【Sky’s The Limit For Jacob Collier】
(パート1とパート2)
ワン・マン・バンドの未来を見た~ジェイコブ・コリアー初来日ライヴ・レポート(パート1)~10年に1度の衝撃~夢と想像が新しい時代を創造する
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-12136967832.html
ジェイコブ・コリア初来日ライヴ(パート2)~10年に1度の衝撃~来年のグラミーに照準
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-12137546914.html
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ピアノ。
ライヴを見て感じたのは、ジェイコブはおそらくピアノが一番得意だろうということ。そして、キーボード、ドラムス、ベースといったところか。
ピアノは、幼少の頃からやったこともあってか、「ピアノはコードのパラダイス」という。これでコード・ハーモニーを作れるので、あのハーモニーはいわばピアノありきでできているとも言える。
ドラムスやベースは粗削りだが、ひとつひとつを1人でステージ上でリアルタイムでやってしまうので、こちらは圧倒される。「ええっ、これも、あれも、やっちゃうの?」というインパクトは強烈だ。
ジェイコブはすでにクインシー・ジョーンズのプロダクションとマネージメント契約をしている。だからある意味クインシー人脈が使えるということにもなる。
弾き語りをする人、1人でライヴをする人などは一度絶対見ると勉強になり、参考にもなる。これからの1人ライヴの、ある種のプロトタイプ(ひな形)になる。まさに未来を垣間見た感じだ。
選曲も幅広くておもしろい。スティーヴィー、バート・バカラック、ビーチ・ボーイズ、マイケル・ジャクソン、ジョージ・ガーシュイン、アイリッシュ・トラッドと実になんでもありだ。
機材の使い方とリアルな声、実際の演奏とのバランス感覚がじつにいい。
P.Y.T. - Jacob Collier
https://www.youtube.com/watch?v=DaNxq6Q4v1w
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「クラスター・ハンパー」。
この音の出し方を影で支えているのが、現在もMIT(マサチューセッツ工科大学)に在学中の26歳のベンジャミン・ブルームバーグだ。ジェイコブとは一年ほど前に、フェイスブックを通じて知り合ったという。これも時代だ。
そしてロンドンからマサチューセッツに彼が来て、いろいろと音作り、映像作り、さらにはそれに付随する機材も作ったそうだ。
ベンジャミンはブルーノートのライヴが終わると、マサチューセッツの学校に戻り、ジェイコブはロンドンに戻る。
ベンジャミンによると、ちょうどステージ・ジェイコブの前に置いてあったいわゆる「ハーモナイザー」は、ベンの自作。実は、ほんの1週間ほど前にできた最新作だ。それまで使っていたものを改装した。
基本的にはすでにあるハーモナイザーをベースにしているが、それにジェイコブが加えたい要素をいろいろ付け加えて作っている、という。
ジェイコブのステージでの説明では、「自分が歌う声に、キーボードでコード(和音)を弾くと、同時にハーモニーが作れる」という優れものだ。これがあれば、すぐに「一人テイク6」ができるというわけだ。
これを作るために、プログラムもベンジャミンが書き、さらに配線などもすべて自分でやっている。「そんなに大事なものなら、バックアップ機はあるのか」と訊くと、この最新作のはまだない、万一のことがあったら、前の物を使うという。つまり、これは、文字通り「世界にひとつなのね」と言うと、その通りだ、と。「パテントは取ったのか」と訊くと、「いやかなり複雑なので誰も真似できないだろうから、取ってないな(笑)」との答えだった。
機械に名前があるのかと訊くと、総称としては「ハーモナイザー」だが、周りの連中はこれを「クラスター・ハンパー Cluster Humper」(クラスターは、まとめた塊のようなもの、ハンパ―は重い物などを運ぶ人、といったニュアンスかな)と呼んで笑っているそうだ。
出てくる音に関してはすべて、ジェイコブがコントロールしている。彼がスイッチを押すなり、オフにするなりして、他のメンバーは見ているだけだという。いくつかのプリ・レコーデッド音源も、その音出しはジェイコブ本人がやっているそうだ。
たぶん、映像部分が若干のヘルプがあるのだろう。スイッチのオンオフ、各種効果の出し入れなど、相当多岐にわたるスイッチングが必要だからだ。これは、同行しているルイス・マスティルとホセ・オルテガがかかわっている。ジェイコブを支えるこの3人のチームは、未来を作る戦士たちかもしれない。
彼らを見ていると、なんかフェイスブックを作ったマーク・ザッカーバーグなどのテクノロジーに異様に強いグループを感じさせられた。
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グラミー。
それにしても、1994年8月生まれの21歳ですよ。17歳くらいから、こんな音楽や映像を作ってるんですよ。天才と言っても過言ではない。ただの一人アカペラの人かと思ったら、とんでもなかった。
この夏に出るデビュー・アルバムが本当に超楽しみだ。
彼の今後の流れとしては、夏にアルバム・リリース。そして、ツアー。僕の読みでは、これがグラミー賞のなんらかの部門にノミネートされ、2017年グラミー賞ではこのワン・マン・バンドのライヴ・パフォーマンスを見せ、ステイプルズ・センターの観客の度肝を抜かせることになる。このライヴをグラミーでやられたら、翌日からCDが飛ぶように売れる。間違いなく「グラミー・モーメント」の一幕だ。
来年のグラミーは、それにしてもデイヴィッド・ボウイ、アデル、そしてこのジェイコブと見どころいっぱいだなあ。(笑)
思わずライヴ後、彼に向けて深夜にこんなツイートをした。
Step1,Release your 1st CD, Step2,CD'll be nominated Grammy. Step3. You'll show your one-man-band performance at Grammy 2017. @JCollierMusic
(ステップ1、デビューCDをリリース、ステップ2、それがグラミーにノミネート、ステップ3、2017年のグラミーでワン・マン・バンドでライヴ・パフォーマンス)
彼にとってみれば、ユーチューブはただの入口というか、序の口というか、ジャスト・ビギニングだったのだ。
できればグラミー前にもう一度、ブルーノートに来ておいてほしいところだ。
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