ゲーム感想『ヒラヒラヒヒル(2023)』 | 15人の転校生と同時にぶつかる事はできるのか?
- 架空の病気「風爛症(ふうらんしょう)」が存在する大正時代を舞台に、風爛症の医者である千種正光と、学生の天間武雄の二人の物語を描く、アニプレックスエグゼの第3弾。
- アニプレックスエグゼの過去作であるATRIと徒花異譚はどちらも面白かったのでこれも発表されてすぐにチェックはしていた。それに加えて、前2作に比べると全くと言っていいレベルでギャルゲー要素がなさそうなのも個人的には目を引いた。
- あと、瀬戸口廉也が手掛けたノベルゲームをこれまで一度もやったことがないというのもあった。CARNIVALは発売された当初随分話題になったし、セカンドノベルとかブラックシープタウンとか、面白そうだなあって思ったゲームはいくつもあれど結局やったことがなかった。
- この間のスプリングセールで2割引だった。プレイ時間は11時間くらいで、一通りエンディングを見た。
- ゲーム中にいくつか登場する選択肢がどれもこれも重たい。ノベルゲームはこういうのがいい。
- 一番最初に出てくる、身内にひひるがいる生活苦の老婆にお金を渡すか渡さないかの選択肢でびっくりしてしまった。こういう感じのゲームかって。
- 一番ヘビーだったのは明子さんを置いて家を出るか出ないかの2択。「明子のために勉学をあきらめることこそ明子の想いを踏みにじるものである」という鎮柳先生の意見に納得して家を出ることを選んだけど、結果はバッドエンド……とまではいかずとも微妙に悲しい感じの終わり方だった。一つの結末としてこれはこれでありかなとも思った。
- いずれの選択肢も一般的には正解のないものだと思うけど、ゲーム的にはこれでグッドエンドとバッドエンドの分岐をしてしまうのは違和感がなくもなかった。
- 風爛症の医者である千種が終盤で自らが風爛症にかかって立ち位置が180度変わる展開は面白かった。医者の立場では見えない看護師の優しさがわかったりとか。
- 電車の中で粗相をしてしまって感情を爆発させる明子さんと、それを説得する武雄さんのシーンがとても好き。「問題を自己犠牲で解決しようとするキャラクターを何とかして説得する」シーンはどんな話でも好きだ。
- 武雄さんのハッピーエンドは本当にハッピーでよかったんだけど、鎮柳先生がいないのは悲しいな。武雄さん編は先にバッドエンドを見た後に攻略サイト見てハッピーエンドの方に進んだので、まさかこっちでも鎮柳先生が死ぬとは思ってなくて。
- 一度に表示されるテキストが多いのはいいんだけど、キャラクターのセリフも一度に何行も表示されるから、ボイスと目で読んでいる場所のずれが大きくなりがちだった。一度に2行くらいしか表示されないノベルゲームのフォーマットを見て「もうちょっとたくさん表示してもいいんだぞ」って常々思っていたけど、本当にそうされるとこうなってしまうんだな。ボイスなしでやってもよかったけど、せっかく主人公含みフルボイスなので切りたくはなかった。
- 主人公が二人だけど、二人の物語が絡み合ったりは特にしない。一方の物語にもう一方の主人公がちょっとだけ出てくるくらいで。ダメとは言わないけどちょっと物足りないとは思った。
- 面白かったことは面白かったけど、なんか地味だなあ……って思ってしまったのも正直なところ。
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