s The Temptations’ Week (Part 3) : Treat Them Like A Legend
http://blog.soulsearchin.com/archives/002164.html
テンプテーションズ・レヴューでデイヴィッド・シーと江守氏の絆
May 21, 2007
A Tribute To Don Katsumoto: At Danceteria
http://blog.soulsearchin.com/archives/001779.html
勝本氏葬儀
September 24, 2008
Universal Will Be Release Great Soul Singles Compilation Titled "Soul Galaxy"
http://blog.soulsearchin.com/archives/002682.html
究極のレア・ソウル・シングル・コンピ『ソウル・ギャラクシー』、2008年10月29日発売
ENT>EVENT>Emori, Ai
ENT>EXHIBITION>Emori, Ai
ENT>ART>Emori, Ai
-6200