バルトークの中心軸システムとは? | サックス・創意工夫|ジャズ・下学上達

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ジャズやサックスについて
疑問に思ったことを調べたり
自分なりに考えたことをまとめたり

最近クラシック音楽に興味を持ちはじめてから

Axis System 中心軸システムという言葉を知りました。


Axis System 中心軸システムとは

作曲家Bartok バルトーク の作曲における和声を分析して

Lendvai Erno レンドヴァル・エルネという学者が

「バルトークの作曲技法」という本で示した理論だそうです。


ちなみにBartok バルトーク自身は

自分の作曲理論いついてはほとんど語ったことがないそうです。



サックス・創意工夫-cycle of 5ths


Axis System 中心軸システムでは

Circle Of Fifths 5度圏 の表において


仮にCをトニックとしてハ長調で考えた場合に


Cの対角線上のいわゆる裏コードで

3全音離れたトライトーン Tritone
(増4度もしくは減5度)の関係にあるG♭(F#)と


短3度離れた左右90度の位置にあるAとE♭が


すべてトニックのCと同じ機能を持つと考えるそうです。


これら4音が同じ機能を持つと考える根拠は

コードのルートが同じ「同主調 Parallel Key」

は借用コードとして「同主調変換 Modal Interchange」ができ

スケールの構成音が同じ「平行調 Relative Key」

は「代理コード Subsutitution Chord 」として使えるので


どちらも同じ機能を持つコードとしてみなせるそうです。


①コードCはCmと同主調なので同じ機能を持ちます。

②E♭はCmと平行調なので 同じ機能を持ちます。


③E♭はE♭mと同主調なので同じ機能を持ちます。

④G♭(F#)はE♭mと平行調なので同じ機能を持ちます。


⑤G♭(F#)はG♭m(F#)mと同主調なので同じ機能を持ちます。

⑥AはG♭m(F#)mと平行調なので同じ機能を持ちます。


⑦AはAmと同主調なので同じ機能を持ちます。

⑧AmはCと平行調なので同じ機能を持ちます。


5度圏の表中にC-A-G♭(F#)-E♭で十文字

(これを主調軸 Dominant Axis と呼ぶそうです)ができ

円をちょうど4等分することになります。


またこれら4つの音は

ディミニッシュ・コード Diminished Cord 減三和音を構成します。


同じ考え方をDominant 属調のGと

Sub Dominant 下属調のFにも当てはめます。

すると5度圏の12音が次の3つのグループに分けられます。


Sub Dominant Axis下属調軸「 F-A♭(G#)-B-D 」

Dominant Axis 属調軸「 G-B♭(A#)-D♭(C#)-E 」

Tonic Axis 主調軸「 C-E♭(D#)-G♭(F#)-A 」


Sub Dominant → Dominan → Tonic

というコード進行のルールに従っていれば

同じ機能を持つそれぞれ3つのグループから

任意の音(コード)を選んでいいものと考えるそうです。



サックス・創意工夫-コード進行規則


これはDiatonic Cord ダイアトニック・コード以外でも

12すべてのコードを扱えることを意味し

しかも Tonic Axis 主調軸は

3グループのどれを選んでもいいわけですから

コード進行の自由度が一気に増すことになります。


ジャズ理論において有名なサックス奏者

John Coltrane ジョン・コルトレーンが発明した

Coltrane Changes コルトレーン・チェンジ


このAxis System 中心軸システムと

同じ考え方に基づいているそうです。


ちなみに私自身も間違えて覚えていたのですが

同じルートを持つ同主調が"Parallel Key"

同じ調性記号を持つ平行調が"Relative Key"

で日本語と英語は表現が一致しないので注意が必要です。



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