◆デジタル・デクスターさんと再会「ニグロズ・イン・東京」コラム | 吉岡正晴のソウル・サーチン

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◆デジタル・デクスターさんと再会「ニグロズ・イン・東京」コラム

【Digital Dexter’s Negroes In Tokyo】

コラム。

江守アイさんの著作『黒く踊れ!』を読み、そこで触れられた1970年代半ばにほんの数冊だけ発行された雑誌「ギャングスター」を探し、2012年7月、僕にたどり着いたアメリカ・ニューヨークの大学に通うデクスター(デジタル)・トーマスさんと、久々にゆっくり話をした。

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彼と初めて会ったその経緯など詳細は、こちらのブログに。

2012年07月21日(土)
デクスター、「ギャングスター」を求めて(パート1)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-11307355977.html

(なんとパート1で、パート2に続くとあったが、どこを探してもパート2がない…。書き忘れたんだな)

いま、2年ぶりに読み返したが、それにしても、とても根性のある「掘手(ほりて)(Digger)」だ。(笑) 

なんと、彼が突然11月9日に江戸川で行われた「ソウル・ミュージック講座」に来てくれたのだ。「あそこ、駅から15分くらいかかるんで、遠かったでしょう」というと、「いや、スケボーで来たんで(笑)」 スケボーだとかなり早いらしい。(笑)

僕のツイッターで「ソウル・ミュージック講座」の情報を知り、当日の予定が流動的だったので、当日券でかけつけてくれたのだ。

どう思ったかと聞くと「いや、おもしろいでしょう。やばいでしょう。(笑) ああいうふうに、授業のように話を聞きに来る人がいるのに驚いた。ほぼ満席でしょう」と流ちょうな日本語で話す。

これの最大のおもしろいところは、日本人である僕がブラック・ミュージック、ソウル・ミュージックの話をして、それを日本語がペラペラな黒人であるデクスター君が見に来ている、という点だ。そして、それを「おもしろがる」。こんなネジレ現象というか、自分でもその当事者として「おもしろい」。

~~~

コラム。

彼が最近隔週火曜日にネットに発表しているコラムがちょっとした話題になっているといって教えてくれた。これが、またばつぐんに面白い。

コラムのタイトルは、「ニグロズ・イン・東京」

https://medium.com/culture-club/negroes-in-tokyo-25741c87c306

2014年10月7日(火)に記念すべき第1回のコラムを発表した。このタイトルは、「日本初の黒人野球選手」。第2回がデ・ラ・ソウルと日本人ラッパー、3回が日本における「ソウル・トレイン~スリー・ディグリーズ」、4回目が「ソウル・トレインに出たYMO」(2014年11月18日発表)。

かように、彼は日本における黒人(アフリカン・アメリカン、ブラック)がどのようなに受け入れられてきたかに興味を持ち、そのテーマを掘り下げている。

日本初の黒人野球選手の話などまったく知らなかった。1970年代にいた巨人のクロマティーとか、ロッテのリー兄弟くらいしか思いつかなかったが、なんとジャッキー・ロビンソン(メジャー・リーグ初の黒人選手)が1947年にメジャーに登場する11年も前、1936年に東京の野球チームに一人の黒人ピッチャーが入っていたというのだ。

これを彼は古い新聞などを調べ、ひとつのコラムに書いている。とてもよく書けているので、英語が読める方にはお勧めだ。もちろん、この視点での日本語版も作れる。それもおもしろいものになる。

なんと、このコラムを読んだピーター・バラカンさんがデジに連絡を取り、さっそく会ったという。カレッジ・ラジオで番組を作っていたデクスターさんとラジオDJバラカンさんとでラジオ話などで盛り上がったという。

日本におけるソウル・ミュージックの受け入れられ方、黒人とのつながり、ディスコの話などをしているうちに、12月にCD化される1960年代に日本の米兵たちで結成されてライヴ活動をしていたザ・ハウス・ロッカーズの話になり、彼も大変興味を持った。このハウス・ロッカーズについては12月17日のCD発売時期にころあいを見て紹介しようと思っているが、今週12月4日(木)の『ザ・ナイト・サーチン』でも特集する予定。

そうしたら、ハウス・ロッカーズのリード・シンガーの一人、チェット・フォーチューンが日本の桐生(群馬県)に住んでいると言ったら、ぜひ会いたいという。じゃあ、一緒に会いに行こうかという話になった。

はたしてスケジュールはうまくあうかな。

「吉岡さんには、そういうのをどんどん書いてほしいんですよ、江守さんにも」と熱く要請されてしまった。いや、たしかにやらなければならないとは思っています。(笑)

(この項続く)

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