〇ブルーノ・マーズ~R&B、ポップスの過去現在未来 | 吉岡正晴のソウル・サーチン

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〇ブルーノ・マーズ~R&B、ポップスの過去現在未来

 

【Bruno Mars : Michael Jackson Of 21st Century】

 

(ネタバレになります。これからごらんになる方で事前に情報を知りたくない方はご注意ください)

 

24K。

 

旬のアーティストが最高にいい状態でライヴをすると、観客に有無を言わせずただただ圧倒する。これまでに、たとえば、マイケル・ジャクソンが、プリンスが、ボビー・ブラウンが、MCハマーが、ジャネット・ジャクソンが、そうしたライヴ・パフォーマンスを東京で見せてきた。このブルーノ・マーズの「トウキョウ」でのライヴ(正確にはさいたま)も、そんな旬のアーティスト独特の勢いの爆発が垣間見られた瞬間だった。

 

もはや世界の超スーパースターとなったブルーノ・マーズの2013年~14年の『ムーンシャイン・ジャングル・ツアー』に続く2017年~2018年に敢行されている『24K(トゥエンティーフォー・カラット)マジック・ワールド・ツアー』がようやく日本に上陸。日本では4年ぶりのライヴが2018年4月11日(水)からさいたまスーパーアリーナで始り、4月12日(木)2日目を見た。

 

 

今回の『24Kマジック・ワールド・ツアー』は2017年にリリースされたブルーノのアルバム『24Kマジック』のリリースを受けてのもの。2017年3月28日から始まり、2018年10月27日までヨーロッパ、北米、南米など6地域、13レッグ、トータル210本に及ぶ超大規模ツアーだ。日本はアジア19本のうちの4本でアジアのトップを飾る。前回の『ムーンシャイン・ツアー』が全154本(約156億円の興収)だったのに対し、今回は約204億円が見込まれている。(1ドル100円換算)

 

来日公演自体は、2013年1月の初来日(恵比寿ガーデンホール)、2014年4月の幕張メッセ以来3度目。

 

ちなみに前回(2014年4月)のライヴ評。

 

ブルーノ・マーズ~JBあり、モータウンあり、レゲエあり、R&Bありのポップスの総合デパート

2014年04月14日(月)

https://ameblo.jp/soulsearchin/entry-11821902856.html

 

~~~

 

超満員。

 

それにしても、このスーパーアリーナにこんなに人が入るとは。アリーナ部分はスタンディングだけで2000人以上いるらしい。その前にはいわゆる10万円から3万円のVIP席もある。そして、一階、2階、4階(5階になるのかな)まだぎっしり。そして観客が熱狂的にブルーノを迎える。観客の中にはブルーノそっくりさんも何人もみかけた。スタンディングであれだけ密度濃く入っていると、ぜんぜんゆったり踊れないのではないかと心配してしまったほど。

 

 

ステージには三方に幕があり、その幕が上がり、ショーがスタートした。そして、いきなり、「フィネス」から始まり、アゲアゲ絶好調だ。最新作からは結局6曲を披露。

 

踊る踊る、煽る煽る、観客も歌う歌う。スーパーアリーナの空気が熱気で曇ってくる。何も考えずに、そのメロディーに合わせて一緒に歌えば、今夜のパーティーは大成功。といった感じだ。

 

ワールドツアーのセットリストから3曲がなぜかカットされているが、88分いっきに行く感じは今一番旬の若手アーティストのエネルギーが爆発していた。

 

唯一残念だったのが、下記セットリストで12にいれてあるピアノソロ。3分近くあったが、これは流れが切れてしまうのと、退屈なのでカットしてその代わりに(今回はカットされた)「グレネード」や「ストレート・アップ&ダウン」、「トゥ・グッド・トゥ・セイ・グッドバイ」などほかのちゃんとした曲を入れた方が断然いい。

 

いくつかプリセット音源なども交えていて、CDと同じ音がでていた。

 

またバックのステージ、多くの映像モニターがそのまま照明代わりにもなるようで、まさに2018年のステージ仕様になっていた。

 

ちなみに、ブルーノ・マーズはどれほど大規模なツアーでも3日連続ではステージをやらない。2日やって1日は喉を休めるようだ。

 

 

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過去現在未来。

 

ジェームス・ブラウン、マイケル・ジャクソン、プリンスなどの伝統的ソウル、R&Bと

ポップを加え、完璧にわかりやすいポップに仕立てるところはすごい。これも、以前両親たちといわゆる「トップ40のカヴァー・バンド」をやっていたからだろう。ヒット曲を熟知しているので、そんなヒット曲を上手に作れるわけだ。

 

たとえば、ベイビーフェイスや、ジャム&ルイスもかつては「トップ40バンド」をやって経験を積み、ヒットする曲のすべてを勉強していた。ブルーノもまさにそれだ。

 

ブルーノのパフォーマンスは歌もシンプルでわかりやすければ、踊り、ステップも本当にわかりやすいので、誰でもすぐにステップが踏めるようになる。これも強みだ。ブルーノの最大の魅力はなんでもわかりやすい、ということ。

 

マイケルを見てスターを夢見たアーティストがでたように、ブルーノを見て彼のようになりたいとシンガーやダンサーが次々と出て、10年後か20年後にこうしたポップなアーティストが登場することは間違いない。この1980年代風の、ちょっと一時代昔風のサウンドが30年ほど経ってまた受けるということは、親しみやすいものはいつの時代にも受けるということを意味する。「いいものはいい」というわけだ。飽きられる時代もあるが、こうしたものは必ず戻ってくる。歴史は繰り返す。20年後にはブルーノもどきのアーティストが出てくるだろう。

 

まさにブルーノ・マーズはブラック・ミュージック、アメリカン・ポップ・ミュージックの過去・現在を結び、未来にも橋を渡しているような感じだ。

 

そんなことを思っていたら、アンコールの「アップタウン・ファンク」がカットアウトで終わり、上から幕が下りて、きっちりショーが終了した。

 

そうそう、最近は「トウキョウ」が、東京都、さいたま県、幕張(千葉)あたりまで拡張しているのが印象的だ。

 

Bruno Mars Best Songs - Bruno Mars Greatest Hits 2018

https://www.youtube.com/watch?v=7mYUjYacKUg

 

 

■セットリスト ブルーノ・マーズ @さいたまスーパーアリーナ、2018年4月12日(木)

 

[***] denotes songs from “24K Magic” (2016)

[**] denotes songs from “Unorthodox Jukebox” (2012)

[*] denotes songs from “Doo-Wops & Hooligans” (2010)

 

Show started 19:16

01.  Finesse ***

02.  24K Magic ***

03.  Treasure **

04.  Perm ***

05.  Calling All My Lovelies ***

06.  Chunky ***

07.  That's What I Like ***

08.  Sax Solo - Versace on the Floor ***

09.  Marry You * (including a guitar riff of “Purple Rain”)

10.  Drum Solo - Runaway Baby *

11.  When I Was Your Man **

12.  Piano Solo

13.  Locked Out of Heaven **

14.  Just the Way You Are *

Enc. Uptown Funk (2014, Mark Ronson featuring Bruno Mars)

Show ended 20:44 (88 minutes)

 

■メンバー Members

 

The Hooligans:

 

Bruno Mars (vocals, guitar)

Phredley Brown  (guitar, backing vocals)

Jamareo Artis  (bass)

Eric Hernandez  (drums)

John Fossit (keyboard, piano)

Kameron Whalum  (trombone)

Dwayne Dugger (saxophone)

James King (trumpet)

 

(Philip はキャンセル)

 

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3枚目(最新作)

24K MAGIC

BRUNO MARS

ATLAN (2016-11-18)

https://goo.gl/X7JZT3

 

2枚目

Unorthodox Jukebox

Bruno Mars

Atlantic (2012-12-11)

https://goo.gl/Tzb2pa

 

 

1枚目

Doo-Wops & Hooligans

https://goo.gl/zWR57UBruno Mars

Elektra / Wea (2010-10-12)

 

 

 

 

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