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前回のお話はこっち

 

 

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会社へ持っていったお弁当が
少しずつ食べられなくなる夫




少しずつ
本当に少しずつだけど


残す量が増えていく








どんなに体調を聞いても


「ごめん、忙してて
 食べてる暇がないんだよね
 繁忙期なんだ、汗」


そんな答えが帰ってくるだけだった







そしてついに

食べられなくなった。







「ごめん、やっぱりお弁当いいや
 もう食べる時間ないし
 作ってもらうのも申し訳ないしね」



顔は笑ってた

 


あくまで、私が悲しむのを見たくない
そんな顔だった






そこまで言われて無理やり作るのも
逆にかわいそうで、受け入れる







でも【異変】はエスカレート










家での食事も食べられなくなってきた



体力と元気が取り柄みたいな人が
食べられない・痩せていく

 

 




これは絶対おかしい!

 

 

 

 

 


そう思って私は、なかば強引に
夫を病院についれていった





が、結果は


いたって健康






「ちょっと疲れがたまってるかもしれない
 少し休んだほうがいいよ」

という先生の言葉に
違和感しかなかった。






どう考えても今の仕事のほうが
肉体的な疲労は少ない


ましてや夫は
体力自慢

(元気が取り柄みたいな人)





なのに病気でも怪我でもない

ただ元気がなく、痩せていく





そんな中・・・神様はいじわるだ

 

 

 

 

 


私も体調を崩すことになる







気持ち悪い
食べられない
とにかく具合が悪い




「私が悪くなってる場合じゃないのに!」




得体のしれない焦りと
不安感に押しつぶされそうで
母に電話した







妊娠だった








嬉しい。すごく嬉しい。
飛び上がるほど嬉しいのに
心から喜べない




すぐに夫にも報告したものの
うっすら笑ってくれるだけ

喜んでくれたのは間違いない
けど、とても空虚




なんともいえない
キモチノワルイ時間

 

 




説明できない辛さで

毎晩泣いた

 

 

 

一人の時には

知らぬ間に涙が垂れてきた

 









つわりが辛い私と
痩せていく夫と


これからどうしていいかわからない気持ち





まるで重い地縛霊に憑かれているような
気だるい毎日







お互いに精神状態が危ういとき

夫が携帯と話し始めるようになる

 

 

 

 


文字通り



「携帯」と。






終わりの始まりだ



>>>続く