◎WOWOWぷらすと~『ウィ・アー・ザ・ワールドの呪い』 | 吉岡正晴のソウル・サーチン

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◎WOWOWぷらすと~『ウィ・アー・ザ・ワールドの呪い』

【Curse Of We Are The World On Plast】

呪い。

2015年7月27日(月)夜7時半から「WOWOWぷらすと」で『ウィ・アー・ザ・ワールドの呪い』と題して深堀トークを繰り広げた。出演は司会・西寺郷太、吉岡正晴、ぷらすとガールに東美樹。

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この8月10日、西寺郷太さんは『ウィ・アー・ザ・ワールドの呪い』というタイトルの本をNHK出版から新書で出す。これは、本ブログでも触れたことがある1985年のチャリティー・ソングとしての大ヒット「ウィ・アー・ザ・ワールド」が誕生した背景、どのようにレコーディングされたか、ヒットしてその後、アーティストたちがどうなったかなどを克明に描くもの。

西寺さん独自の視点によるひとつの仮説がうまく展開される。

「ぷらすと」では、約2時間にわたり、「ウィ・アー・ザ・ワールド」について徹底的に分析した。

この曲をめぐるマイケル・ジャクソン、ライオネル・リッチー、クインシー・ジョーンズのそれぞれの思惑や、どうしてこの1985年のタイミングで歴史的レコーディングができたかなどを熱く語った。

さすがに、西寺さんはこの本をまとめただけあって、情報量も圧倒的で、しゃべるしゃべる。7割方トークを支配していたような感じがする。

MTVの話、ラジオ・フォーマットの話、ケーブル・テレビの台頭などの時代背景についても解説した。

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呪い。

2時間しゃべって、「呪い」のコンセプトとか、内容まで話が進まなかったのだが(笑)、大きなポイントは、ひとつのピークに達すると、ものが飽和状態となってそのあと崩壊していく、という様子を描くと言い換えてもいいかもしれない。

たとえば、1978年に『サタデイ・ナイト・フィーヴァー』でディスコがピークを迎え、その後、「ディスコ・サックス・ムーヴメント」が起こった。これもある種、「ディスコの呪い」とも言える。また、1986年、ランDMCが「ウォーク・ディス・ウェイ」でそれまでアンダーグラウンドだったラップがオーヴァーグラウンドになり、世界中から認められるようになった。それを機にひとつ、ラップがピークになったとも言われた。これもある種の「ラップの呪い」だ。その後ラップは変質し、さらにディープ化しパワーを持って行くことになる。

あるものや現象がピークを迎え膨大に消費されると、それが飽きられてしまう。「ウィ・アー・ザ・ワールド」は1980年代を代表するポップ・スターたちが多く参加して、そうした人たちが燃え尽きてしまったのではないか、という仮説だ。別の言葉でいえば、大量消費後の燃え尽き症候群だ。

それにしても、この1曲にフォーカスして、あれこれ思いを巡らし、大胆な仮説を立てる西寺さんは着目点がさすがだ。

放送日に流れたボビー・クリスティーナ死去のニュースなどをホイットニーの話のところでまぜられなかったのが、郷太君も僕も痛恨の極み。(笑) あまりに「ウィ・アー・ザ・ワールド」ネタがすごすきた。これも、「ウィ・アー・ザ・ワールドの呪い」か?(笑)

■過去関連記事

マイケル・ジャクソンは『ウィ・アー・ザ・ワールド』で4番目の逝去
2009年07月06日(月)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10294251546.html

■『ウィ・アー・ザ・ワールドの呪い』(2015年8月10日発売)

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