ゲーム感想『9 -nine-(2021)』 | 15人の転校生と同時にぶつかる事はできるのか?

15人の転校生と同時にぶつかる事はできるのか?

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15人の転校生と同時にぶつかる事はできるのか?
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ここから移転してきました。

  • アーティファクトと呼ばれる道具で超能力を使えるようになった少年少女たちの物語を描く、ぱれっとの18禁ノベルゲームをSwitchに移植したもの。もとは2017年から2020年にかけて発売されていた4部作シリーズだけどSwitch版は全部ひとまとめになっている。
  • 夏休みの間なんかSwitchでやるゲームないかなと思って買った。5000円くらい。プレイ時間は多分25時間くらい。
  • 主人公にボイスがあるギャルゲーはそれだけでプラスの評価をしたくなる。
  • あまり真新しいストーリー展開とかはないし、バトル描写もなんかすごい力が覚醒して勝ちって展開ばっかりなんだけど、にもかかわらず楽しく読めた。並行世界の話とかプレイヤーの介入とか手垢がつきまくっている展開なはずなのに内心盛り上がってしまったし。気軽に楽しめるまさにライトノベルという感じ。
  • 4章の中盤、敵側もオーバーロードを使ってやりたい放題やってくる絶望感。これどうすんの?って思っちゃった。
  • 実妹ヒロインの天(と書いてソラと読む)が好き。どのルートでも見られる、翔とのおちゃらけたやり取りが楽しい。こういうヒロイン好きなんだよな。古いけど「それ散る」の雪村みたいな。二人のやり取りはボイスを最後まで聞くことが多かった。
    • 4つのルートで一番好きなのも天のルート。ストーリー自体は「ヒロインと過ごした記憶が謎の現象のせいで失われてしまう」という、これまたありがちといえばありがちなものだけど、普段おどけている天がつらそうにしていたりしおらしくしていたりする姿がかわいいから気にならなかった。ギャルゲーなんだからかわいいヒロインをかわいく魅せることができればあとはどうでもいいよなと思ってしまった。投げやりな気持ちで本心を明かす天にガチギレする翔のかっこよさとか(ここの選択肢は結構悩んでしまった)、寝顔を取られていることに気付いた翔の「お前、気持ち悪いな…」からいつものおちゃらけたやり取りが始まる展開にちょっと感動してしまったのもあった。
      • Switch版なので当然エロシーンはないけど、正直「エロシーンみたいな……」って思った。せっかく分割作品なんだしこのルートだけ買うか。
        • エロシーンが見たいというのは二人のやり取りが知りたいからってのが一番だけど、Switch版だといつ翔が天の気持ちを受け入れたのかが不明瞭だったからってのもある。たぶんカットされたシーンで受け入れているのだろう。
  • サブキャラクターだけど厨二キャラの蓮夜が好き。言い回しが芝居がかっていて大げさな割に普段の立ち振る舞いが小市民で、男性キャラだけどかわいらしい。与一に対する一方的で報われない友情もいい。
  • 最後のルートが1章の派生っていうのも好き。都ルートはまだ導入だからってのを差し引いたとしても何も解決してなさすぎて不憫だったので。後で知ったんだけどこのルートと各ルートの後日談は全年齢版の追加エピソードらしい。
  • システム面で不満が多かった。
    • 立ち絵の演出自体はかわいいけどこれをスキップできないのでテンポがとても悪い。オーバーロード発動時やソフィ出現時の演出も飛ばせない。
    • バックログが一度に3行しか表示されないので見づらい。
    • 青地に白文字は正直見づらい。設定で変えることもできなかった。ウィンドウの背景色は他に白を選べるけど、白地に白文字ってもっと見づらい。
    • あるキャラのボイスはうるさいけど別のキャラのボイスは全然聞こえない・・・みたいのが多かった。個別で指定できればよかったのに。
    • オーバーロードの力でフローチャートが見られるんだから、クリア後は実際にこれを使って自由に読み返しができたらよかった。
  • ストーリーに期待して買ったゲームだけどストーリー以上にキャラ、特に天がかわいくて、この1点だけでおおむね満足してしまった。長らくギャルゲーの評価要素としてストーリーに一番の重きを置いていたけど、キャラだよな、ギャルゲーなんだから。
    • 18禁ゲーム原作の全年齢移植作を買って「このキャラのエロシーン見たかったなあ」って本気で思ったのもこれが初めてかもしれない。もっとも、携帯ゲームの「どこでもできる」「寝っ転がってできる」という圧倒的な利便性との天秤ではあるけど。

20230817追記

  • 18禁要素が見たくて、天ルートが収録されている第2章「そらいろ そらうた そらのおと」を追加で3000円払ってプレイした。DMM Game Playerでやった。全年齢対象版をやってから18禁版を買うのって初めてだな。
  • Switch版で抱いていたシステム面に対する不満の多くが、オリジナルのPC版にはなかった。バックログは5行表示、立ち絵演出は飛ばせて、ボイスは個別に設定可能。たぶんSteam版もこのあたりはちゃんとしてて、家庭用ゲームのSwitch版だけが変なんだろうな。
  • 天のエロシーンはギャグ多めで楽しい。こういうのが見たかった。
    • 特にグッドエンドルートの1回目のエロシーンが好き。感想ブログなどで話には聞いていたけど本当に紙袋かぶってくるのか。
    • ギャグ多めのエロシーンは抜くのには使いづらいと思うけど、抜きゲー以外のエロゲーで抜くことが僕は皆無なのでそれは全然よかった。
    • バッドエンドルートのエロシーンはさすがにギャグ要素皆無だけどこれはこれで。
    • あと驚いたのが、このゲーム、エロシーンで動くんだなってこと。
  • このルートだけだと、まだ翔は天を女性として受け入れる覚悟はできていないようだった。天の方が誘惑してきたからとはいえこのままだと不誠実な感じがするので、Switch版のエピローグは必要だなって思った。