不倫発覚0日目①

不倫発覚0日目②

 

【不倫発覚の夜】



息苦しそうに、か細い声で
『お願い…座ってほしい…』と言う夫。



私はもう話すことはなかったので、その場に立ったまま、夫を見下ろしていた。


夫『…ごめん。待ってほしい…』
私『何を待つの?』



…沈黙。




私『何?私は今はもう何も話すことない。』

 

冷たく言い放つ。

 



夫『…あの…これは浮気とは関係ないんだけど…


俺、うつ病でずっと病院行ってて。


だから今KIRIちゃんに、触らないでなんて言われたらもう…
どうしたらいいか分からなくなってしまう。

だからお願い、座ってほしいです…』




絞り出すような声で言われて、私は仕方なく椅子に座った。

座った、けど。



うつ病と聞かされても、頭も心も全然動かない。

うつ病って言っても、症状も段階も色々あるし、それだけ言われても…と思った。


でも、どんな状態なの?なんて優しく聞けるほど、人間できてない。

冷たい目で夫を見つめながら、夫の次の言葉を待った。



無言のまま向き合って座って、どれくらい経ったかな。

10分くらいかな?
もっと短かったかもしれない。
 





息苦しそうに肩で呼吸していた夫が次第に落ち着き

『ごめん。もう大丈夫。ごめんね。』

と言われたので、私は何も言わずに1人、寝室へと上がっていった。




当然眠れるはずもなく、布団に横になり、うつ病についてスマホで検索する。

 




思い当たることはたくさんあった。

 


「うつ病の人は一人になりたいと強く思う」と書いてある記事を見て、思い出す。

 




半年ほど前、いいヘッドフォンが欲しい、と購入した夫。

周囲の音が聞こえなくなる機能の付いたものを買っていた。

仕事中にこれしようかな、と言ってた。




休みの日も、ひたすら昼寝をしたり、夜眠れないと言っていたり。

スマホで動画を見たり、ネットサーフィンしたりする時間も、どんどん長くなっていった。



私はそれを、家族に興味がなくなったんだと思っていた。





でも。

病気の症状だったのかも、しれない。


いつからなのかとか、もっと詳しく夫に聞かないと分からないけど。



一人で出かけてくる、と言い出せない夫にとって

 

ヘッドフォンをしてスマホを見ている時間は、自分を保つために必要なことだったのかもしれない。



でも、私はそれを、家族に対する拒絶なのだと受け取った。



それならもういい、と勝手に拗ねて、私だって大変だ!アピールばかりしていたように思う。

ものすごく居心地が悪かったと思う。



うつ病の人は性欲がなくなる、という情報もあった。


一方で、うつ病の人は不倫に走りやすい、という記事もあった。

 


あくまでネット上の情報で、みんながみんなそうではないと思うし、その信憑性は、わからないけど。



病気で、自分の存在を否定して苦しくて、そんなときに男として自分を求められたらなびいてしまう。

恋愛をすることで快楽ホルモンが出て、一時的にうつがおさまる。


…そんな内容だった。




夫は不倫をするような人ではないと、私は思ってた。



どうでもいい相手に言い寄られて、浮かれて過ちを犯しちゃうような人じゃない、と。

本当に大事なものが何か、ちゃんとわかっている人だと。

そんなところを尊敬していたし、大好きだった。

 

 

 

(私は夫と付き合う数年前、セフレが何人かいた時期がある。

当時は無自覚やったけど、女として求められることに価値を感じてたんやろうねー。

 

夫と出会ったのは、それが落ち着いて1年くらい経った頃。

 

なんでもベラベラ話す私は、当時同僚だった夫にもそんな自分の過去を話してた。

 

この人は言い寄られて浮かれちゃうような人じゃないなっていうのは、そんな会話の中で感じてたこと。)

 





そんな風に思っていた自分がバカみたいだ、と最初は思った。




夫は浮気をするような人だったんだ…

そんな人を信じて大好きでいたなんて、情けない…


と思った。





でも、少し頭が冷静になってみると



本来はそんなことするはずのない夫が、そこまで弱っていた。

そしてそれを、こうなるまで私に言うこともできず苦しんでいた。

夫のことを見ていなかったのは、私の方…??





そんな気持ちになってきた。





…いや、本当は気が付いていた。




夫が仕事でひどく疲弊していること。


大好きなはずの子どもたちとの時間も、楽しく過ごせないほどになっていること。


分かっていた、のに。
夫の弱さを許さなかったのは、私。

 

向き合わなかったのは私。



お互いに、お互いを見れなくなっていた。





そんなむなしさを、私は、他のことで紛らわしてた。

 

子育てをしながら、好きなことをしてきた。

 

ハンドメイド作家をしてみたり、もともと持ってたスピリチュアル系の力を使ってブログを書いて、セッションしたりセミナーしたり。




私はたまたま、世間的には悪とされない方法で、そのむなしさを埋めることができた。

 

夫と向き合うことから逃げることができた。


夫にとっては、たまたま、やり場のない気持ちの逃げ道が不倫だった。





きっと夫は、ここまでの事態にならなければ、自分の病気のことを私に打ち明けられなかっただろう。


そう思うと、今回私に起こったことは全て必然なのかと思えた。


私たち夫婦にとって、いや、私にとって、必要なことだったんだと思った。



居心地の悪さをごまかして生活していたのは、私も同じだった。


とはいえ。

楽しい時間だってもちろんあった。



週末になると、庭で、家にあるものを七輪で焼きながら、お昼過ぎから一緒にビールを飲んだ。

3ヶ月前に次男も生まれた。

幸せだと、私は思ってた。




でも。



毎日、今日も幸せだった!!と思って眠りについていたかといわれると、決してそうではなかった。



そんなの全員そうでしょ、と言われればそうなのかもしれないけど。



そんな風に生きていきたいと強く思いながら、そうではない現実を、見て見ぬふりをしていた。



そう思うと今回の出来事は、私がこれまで自分をごまかしてきたから、

 

そうじゃないよ!ここらへんで軌道修正するんだよ!

 

って、人生のテコ入れが入っただけかもしれないと思えた。



そして今この瞬間も、私はただ、さらなる幸せに向かって歩いてるんだ。

 

闇に落ちた、という感覚はなく。

 

 

 

 

 

 

それでも私は、今この瞬間も、私が心から望んでた日々へと向かってるんだ。

 

 


まだ頭も心も混乱している中で、そんな確かな感覚があった。





もうすこし、悲しみに浸っててもいいんじゃないの!?と思う私もいるんだけど。




不倫されたから不幸、なんじゃない。
離婚することが不幸、なんじゃない。


自分が自分を不幸だと思うから不幸になるだけ。

 

もっと言うなら、自分を不幸だと思っていたって、いい。

それすらも、幸せへと向かう道。



現実がどうあっても、私は、幸せにしかならないんだ。

私が、私を幸せにするんだ。


.…そう、思った。


その考え方は、これまで私が、自分のスピリチュアル能力を活かして人の話を聞いていく中で学んだ、心のしくみのこと、この世界がどう作られているのかという話からきてる。


そうやってここ5年ほどかけて学んできたことが、こんな形で今、私を支えてくれるのか、と思った。


そして私がそんな経験をしてこられたのは、紛れもなく、夫のおかげなんだ。


夫が、私が安心して好きなことをできる基盤を整えてくれていたから。


自分を壊してまで、家族がなんの心配もなく好きなことをして暮らせる安心を与えてくれていたから。




そんなことを考えていると、一階から、ガタン!と大きな音が聞こえてきた。




**************

 

ハイどうも。

2021年きりです♡

 

今これを改めて読んで、不倫発覚の夜にこれ思ってたん!?って自分でびっくりしたわ(笑)

 

発覚から3日後くらいに、このブログのもとになる文章をワードにぶわーっと書いたんよね。

 

書かずにいられなかったのと、今後の何かの証拠的なものになるかも、っていう気持ちから。

 

 

 

なのでこれは、後から振り返って思ったことではなくて

 

ほんとにこの発覚の日の夜に一人布団の中で考えたことなんよねー。

 

 

 

発覚後すぐに、こんなに自分とこれまでを俯瞰してる私がいたのは、

それまでに自分を俯瞰するっていうことをずっとやってきてたからやと思う。

 

 

その訓練を、何年もかけてじわじわとやってたんよね。

 

 

ただそれを、夫に対して感じるモヤッとしたものに対してやってこなかった。

 

いや、やってるフリをしてごまかしてた。

 

 

 

その結果、お互いに心の底を見せられないまま、幸せっぽい夫婦のカタチ、家族のカタチを維持するのに精いっぱいで

 

他に逃げ道を作ってまでそのカタチを維持しようとして

 

ドッカーーーーン!!!

 

 

 

 

 

今、向き合うことから逃げてるなーって思い当たる何かがある人はぜひ、早いうちに向き合っておきましょー♡

 

逃げてるとね、終わらないよ。

向き合えば、終わらせることができるよ。

 

自分の力で。

 

 

 

 

そしてそれが、自分の自信になっていく。

これからの自分を、支えてくれる。

 

だから大丈夫。

 

 

 

 

この時の私が、過去の私に支えられたように。

 

今の私が、この時の私に支えられているように。

 

 

 

 

先のことが不安で、今、自分の心を優先できない人もいるかもしれない。

 

 

でも

 

あなたの力は絶対、そんなもんじゃないから。

 

大丈夫。

 

 

 

今自信がないのは、それはそれでそのまんま受け止めよう。

 

 

その上で

 

それでも自分の力を信じて行動して

 

大丈夫、を体験して。

 

 

 

その先に

 

今より自信に満ちあふれた自分がいるから。

 

 

 

 

まずは、信じてみるところから。

 

私はこんなもんじゃない。

 

そう、つぶやいてみるところから。

 

 

 

 

ね♡