◎ピーボ・ブライソン @PeaboBryson2ライヴ@ブルーノート~別格の声の強靭さ
(内容、ネタばれでます。これからご覧になる方で、事前に内容をお知りになりたくない方はごらんにならないようお願いします。見る予定がない方、見ようか見まいか迷わられている方はどうぞ)
【Peabo Bryson Live At Bluenote Tokyo With New Album】
ルーティーン。
「ラヴ・ソングの帝王」「ラヴ・ソングの貴公子」ピーボ・ブライソンの2017年7月以来、約1年3か月ぶりのブルーノート・ステージ。今回は今年(2018年)8月に約11年ぶりの新作『スタンド・フォー・ラヴ』を出してからの初来日となるので、新譜からの作品なども歌われるのではと期待されるショーとなった。
ピーボ・ブライソンも「ルーティーンの男」だ。
冒頭、定番の観客全員との握手を約10分にわたって行い、おもむろにステージに。観客全員との握手はこのブルーノートでの定番ルーティーン。ドラムス、ギター、ベース、2人キーボード、パーカッション/サックス、コーラス2人の8人編成バンドにピーボ。音楽ディレクターは長年ピーボに仕えているベースのドゥワイト・ワトキンス。
冒頭一曲目にかけられた曲は、なんと、1997年スムース・ジャズのギタリスト、ロイ・オビエドのアルバムでピーボがゲストで入っていた曲。初めて聴いた。
ほぼ曲がノンストップで流れてくる典型的ソウル・ショー。キラキラのマイ・マイクで歌いまくるピーボ。けっこうなヘヴィースモーカーなのに、マイクを離しても野太く通る力強い声と歌唱は、本当に世界の七不思議だ。本当に声が強く、大きい。しかし、繊細さも兼ね備えている。純粋にその歌声だけで惚れられる数少ないシンガーだ。
それにしても、ピーボのシャーデー好きには驚く。シャーデーの作品「キング・オブ・ソロー」を自らのアコースティック・ギターで披露するのが毎回お約束になっているが、新作では「ルッキング・フォー・シャーデー」という曲まで作ってしまうほど。ステージでもちらっと言っていたが、きっと、シャーデーとデュエットしたいんだろうな、と思った。それにしても、ピーボの「キング・オブ・ソロー」も七不思議。彼はギターを弾きたいからこれを歌うのか、シャーデーが好きだから歌うのか。なぜまだレコーディングしないのか。
この日の僕の個人的なハイライトは、ボズ・スキャッグスの「ユー・キャン・ハヴ・ミー・エニータイム」、デイヴィッド・フォスターとボズのタグで作られた曲だが、ピーボは1994年に自身でカヴァーしており、これが実にいいヴァージョンだった。生で聴くのはかなり久しぶり。このような歌い上げる楽曲は、ピーボにどんぴしゃで完璧。ため息がでるほどのすばらしさ。確か、デイヴィッド・フォスターが「スーパー・プロデューサー・シリーズ」で来た時に、歌ったんじゃないかな。
ファースト・ステージだったせいか、お子さんが何人か観客にいて、「ホール・ニュー・ワールド」では小学生にも満たない女の子二人と男の子(少し大きい、中学生くらいか)をステージにあげ、歌った。そして最後の「for you and me」というワンフレーズの「me」を彼女たちに歌わせ、拍手喝さいを集めていた。
今回は新作から2曲を披露。これまでの定番アンコール「エイント・ノーバディー」から、新作トップを飾るジャム&ルイス・プロデュースの「オール・シー・ウォンツ・トゥ・ドゥ・イズ・ミー」にチェンジ。客席後方にお立ち台を作り、そこで歌いながら、薔薇を1ダース、観客の女性に配る。これも定番中の定番のルーティーンだ。
それにしても、なんであんなに声が出るんだろう。なんで、あんなに声が強いんだろう。もう声帯が生まれながらに強いんだな。日本だと山下達郎さんだろう。
でも、「フィール・ザ・ファイアー」やサム・クックのカヴァーはまだ歌ってくれなかった。(笑) そして、「ルーティーンの男」がやる「ルーティーンのショー」を見るのが好きなのが僕のルーティーン。
ちなみに、初日セカンドには宇多田ヒカルたちがバンドメンバーとライヴを見に来たそうだ。
「新譜、いい出来だろう? 11年ぶり? そんなになるかなあ…」(ピーボ談)
■ライヴは、2018年11月2日金曜まで東京ブルーノートで。ファーストが18時半、セカンドは21時スタート。金曜はほぼいっぱいのようですが、水曜・木曜はチケットあるようです。詳細はこちらへ。
〒107-0062 東京都港区南青山6丁目3−16 ライカビル
電話: 03-5485-0088
2018年11月4日・日曜【愛知 名古屋】名古屋ブルーノート
〒460-0003 愛知県名古屋市中区錦3丁目22−20 ダイテックサカエビル
電話: 052-961-6311
■セットリスト
Setlist : Peabo Bryson October 30, 2018 @ Bluenote Tokyo
[ ] denotes original
Show started 18:32
00. Intro (shake hands with every audience)
01. Sweet Summer Days [Ray Obiedo Featuring Peabo Bryson](1997)
02. If Ever You’re In My Arms Again (1984)
03. Tonight I Celebrate My Love (Duet with Regina) (1983)
04. Can You Stop The Rain (1991)
05. King Of Sorrow [Sade] (2000)
06. Love Like Yours And Me (New)
07. Show & Tell [Al Wilson] (1973)
08. You Can Have Me Anytime [Boz Scaggs](1980)(From Peabo’s “Through The Fire” Album – 1994)
09. Whole New World (Duet with Kim)(1992)
Enc. All She Wants To Do Is Me (New)
Show ended 19:42
MEMBERS
Peabo Bryson(vo)ピーボ・ブライソン(ヴォーカル)
Kim Riley(vo)キム・ライリー(ヴォーカル)
Regina Troupe(vo)レジーナ・トループ(ヴォーカル)
Michael Hoskin(sax, percussions)マイケル・ホスキン(サックス)
Diana Dentino(key)ダイアナ・デンティーノ(キーボード)
Bryan Williams(key)ブライアン・ウィリアムス(キーボード)
Derek Scott(g)デレク・スコット(ギター)
Dwight Watkins(b)ドゥワイト・ワトキンス(ベース)
Quinton Robinson(ds)クイントン・ロビンソン(ドラムス)
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CD
スタンド・フォー・ラヴ
ピーボ・ブライソン
Hostess Entertainment (2018-08-03)
ベスト・オブ・ピーボ・ブライソン
ピーボ・ブライソン
Sony Music Direct (2004-04-21)
I Am Love
Peabo Bryson
Imports (2014-09-30)
Missing You
Peabo Bryson
Peak Records (2007-10-02)
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■ピーボ・ブライソン過去記事
ピーボ・ブライソンと談笑~サム・クック~キュー・サカモト~ピーボのコネクション
2014年12月27日(土)
https://ameblo.jp/soulsearchin/entry-11969238867.html
ピーボ・ブライソン&レジーナ・ベル・ライヴ~サーヴィス精神マックスの安定の90分
2015年02月08日(日)
https://ameblo.jp/soulsearchin/entry-11986670713.html
ピーボ・ブライソン&レジーナ・ベル~クラッシック・デュオの夕べ
2013年02月08日(金)
https://ameblo.jp/soulsearchin/entry-11462512172.html
ピーボ・ブライソン、デボラ・コックス・ライヴ~サーヴィス精神満点のライヴ
2012年02月01日(水)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-11151252573.html
2011年09月16日(金)
デイヴ・コーズ&ピーボ・ブライソン~稀代のエンタテイナー2人が共演
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-11018778223.html
2010年01月31日(日)
ピーボ・ブライソン&レジーナ・ベル・ライヴ(パート1)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10446839019.html#main
2010年02月10日(水)
ピーボ・ブライソン(パート2)~テディーとマイケルを語る
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10455090009.html
(ここに過去関連記事多数)
ENT>LIVE>Bryson, Peabo
ENT>ARTISTS>Bryson, Peabo