これはNHK杯戦を見ての感想だが(藤井聡太八冠の強さの秘密についての僕の見解) | 悠志のブログ

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■藤井八冠、タイトル戦20連勝=最長記録―将棋・王将戦
(時事通信社 - 02月08日 18:00)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=4&from=diary&id=7742877

これはNHK杯戦で藤井八冠の対局を2局見ての感想だが、
彼は、猛然と敵陣を攻めているとき、不意に手を止め、自陣に手を入れる。
攻められてもいないのにそういう手を指す。
突然、相手に手を渡すのだ。
その手を指された方は、何か指さなければならないが、どうすればいいのかわからなくなって、つい緩手や悪手を指してしまう。

こういう手、度量のある棋士でないと指せない手だ。
ぼくは50年ぶりに見た。
話が旧くて恐縮だが、升田幸三九段と大山康晴十五世名人がよく指していた手だ。

藤井八冠のNHK杯戦では、AIの予想手の筆頭にもこれが挙がっていた。
そういえば藤井八冠は、AIの予想通りの手を指すことが非常に多い。
AIの判断が間違いないと考えるなら、
藤井八冠は驚くほど間違えない。
むかし広津久雄九段が言っていたことだけれど、
「将棋は強い手を指した方が勝つゲームというより、間違えた方が敗けるゲーム」。
相手の攻めに対し、応接を誤れば形勢は相手方有利に変わるし、
攻めているときに、一手緩い手や悪手を指してそれを相手に気づかれた時には、
その手が相手方の逆襲の火種になる。
つけ込む隙を与えたらダメだが、高段者だと、わざと隙を見せて攻めさせ、
切れ筋に持ってゆくという高等戦術もある。
そういう綾があるから、将棋はおもしろいのだし、未だに人気があるのだと言える。