ぼくたちに、もうモノは必要ない。/佐々木典士 | サックス・創意工夫|ジャズ・下学上達

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自分なりに考えたことをまとめたり

 

 

“ミニマリスト”という言葉が流行りだした頃から

ずっと気になっていたのに最近ようやく手にしました。

 

「ぼくたちに、もうモノは必要ない。/佐々木典士」は

ジャズの演奏を再開しようとしていた十数年前に読んだ

「人生を複雑にしない100の方法/イレイン・セントジェームズ」に続いて

私の生き方を大きく変える1冊になりました。

 

単に“捨てる”ためのノウハウを超えて

いかにして人生から幸福感を得るか、を考察した哲学です。

 

私たちは自分の現実が「理想と全くかけ離れている」と

しばしば考えがちだ。

自分が思った通りにならない現実を見て、

自分は不幸だと感じてしまう。(本書からの引用)

 

モノを捨ててぼくが思うのは、何かを成し遂げたり、

何者かになる必要はないということだ。

いつもの家事を、毎日の生活をまっとうするだけで

自分が好きになれ充分な喜びを感じられる。(本書からの引用)

 

必要最小限のモノしか持たずに暮らすミニマリストに

私自身がなれるとはまったく思えません。

ただ一歩でも近づくことで人生を好転させられそうな気がします。

 

本書は私にとって生きてゆく上での重要な問題である

“うつ病”と“アルコール”についても触れられています。

 

私はいわゆるシンプル・ライフに関する本が好きで

今までにその類を何十冊も読んできました。

しかしそれらの中でアルコールとの付き合い方について

書かれたものは皆無でした。

 

酒好きなことも含めて著者は私と似たタイプの人間のようで

ただならぬ親近感を覚えてしまいました。

ご自身のブログで今年は断酒をしたい、と書かれています。

 

モノは多ければ多いほど私たちの人生を停滞させます。

幸いなことに妻も本書の考え方に共感してくれました。

今は二人でモノ減らしに励む毎日です。

 

ただひとつだけ残念なことがあります。

35歳で書かれた本なのに若者言葉を多用していることです。

ミニマリズムを提唱するならぜひとも

シンプルで美しい‟正しい”日本語を使ってほしいです。