★ピーボ・ブライソンと談笑~サム・クック~キュー・サカモト~ピーボのコネクション | 吉岡正晴のソウル・サーチン

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★ピーボ・ブライソンと談笑~サム・クック~キュー・サカモト~ピーボのコネクション

【Chat With Peabo Bryson】

雑談。

2014年12月3日(水)東京晴海トリトン・スクエア内にある第一生命ホールでBS-TBSとFM大阪の共同クリスマス・イヴェント『クリスマス・プレミアム・コンサート・アイム・ウィズ・ユー』が行われ、ここにピーボ・ブライソンがゲストで登場した。

ライヴ後、ちょっとたわいない話をしたので、そのときの内容などを。

「いやあ、「ホワイ・グッドバイ」、ストリングス、オーケストラでの歌唱が素晴らしかった。あなたがプロデューサー・シリーズでデイヴィッド・フォスターのときに、武道館でこれを歌ったときにものすごく感激したんですが、それを一瞬にして思い出させてくれました。これは、いったい誰のチョイス?」

ピーボ。「主催者だよ。そうだった、武道館で歌ったなあ。いやあ、でもこの曲は本当に歌うのが難しいんだ。これはダイアン・ウォーレンが書いてくれたんだけどね。実は、これより前に一曲書いてくれて、それを僕がいらないって言って断ったことがあったんだ。だから、きっと彼女はその「復讐」として、この曲をとても難しい曲にしたんじゃないかな。(笑) デモ・テープは簡単なガイドのピアノかキーボードのものだったような気がする。誰も、ガイド・ヴォーカルを歌っていなかった。だから、自分の解釈で歌ったよ。

いろいろなところから来るデモ・テープにはガイド・ヴォーカルがあるものもあれば、ないシンプルなものもある。「キャン・ユー・ストップ・ザ・レイン」は、デモ・テープをレコード会社のディレクターが僕に聞かせてくれた。そのとき彼は別の女性シンガーにこの曲はどうだろうかと意見をきいてきたんだが、僕が歌ったほうがいいんじゃないかと思って、僕が歌うと言って歌ったんだ」

ピーボはこのとき、「スキヤキ」を歌った。

「『スキヤキ』を歌ったオリジナル・シンガーの坂本九は、サム・クックの影響を受けているでしょう」

「その通り。オリジナルを聴いてそう思ったよ。だから、僕とも共通点がある。僕もサムを聴いて育った。その『スキヤキ』を僕がカヴァーする。なんか、こうつながってるよね」

「だから、サム、キュー・サカモト、それをピーボが歌ったら、やはり、あなたがまたサム・クックの曲を歌わないと。(笑) ワン・ショーに一曲だけでいいからサムの曲をいれてくださいよ」

「僕は4-5歳のときサム・クックを見たことがあるんだ。その日のショーにはほかにジャッキー・ウィルソン、オリジナル・ドリフターズ、ティアーズ・オン・マイ・ピローのあのグループ、…リトル・アンソニー&インペリアルズが出ていた。たしかビル・ドケット・バンドだった。それが全部のグループのバックをつけていた。何度かサム・クックのライヴは見たが、そのうちの一回、バックコーラスの一人が誰だったかわかるかい?」

「さあ、まったく見当がつきません」

「ディオンヌ・ワーウィックだよ。もちろん、バカラックでヒットを出す前だ。ディオンヌはその後ビッグになるが、僕が売れる前、なぜか僕にとてもよくしてくれた。僕がキャピトルからヒットをだすようになって、どこかでライヴをやったとき、大きな花を送ってくれた。デュエットもライヴでやったかな。そうそう、デュエットで言えば、僕はアリーサともデュエットしたことがあるんだよ。レコードではなく、ライヴだけだけどね」

「ええっ、アリーサとも???」

「そうなんだ。曲名は何だったかな」

「ところで、アリーサの新しい伝記本が出たのは知ってますか? デイヴィッド・リッツが書いた本なんですが、デイヴィッドは1998年に一度公式のオーソライズドされたアリーサの伝記を書いてるんです。そのときデイヴィッドが言うには、彼がインタヴューして文字に書き起こしたのをアリーサに見せると、かなりの部分がカットされ、まったくおもしろくないものになってしまったというんですね。それで、彼はその後10年以上かけて、アリーサの周辺の関係者に丹念にインタヴューして、アリーサの第二の伝記本を先月出したんですよ。そうしたら、アリーサがそれに怒ってね」

「わかるわかる。アリーサは何でも自分がコントロールしないとすまない質(たち)だからね。これをやれ、あれをやれ、これはこうやれみたいなことを言う。アリーサはなにかあるとちょくちょく電話してくるんだ。でも、自分の用件が終わると、がちゃっとすごい勢いで切る。どんなに長くても電話は3分だ。(笑) 必ず、向うからぶつっと切る。なにか用事があってかけてくるんだが、用事が終わるとすぐ切る。(笑) そうそう、それでも、彼女はけっこういろんなゴシップを見てるんだよね。それで、あの話は本当なの、あれはどうなの、なんて聞いてくるんだよ。おもしろいだろう(笑)」

「エレクトラで「テイク・ミー・ノー・プリズナー」のプロモーション・ビデオを作ったときなんだが、フロリダで撮影した。『マイアミ・ヴァイス』のような派手なアクションで、橋が上がるようなところで撮影して、車を爆発させて、アクション映画さながらのビデオになった。レコード会社は50万ドルもかけたんだよ。アルバムじゃないよ、ビデオ1本にだ。あり得ないだろう。ところがそのビデオは、MTVからは、暴力的、暴力を助長するみたいな理由で、一切かからなかったんだ。50万ドルをどぶに捨てたようなもんだ。僕とMTVは、かさならなかったな。時代がかぶらなかったということだね」

ピーボは話し出すと止まらない…。

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ARTIST>Bryson, Peabo