#「ア・チェンジ・イズ・ゴナ・カム」(続き) | 吉岡正晴のソウル・サーチン

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#「ア・チェンジ・イズ・ゴナ・カム」(続き)~『マルコムX』でも

【A Change Is Gonna Come : Cont’d】

昨日。

昨日「ア・チェンジ・イズ・ゴナ・カム」の誕生秘話などを書いた。アップした後読んでみて、ちょっと書き漏らしたことを追記したい。

ボブ・ディランの「ア・ブロウイン・イン・ザ・ウィンド(風に吹かれて)」にインスパイアーされて作られた「ア・チェンジ・イズ・ゴナ・カム」は、その後、マーヴィン・ゲイの「ホワッツ・ゴーイング・オン」、さらに、マイケル・ジャクソンの「マン・イン・ザ・ミラー」へと、その点は線となり、ひとつの成果として黒人初の大統領誕生へとつながったともいえる。

2014年3月7日(金)から日本でも公開される映画『それでも夜は明ける(原題、12 Years A Slave)』を見た。これも人種差別問題を大きく扱ったひじょうに重い映画だったが、ここでも「チェンジ」が大テーマだった。映画の舞台が1841年から12年間ということで、さすがにサム・クックの曲はかからなかったが、コンセプトは一緒だ。(この映画については、後日改めて詳しくご紹介します)映画『42』で描かれたことも、『大統領の執事の涙』でも、『ソウル・ガールズ』でも、人種差別を扱ったものでは、いつも「チェンジ」がテーマだ。

これは前々から思っていたが、サム・クックとは1960年代初頭のマイケル・ジャクソンのような存在だったのではないだろうか。あるいは、サム・クックが1980年代に登場していたらマイケル・ジャクソンのような存在になっていたのではないだろうか。

サムもマイケルも、当初は歌のうまさだけでなくルックスを含め、圧倒的に人気が先行した。そして、徐々に彼らは自我に目覚め、成長し、世界に語りかける素晴らしいメッセージ作品を出すようになった。

もうひとつ、「ア・チェンジ・イズ・ゴナ・カム」で忘れてはならないシーンがあった。映画『マルコムX』(1992年、スパイク・リー監督)で、主人公マルコムXが結果的に最後の演説となる会場オードゥヴァン・ボールルームに向かうシーンで、サムのこの曲が流れる。マルコム(デンゼル・ワシントン)は何かを覚悟しているかのように見える。映画の、そして、マルコムのメッセージとともに、この曲ははまりすぎるほどはまっていて、強烈な印象を残した。さすが、スパイク・リーだと思ったものだ。

Sam Cooke - A Change Gonna Come (Malcolm X)
http://youtu.be/zsT9wDBXyjE



GREAT SONG>A Change Is Gonna Come

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「チェンジ・イズ・ゴナ・カム」から「チェンジ・ハズ・カム」へ~オバマ氏勝利演説
2008年11月08日(土)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10161914791.html

ENT>GREAT SONG>A Change Is Gonna Come

「ア・チェンジ・イズ・ゴナ・カム」が最初に収録されたサム・クックのアルバム『エイント・ザット・グッド・ニューズ』(1964年3月1日全米リリース)

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