今日も客が来ねえ、こんなにも空が青いのに。
店内で、気味色したレジスターの現金、小計ボタンを叩いて、チャン♪
閉めて、チャン♪
繰り返す。
叩いて、チャン♪
ノーメイクのジーン・シモンズのTシャツが駄目なのか、チャン♪
明日は、ネバーマインドの水中赤子がおっさんになった現在のTシャツにするか、チャン♪
ワタクシ考えます。
札入れの中身はいつもとかわらねえのだ。
千円札が2枚。
問題は小銭いれだ。
百円玉があるよ、1枚。
旧百円硬貨の百円玉があるよ。
これがワタクシの頭の中を支配しているのよ。
な~んでかっ♪
それはね。
使えねーの。
珍しいからとかちがうよ。
どこで使おうとしても、突っ返される。
お客様っ、って。
スーパーでも、八百屋でも、飯屋でも、ちりめん問屋でも。
おととい来やがれ、恥れモノがっ!って陰口たたかれているのよ。
腹立つ。
小銭入れにしまっていても、家の者や外の者にソイツが見つかった日にゃー。
お前うれしなん?うれしやん?もっさうれしなんやん?
と馬鹿にされるのである。
っ畜生め。
アイスコーヒをちゅるちゅる啜りながら歩いていると、脇から自転車でものすごい速度で後輪タイヤを滑らせて遊ぶ青鼻はりつかせたガキが。
コイツにやろかしら。
おいこら小僧、おっちゃんが小遣いをやろう。
小僧はうれしそうにもらっていきよる。
これで手元から百円が消えて、小僧も百円貰えてめでたしである。
ういん、ういん。
まてよ、小僧が家に帰ったら家のものに言うだろう。
気味の悪いパン屑屋のおっさんに百円もろたで、ええやろおかーちゃん。
あの小僧の母親なのだから、きっと頭に角のはえた赤鬼のような母親に違いない。
なめたもん息子によこしやがってと、右手に金棒、左手にトンファーを持って怒鳴り込んで来るに違いない。
あぶねえ、しくじるところだ。
どないしよ。
神さんなんとかして・・。
っハ。
神さん、神さんにやろ。
賽銭や!賽銭したらええんやん。
そしたら神さんも喜んで、願掛けもできて、手元から百円も消えて幸せ三昧やんけ!
神さんよろこんだら、富札あたったりするのかなあ。
お客さんぎょうさん来たりするのかなあ。
ひひひっ。
ってんでその日は幸福に包まれながら酒呑んで寝ました。
気が付けば1ヶ月。
小銭入れの百円もどっかにいっちゃったー。
死ねオレ。