作りたい女と食べたい女(シーズン1)ドラマ鑑賞ノート。 | 悠志のブログ

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原作:ゆざきさかおみ

脚本:山田由梨

演出:松嵜由衣・中田博之

音楽:伊藤ゴロー

 

出演:比嘉愛未(野本ユキ)・西野恵未(春日十々子)

 

 ひとり暮らしの三十路の女性2人が、ご飯のおすそ分けを介して知り合い、お互いのことを大切に思ううちに、それがうつくしい情愛に発展してゆく。

 女性同士の恋愛ものだが、ドラマの中で殊に魅力的なのは、春日さんを演ずる西野恵未さんの飾り気のない率直な女性像だ。

 春日さんは明るくはないが、言葉のはしばしに知性が感じられ、また情け深く、細やかなところにまで気を配れる、やさしいひと。見た目はどこか童話の世界の森のくまさん。

 春日さんは日頃、自己主張をしない。食生活からしてこどもの頃からつらい目に遭ってきたから、自分の思いを他人に伝えるのが苦手。自分を抑えるのに慣れているから、そのため逆に勘違いされてしまうことが多いようだ。飲み会でも、自分は契約社員の身の上ゆえに、満足に酒肴に手を伸ばすこともできない。だから野本さんのような「好きなだけ食べてね。作るから」と言ってくれる人が出来て、どんなに解放されたか知れない。

 このドラマ、春日さんの側からの野本さんへの思いが、ほぼまったく描写されていない。その所為で話がよりいっそう面白くなってきている。

 役者を論ずれば、比嘉愛未さん演ずる野本さんの可愛らしさと、西野恵未さん演ずる春日さんの朴訥としたやさしさの醸し出すハーモニーが快い。

 いまはシーズン2が始まっているが、それもおいおい感想を書きたい。