八ッ場ダム本体工事来春に完成予定

― 川原湯温泉水没前に現地を見てきました ―

 

 

茨城新聞の記事(三次豪記者)を見て、水没前にもう一度、現地を見ておきたいと思い、昨日、八ッ場ダムのある群馬県長野原町の川原湯に行ってきました。

 

 

八ッ場ダムは自民党政権のもとに工事が進んでいましたが、民主党政権が中止を決定したもののその後に再開したという経緯があります。ここまで工事が進んでいるのを見て感慨無量のものがあります。

 

 

民主党が政権を奪取し2009年9月に当時の前原誠司国交大臣が本体工事の中止表明を行い入札を凍結しました。2010年10月には検証作業が始まり、2010年11月に馬淵澄夫国交大臣が八ッ場ダム中止方針の棚上げと検証期限を11年秋と表明しました。そして、2011年12月には前田武志国交大臣が八ッ場ダムの本体工事予算計上を表明し、現地に赴き、八ッ場ダムの推進を訴えてきた群馬県知事、県幹部、国会議員、地元有力者らの万歳三唱に応えるという経過でした。迷走したという印象でした。

 

http://eritokyo.jp/independent/aoyama-co11650.html

https://yamba-net.org/gaiyou/keikaku/

 

 

民主党政権は、官僚のコントロール下で政策を実行する力もなく、国民との約束も果たせませんでした。その後継である民進党、立憲民主党、国民民主党も、何の反省もなく同じ過ちをしようとしています。原発も同様です。原発の輸出は民主党政権時代の政策決定です。

 

 

「過ちて改めざる、是を過ちという」

 

八ッ場ダムについては、県議会議員当時、苦い思い出があります。当時の状況は以下の通りでした。

 

https://ameblo.jp/sougousenryaku/entry-12486758828.html

https://ameblo.jp/sougousenryaku/entry-12486758835.html

 

 

「結局、私は茨城県議会でのやり取りで充分に納得する材料を得ないままに、県知事の「同意」意見に同意しています。なぜ、そうなったのかが問題です。もう時も経ちましたので当時のやり取りをお知らせしたいと思います。」

 

「この議案106号、八ツ場ダムの基本計画の変更に対して茨城県知事が同意する意見書は、私が所属していた県議会総務企画常任委員会に付託されました。当時は、大型公共事業の見直しが進んでいた政治的・社会的状況があり、茨城県でも選挙区だった美和村・緒川村にまたがる「緒川ダム」の中止という大きな政治的な課題の中にありました。」

 

「私は、この議案が会派に説明された時から疑問を持っており当然「同意」意見反対の表明を行っています。しかし、会派「民主党・清新クラブ」の中では残念ながら少数にとどまり(私の記憶では7人中2名、内民主党では5人中1名、清新クラブ2人中1名)、会派として「同意」意見に反対するということにはなりませんでした。当時の民主党中央では、賛成・反対の意見を統一するには至っていませんでした。工事が進み補償交渉も締結されている現在になって鳩山由紀夫幹事長が現地で明確に反対を断言しています。それが正しいのかどうかは分かりませんが・・・」

 

「ある議案に賛成するか反対するかどうかは政治的な立場の表明ですから、政治家としてはきわめて重要な判断になります。税金の有効利用から見てどうなのか、環境を守る立場と矛盾しないか、脱ダムの流れから見てどうなのか、水利権の確保、など県民益を守るための様々な面から考慮して、会派の多数派とは異なり私は「反対の立場」をとる決意をし、会派代表に通告しました。」

 

「ここからが、大変でした。私の反対意思が固いと察知して会派控室までお越しいただき一新人議員を説得いただいたのは、中央から派遣されていた部長以下県職員の方々でした。まことに異例のことで、どなたかが説得を依頼したのではないかと思っていました。しかし、充分に納得する材料は提示されることはありませんでした。その代わり、「民主党は橋本知事与党ではないのか。与党が知事の提案した議案に反対していいのか。」ということでの説得が続きました。」

 

「私は、この「同意」意見に同意すれば、緒川ダム中止のように後戻りをするときには大変な混乱を生じるから、今のうちに反対表明を明確にしておく必要があると考えていました。したがって、委員会での反対、本会議でも反対をしようと考えていました。会派に迷惑がかかるということなら、会派離脱も覚悟して行動するつもりでおりました。」

 

「しかし、その意思を貫くことで予想される困難さ(選挙における応援態勢)が行動を躊躇させ、結局、私自身の政治的立場や県民益を変えて「同意」意見に賛成の意思表示をすることになりました。その根拠らしきものは、「水をめぐっては、水不足は政治責任、水余りも政治責任ということになり、その計画は強固さと慎重さとを併せ持たなければならない。」というもので苦しい理由付けでした。」

 

「当時は胃に穴が開くようなストレスを感じたものでした。先にも書きましたが、民主党では現在、八ツ場ダムには反対の立場をとっているようです。」