吉岡正晴のソウル・サーチン

ソウルを日々サーチンしている人のために~Daily since 2002


テーマ:
◎ジェイコブ・コリアー初来日ライヴ(パート2)~10年に1度の衝撃~来年のグラミーに照準

【Sky’s The Limit For Jacob Collier】

(ライヴ評、パート1はこちら。
◎ワン・マン・バンドの未来を見た~ジェイコブ・コリアー初来日ライヴ・レポート(パート1)~10年に1度の衝撃~夢と想像が新しい時代を創造する
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-12136967832.html )

無限大。

ジェイコブはライヴ後、サイン会。ところが、彼はまだCDを出していない。というわけで、ブルーノートが作ったフライヤー(チラシ)やコースター、あるいは各人のノートなどにサインし、希望者とは写真を撮る。

誰とでも仲良く話ができ、気取ったところもなく、普通に好青年。

ジェイコブにそこで話を聞くと、デビュー・アルバムは11曲レコーディングをすませ、うち3曲カヴァーのほか、8曲はオリジナル。この夏にリリース予定。レーベルはまだ決まっていない。カヴァーは、スティーヴィー、ビーチ・ボーイズなどという。

音楽は何でも聴くそうで、ひとつのものに執着はしていないよう。ただ、R&Bのグルーヴ感はかなりよく、おそらく自然に身についているのだろう。ハーモニーの点ではテイク6などに影響を受けているのは明らか。

ただし、彼自身はヴォイス・トレーニングやヴォイス・コーチについたことはなく、歌自体はすべて自己流(セルフ・トート)だという。僕も聞いていてヴォイス・コーチがいなそうだな思ったのだが、これはヴォイ・トレなどをやったら、もっと歌がうまくなり、さらに数段レヴェルがあがることまちがいない。たぶん、ユーチューブの歌は何度もやり直しているのか加工しているのだろう。

Fascinating Rhythm - Jacob Collier
https://www.youtube.com/watch?v=K28H04Y2IdE



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プリンス。

彼のライヴを見て、「プリンスには会ったことがあるか、あるいはプリンスは君のライヴを見たか」と訊くと、「たぶん、ないと思う」との答え。そこで「間違いなく、プリンスは君のこれを見て、うらやましがると思うよ」と言うと、「そうか?」とほほ笑んだ。

プリンスはデビュー時からマルチ・ミュージシャンだった。ドラムス、ギター、キーボード、ベース、ホーンなども多少はできた。20いくつもの楽器が弾けるということが最初のウリになっていた。

実際、ファースト・アルバムでは多重録音でそれを実現化している。レコード上のワン・マン・バンドだ。おそらく、プリンスはもし、当時このような機材があったら、絶対に一人でバンドをやりたいと思っただろう。だが、40年前にはとてもこんなことはできなかった。だが、いま2016年にはこれができる。だから、プリンスがジェイコブのパフォーマンスを見たら、自分でもできると考え、やろうとするのではないだろうか。あるいは、プリンスが今登場していたら、まちがいなく、これに似たスタイルを取っていたに違いない。

ジェイコブにそれを伝えると、「僕だって、10年前だったらこんなことはできなかったよ」と言う。

もしプリンスがやったら、ドラムスもギターもピアノも歌もうまいから、かなりレヴェルの高いものになる。ジェイコブも、歌だけでなく、ベース、ドラムスなどももっと練習すれば、とてつもないプレイヤーになっていくと思う。

Close To You - Jacob Collier
https://www.youtube.com/watch?v=9s1baxrxGHU


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グルーヴ感。

僕が彼のライヴ・パフォーマンスで一番気に入ったのは、ベースやドラムスも実際にやること。そこから生まれるグルーヴ感がとてもよかった。自然にブラック・ミュージック、R&B、ネオ・ソウルの要素が普通に取り込まれていて、それをことさら強調するでもなく、しかし、厳然とそれがそこにあることがわかるというブレンド加減が素晴らしかった。

みんなこれくらい普通にグルーヴ感を取り入れたらいいのにと思う。たぶん、1994年生まれの彼がいい音楽、あらゆる音楽をわけ隔てなく聴くところからこうした要素が生まれているのだと感じた。

一緒に見たラルフ・ロールも最初は「お手並み拝見」といった感じで見ていたが、ショーが進むにつれ、両手を広げて驚いていた。

ラルフは、「彼の育った環境にたくさんの音楽があり、それを吸収しているのが見て取れる。生まれる前の音楽、つまり過去から現在、そしてこのパフォーマンスは未来へとつながる音楽をやっている。なんか、映画の『マトリックス(メイトリックス)』の音楽版のようだな」と言った。そう、ジェイコブの音楽とパフォーマンスにはいい音楽の「過去現在未来」が連なっているのだ。

そして、ラルフは「このキッドは、例えばドラムスを叩くときにもっとエモーションを込めるとか、歌やピアノに感情をいれることができるようになったら、もっともっとすごくなる」とアドヴァイスもした。

Jacob Collier - Eleanor Rigby (Maida Vale session)

https://www.youtube.com/watch?v=IuMOy_EKbIU&ebc=ANyPxKr_OPy7cGXmHBKzKFMzaBw2HYtJqPYcSRnMcqnyNUHcj_f2635oXWxOB8L993cb7aDH3s7C7YxISn-AA6_F-sC8lWTmPA



このキーボードの音などスティーヴィーが操るクラヴィネットのようなグルーヴ感だ。

別にドラムスやベースはそれほどうまいというわけでもないのに、このグルーヴ感を出せるところが、センスが抜群にいいということなのだろう。これはすごく大きいと思う。もっと練習してこうした楽器もうまくなればもっとすごいことになる。まさに、彼には伸びシロが無限にあるということでもある。

ジェイコブは自分のベッドルームですべての音楽を作ってきた。いわばナード(オタク)だ。しかし、とても明るいオタクで、「人間対応性」もひじょうに高い。ミュージシャンでもあるから、いろいろなミュージシャンとジャム・セッションもできる。このあたりが、たんなるナードの枠を超える感じだ。

(明日は、世界にひとつのハーモナイザーについて)

(この項、続く)

ENT>MUSIC>LIVE>Collier, Jacob

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