ぼくたちに、もうモノは必要ない。 - 断捨離からミニマリストへ -
1,080円
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“ミニマリスト”という言葉が流行りだした頃から
ずっと気になっていたのに最近ようやく手にしました。
「ぼくたちに、もうモノは必要ない。/佐々木典士」は
ジャズの演奏を再開しようとしていた十数年前に読んだ
「人生を複雑にしない100の方法/イレイン・セントジェームズ」に続いて
私の生き方を大きく変える1冊になりました。
単に“捨てる”ためのノウハウを超えて
いかにして人生から幸福感を得るか、を考察した哲学です。
私たちは自分の現実が「理想と全くかけ離れている」と
しばしば考えがちだ。
自分が思った通りにならない現実を見て、
自分は不幸だと感じてしまう。(本書からの引用)
モノを捨ててぼくが思うのは、何かを成し遂げたり、
何者かになる必要はないということだ。
いつもの家事を、毎日の生活をまっとうするだけで
自分が好きになれ充分な喜びを感じられる。(本書からの引用)
必要最小限のモノしか持たずに暮らすミニマリストに
私自身がなれるとはまったく思えません。
ただ一歩でも近づくことで人生を好転させられそうな気がします。
本書は私にとって生きてゆく上での重要な問題である
“うつ病”と“アルコール”についても触れられています。
私はいわゆるシンプル・ライフに関する本が好きで
今までにその類を何十冊も読んできました。
しかしそれらの中でアルコールとの付き合い方について
書かれたものは皆無でした。
酒好きなことも含めて著者は私と似たタイプの人間のようで
ただならぬ親近感を覚えてしまいました。
モノは多ければ多いほど私たちの人生を停滞させます。
幸いなことに妻も本書の考え方に共感してくれました。
今は二人でモノ減らしに励む毎日です。
ただひとつだけ残念なことがあります。
35歳で書かれた本なのに若者言葉を多用していることです。
ミニマリズムを提唱するならぜひとも
シンプルで美しい‟正しい”日本語を使ってほしいです。