◇映画『スライ・ストーン』を見て~命をかけて熱中できるものをサーチンして | 吉岡正晴のソウル・サーチン

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◇映画『スライ・ストーン』を見て~命をかけて熱中できるものをサーチンして

【Movie “Coming Back For More”】

ぎりぎり。

(少しネタばれになります。映画については下に紹介記事リンクがありますので、そちらをごらんください)

ドキュメンタリー映画『スライ・ストーン』を改めて劇場(新宿Kズ・シネマ)で見てきた。平日17時の回、84席のスクリーンに20人ほど、まあまあの入りではないだろうか。

何度か最終編集前のものを見たが、スクリーンで完成版を見るのは初めて。なにしろ、今年1月のスライが著作権裁判に勝利して500万ドル(約6億円)を獲得したシーンを加えたため、日本の映画館への納品が公開日前日までずれこんだというぎりぎりの公開だったためだ。

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トータル約73分で、映画本編が始まる前に約20分予告編が流れる。その中に、『ジェームス・ブラウン 最高の魂(ソウル)を持つ男』が流れ、スライの映画を見に来ていた人には絶対にアピールしたと思う。

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大音量。

やはりスクリーンで大きな音でこうした音楽関連映画を見るのは、気持ちがいい。今回は、この映画で描かれるスライ・ストーンの音楽から熱心なファン、マニアになり、なんでもスライのことは知り尽くし、そして、なんとしてもスライに会うことを人生最大の目標にしている双子のコニングス兄弟の視点で見てみた。彼らを見ていると、まったくジャンルは違うのにおすぎとピーコ、タッチなどの双子のことを思い浮かべてしまった。

やはり好きな音楽があり、いろいろと集め、そのアーティストのことを好きになり、そのアーティストに会えることが最大の目標になり、そのためにあらゆる手段を講じて、突き進む。そしてその結果、多くの苦難と長い時間、20年近くを経てやっとの思いで夢が実現する。この双子視線でドキュメンタリーを見ていると最初の50分が、「いつ会えるんだ」みたいな気持ちになってくる。(笑) 正直、ドキュメンタリー映画としてはここまではかなり冗長だ。しかし、そのオタクぶりが、雰囲気も含め憎めないので許そう。(笑)

彼らがついにスライと会って流した涙を見たとき、僕にとって、どうしても会いたい人というのは誰だろうか、などとも考えてしまった。

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頭脳明晰。

スライ・ストーンは子供の頃、家でみんなで歌っていた。教会にも行っていた。ある意味ちゃんとしたいい家に生まれ育っている。そしてひじょうに頭脳明晰でアイデアもあり、さまざまなことにクリエイティヴだ。ドラッグでよれよれになっていたり、ホームレス風のいでたちからは想像できない。ファッション・センスもよければ音楽のセンスもいいし、車のセンスもいい。まあ、センスの良しあしは個人的主観にもよるが。別の言い方をすれば、何事にも「こだわりがある」ということか。

2012年3月、僕は目黒ブルース・アレイで行われた『ソウル・サーチン・ザ・セッション』(ゲスト=スガシカオさん)のイヴェントでスライのリハーサル映像や秘蔵映像を紹介したが、最近の映像はいまだ現役感たっぷりだ。

スライは言う。「デザイナーズ・ジーザス(ちょっとしたブランドのキリスト、ファッションになってしまった神、いろいろな神様がいること)は大嫌いだ。神はひとつでいい。人が自分にしてほしいと思うことを、人にしろ」といった発言は彼のものの考え方、見方、生き方をよく表していて、こうした言葉から新たなファンになる人も多いかもしれない。

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現役。

たとえば、すでに亡くなったアーティストたちの映画やドキュメンタリーももちろんそこから学べることはたくさんあるが、今でも生きているアーティストたちのドキュメンタリーや映画だと、見た後に興味を持ったり、好きになったりすれば、さらにその現役アーティストのライヴに触れられるチャンスもある。ある意味未来がある感じがする。そういう点で、現役アーティスト、あるいは生きる伝説のこうした作品はどんどん作られてもいいと思う。

映画館のロビーにいろいろグッズがあったのだが、Tシャツなどは早くもサイズが売切れになっているものもあった。もしグッズが欲しい方は、早めに行かれるか、確認されたほうがいい。

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プログラムに原稿書いてます。

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ざくざく。

映画を見終え、新宿の地下街に入ると、甘い匂いと行列に誘われて、食べたことがない「ざくざく」を並んで買ってみた。なかなかおいしかった。「ざくざく」とは、さくさくのシュークリーム生地にその場でカスタード・クリームをいれてくれる棒状のスイーツ。一本250円。

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日本版予告編。(1分24秒)
https://www.youtube.com/watch?v=8QS-tbGE1aM


 
日本版公式サイト 
(この中のINTRODUCTIONとPROFILEの原稿を執筆しました)
http://goo.gl/pp7Ufr  
最新情報はフェースブック
https://www.facebook.com/SLYSTONE.Documentary

一度公開されたものに今年1月の裁判の部分を追加。

オフィシャルサイト(海外)
http://www.slystonedocumentary.com/page2.htm

■公開劇場

東京 新宿K's cinema 2015年5/16(土)~
神奈川 横浜シネマリン 5/23(土)~
新潟 シネ・ウインド 調整中
愛知 名古屋シネマテーク 6/13(土)~26(金)
大阪 シネマート心斎橋 5/16(土)~
京都 立誠シネマ 6/6(土)~6/19(金)

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■スライ・ストーン関連記事

スライ・ストーン、ドキュメンタリー映画『スライ・ストーン』新ヴァージョン5月16日世界初公開
2015年05月17日(日)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-12027333174.html


定期的に毎回ソウル・レジェンドにスポットを当て、ライヴとトークで行っている「ソウル・サーチン・ザ・セッション」第11回で、スライ・ストーンを取り上げました。スガ・シカオさんゲスト登場のその詳細。

「ソウル・サーチン:ザ・セッション~スライ・ストーン・トリビュート」レポート(パート1)
2012年03月31日(土)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-11208446136.html

「ソウル・サーチン、スライ・ストーン・レポート・パート2」
2012年04月01日(日)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-11208656203.html

スライ・ストーン、ヴァンで生活中~仕事をくれと語る
2011年09月28日(水)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-11031022325.html
(この記事の情報源が、今回の映画をまとめたウィレム・アルケマ)

2011年04月05日(火)
スライ・ストーンがツイッター開始
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10851629101.html

2010年01月17日(日)
ルーファス&スライ・ストーン、ライヴ@ブルーノート
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10436078971.html

2009年09月10日(木)
スライ・ストーン今年も来日していた 衝撃情報
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10338859350.html

2008年09月03日(水)
スライ&ファミリー・ストーン@ブルーノート
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10134870915.html
ブルーノートでのライヴ評。

September 01, 2008
Sly Stone @ Tokyo Jazz (Part 1) : 36 Minutes Long On The Stage
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10133999546.html
2008年8月31日の国際フォーラム・ライヴ評。

August 29, 2008
Brenda Will Sing For Sam Moore,: Are You Ready For Sly?
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10132829691.html
スライは8月31日、何分ステージにいるかのアンケート。

June 19, 2008
Sly & The Family Stone’s Live Review 2007
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10107754472.html
2007年スライ&ファミリー・ストーン・ヨーロッパでのライヴ評。

June 18, 2008
What If Sly Stone Would Show Up The Stage
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10107430498.html#main

June 17, 2008
Sly & TheFamily Stone Will Coming To Japan August
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10107102979.html#main
スライ&ザ・ファミリー・ストーン初来日決定

July 04, 2007
Sly & Family Stone Reunion: Hit The European Tour
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10038715448.html
2007年ヨーロッパツアー開始

May 07, 2007
Why "Family Stone"? : Are There Black Hippies?
http://blog.soulsearchin.com/archives/001759.html

May 05, 2007
Back In 1968: When LP Records Were New
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10032883816.html

May 04, 2007
Sly & Family Stone’s Paper Sleeve Jackets CD Released
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10032636181.html#main
スライ&ファミリー・ストーン紙ジャケット発売

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スライ・ストーンが1969年から1970年まで運営していたストーン・フラワー・レコードのコンピレーション。スライの実験的サウンドが聴かれる。スライ研究者必須盤。解説吉岡正晴



スライ&ファミリー・ストーン、エピックでの5枚まとめて3500円以下

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