ゲーム感想『BLACK MESA(2020)』 | 15人の転校生と同時にぶつかる事はできるのか?

15人の転校生と同時にぶつかる事はできるのか?

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15人の転校生と同時にぶつかる事はできるのか?
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ここから移転してきました。

  • 物理学者のゴードン・フリーマンを操作し異世界と繋がってしまった研究所からの脱出を試みる、名作FPS『ハーフライフ』のファンメイドのリメイク作品。正式リリースは2020年だけど、それ以前にも終盤を除いてMODとして一部公開はされていたらしい。
  • 僕はカウンターストライクソースを少しやっていたことがあるので、そのつながりでハーフライフにも興味がないわけではなかったんだけど、古くてちょっと手を出しづらいな……と20年位前の時点で思っていた。ブラックメサの存在も知っていたけど、作り始めたのが15年前ってことは要するに2005年のゲームということでこれまた古いな……って思っていた。そういうわけでウィッシュリストに入れつつも放置していたんだけど、今回Steamで8割引きの400円だったので、まあいいかって思ってやってみた。
  • 難易度はハード、プレイ時間は30時間くらいで、最後までクリアした。15時間くらいでクリアできると聞いていたけど2倍もかかってしまった。

よかったところ

  • クイックセーブやロードが快適にできる、というのがこのゲームのサクサク感の最大の理由だと思う。これのおかげで多くの不満が気にならない。
  • 探索や謎解き→敵との戦闘→探索や謎解き……をひたすら繰り返す感じの内容。これが思っていたよりずっと面白かった。
    • 謎解き要素はあまり好きではないけど、このゲームは自然とやることがわかるので詰まることは少なかった。
    • ハーフライフはジャンプアクションが多い点が不評と聞いていたけど、個人的にはFPSのジャンプアクションは嫌いではない。ブラックメサがリメイクにあたってどのように変えたかわからないけど、本作のジャンプアクションも結構好きだった。失敗したって即ロードすればいいだけだし。
  • いろんな武器が出てくるけどそのいずれも個性的。
    • 特にMP5が強くて楽しかった。リコイルコントロールでうまく敵を集中攻撃できると気持ちいい。アサルトライフルがないからってのもあるけど、こんなにMP5が強いFPSって始めてやったかも。
    • 中盤で手に入るハイブハンドも強い。遮蔽物に隠れながら一方的に攻撃できるという時点で反則。弾数も無限だし。
    • あとバールが意外に強い。弾数の少ない序盤はもちろん、中盤以降も単体で出てくるヘッドクラブを倒すのにはバールが一番楽だったりする。さすがにXENまでくると力不足で使わなくなるけど。
  • 序盤はホラー要素も濃い。研究員が無残な死に方をしていたり、エイリアンがいきなり現れたりして。
    • 襲われている研究員や警備員を助けることもできる。警備員は助けるといっしょに行動してくれるので特に序盤は頼りになる。
  • 海兵隊とエイリアンがつぶし合っているのを眺めるのが楽しい。
  • 敵のエイリアンに個性があっていい。
    • 特に好きなのはハウンドアイ。ショットガン一発で気持ちよく吹き飛ばせるのも敵キャラとして好ましいけど、何よりなんかかわいいんだよな。キューンって言いながら近づいて体振るわせてくるのが犬みたいで。
    • 序盤から出てくるヘッドクラブはバール一発で倒せる雑魚敵ながら、どこにいるかわかりづらくて奇襲されやすいし、大量に出てくると対処が困難だったりで最初から最後まで強敵。
  • 僕はクローズドキャプションをオンにしてプレイしたんだけど、これのおかげで攻撃が当たったか当たってないかが分かりやすくなってよかった。
  • 終盤に訪れる異世界「XEN」の雰囲気が非常にいい。
    • 周辺の景色がきれい。
    • 研究所では「ポータルが開く=敵のスポーン」なんだけど、XENでは味方の支援物資が届く合図になっているというシチュエーションの逆転が好き。
    • フリーマンと同じHEVスーツを着た死体がたくさんある。おかげでゾンビの耐久力も異様に高かったりする。
  • 基本的にBGMは流れないゲームだけど、たまに流れる曲はどれもよい。

気になったところ

  • 一部謎解きで、やり方次第で詰んでしまう点があったような気がした。
    • 高所に行くため箱を積み上げるシーンがあるけど、箱を全部壊したら詰みになってしまうんじゃないか?壊れない箱くらいは置いておいてほしかった。あと、オブジェクトを立てて置けないので必要以上にオブジェクトを用意しないと高所に行けなかったりするのも面倒だった。
    • 中盤でロケットのエンジンを始動させるにあたり、プロペラが高速回転を始める前に脱出しないといけないシーンは、プロペラが高速回転したところでセーブしちゃうとやり直しになりかねない気がした。僕はここだけはどうしたらいいかわからなくて攻略情報に頼った。
  • 理不尽な死に方をすることがとても多かった。
    • 特に終盤は、何が原因で死んでいるのかすら分かりにくい。
    • 大ボスの攻撃を横移動でかわそうとして障害物にひっかかって動けず死ぬというケースが非常に多くちょっとイライラした。
  • バグも多め。
    • コンセントを挿したいのに挿せず何がいけないんだろうなあーと思って15分くらい悩んで、ロードして初めからやり直してみたら普通に挿せて、ただのバグだったのがわかったときは脱力してしまった。
    • クラッシュが多い。特にXEN。
  • 総じてXENは理不尽な死やバグが多めだし、序盤は風景が美しいけど終盤は建物の中にしかいないからそれもないし、戦闘もグルーオンガンをぶっ放すだけになってしまって、ちょっと微妙かなって思った。
  • エンディングで謎の男「G-Man」が出てくる。ハーフライフシリーズを通して登場する謎の存在、黒幕みたいなキャラクターらしく、ブラックメサでも全編を通して登場するらしいんだけど、正直「こんなやついたか?」って思ってしまった。存在に全く気付いてなかった。

まとめ

  • 総じて「昔のFPSだなあ」って思った。本当にただ撃ち合うだけの戦闘と、ちょっとした謎解きをひたすら繰り返して最後まで進めるという内容。しかし、それが僕には面白く感じた。クイックセーブとロードが簡単なのでストレスを感じることもそんなになかった。終盤はちょっとだれてしまったけど、それでも400円でこれなら文句はない。リメイクとはいえ有名作品に触れることができたという体験それ自体も満足で、やってよかったな。