『本の寺子屋~「日本の中の塩尻ワイン」』報告その3 ~塩尻ワイン愛は折れた翼の特効薬 | 日本ワインに首ったけ♪

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ノンフィクション作家兼イラストエッセイストしどせんしゅうの日本ワイン界探検記

秋分の日を迎え
益々パワーがみなぎる流れの中

さて、
『本の寺子屋~「日本の中の塩尻ワイン」』報告
その2からの続きです。

 

この9月6日日曜日

塩尻市市民交流センターえんぱーくにて


トークイベント

『本の寺子屋~「日本の中の塩尻ワイン」』

が行われました。


(読売新聞の柳沢さんいつもありがとうございます。
ちなみにナイヤコンコ※

(※…昔から塩尻で愛されている

ブドウ品種のナイヤガラとコンコード)

については
相~当暑苦しく語らせていただきました(^^)v)



(こちらは市民タイムスさんの記事で、
島根ワイナリーの紹介をしているワンシーン)


大変立派な広い会場で非常に驚きましたが💦


いらしていただきました皆さん
本当にありがとうございました✨


(ソルティヒップの臼井さんや
カナオジ藤木さん
ワイン仲間の井上さんご夫婦もいらしてて
大変心強かったですm(__)m)



今回は
元志學館高校の栽培醸造を指導されてらして

 

三年間塩尻ファームにおいて

栽培のご指導をいただいた


現ドメーヌ・スリエの

高山秀士先生とのトークショーなので…


事前取材でドメーヌ・スリエに伺い

カッパをお供に打ち合わせ。


ドメーヌ・スリエの親会社となる塩尻建友は
2013年に市内の遊休農地を再生し、
ブドウ栽培をスタートさせ2019年にワイナリー設立。

現在我々がメルローの栽培をはじめた塩尻ファームを含む
塩尻市内に8カ所(計約3ヘクタール)の農地があり
メルロー、マスカットベーリーA 、シャルドネ 、
コンコード 、ナイアガラなどが育っています。



とてもコンパクトにまとめられたワイナリー設備で
高山先生にとっても使い勝手が良いそう

小型のタンクが中心なのも
畑ごとエリアごとの仕込みをするため。

高山先生曰く
天井が高く圧迫感がないのが
気に入っているとのこと。

ちなみにsourie は フランス語で笑顔という意味で…

高山先生が作るお米を使った
米粉専門べーカリーも併設していて
その美味しさが評判となり
地元でもなかなか買えないパン屋として
話題騒然

中でも贅沢にも
シャインマスカット丸ごと使った
干しブドウの
幻のパンが大人気なのだそう。

地元の食材で造られたパンとワインで
皆を笑顔にするワイナリーです✨

さて、その高山先生のワインなんですが…


この日私は

我々が植えたメルローは

まだ安曇野ワイナリーでの委託の物だとのことなので

 

高山先生が

かつて国産ワインコンクールだった時代の

日本ワインコンクールで志學館高校の名で

初入賞を果たしたことから思い入れが深いという
ベーリーAをゲットして帰りました。

 

そして家で飲んだところ…

うわぁぁぁぁぁΣ(゚∀゚ノ)

 

なんぢゃこりゃ!!

なんだこれは!!
 

なんですかこれは!!

 

いや、この香り、味わい…

 

力強さと繊細さの絶妙なバランスといい

ワインとしての充実感といい…

 

しど史上ここ数年飲んだ

ナンバーワンベーリーA

と言っても
 

過言ではない最強のベーリーAです!!

 

ヒデシーーーーー( ノД`)

凄いよヒデシーーーーーー( ノД`)

 

実は以前
 

他所のワイナリーのワインに鬼のように厳しい

とあるワイナリーの営業の方から

「ドメーヌ・スリエの

ナイヤコンコが
ビックリするほど旨い!」

 

と、聞いておりました。

 

ある都内のイベントで

たまたま高山先生のブースと隣になり

飲ませていただいたそうですが

 

なかなかそこまでワインを褒めないその方が
そこまで言うとはどんなワインだ?と
思っていましたが…

いや、こりゃスゴイっ!!

 

40年間実直に生徒たちと共に

ブドウに向き合ってきた高山先生の

醸造の腕は伊達じゃない!

これはナイヤコンコも楽しみだ\(^o^)/✨

そんな訳でワクワクしながら6日を迎え塩尻入り。
 

塩尻駅はワインの町らしく
ホームにこんな施しがされておりますが…


ここに来たらお約束の

日本で唯一のホームのぶどう畑もしっかりチェック。



実はこちらのブドウ、

市制60周年を記念し

ドメーヌ・スリエで醸造したワインとして
この11月に発売されます。
 

詳しくはこちらの市民タイムスさんの

記事にて確認

 

↓↓↓

塩尻駅産のワイン完成、11月に発売

少しお高いですが

確実に美味しいワインとなっているはず!

塩尻ワインファンなら

記念にゲットしたい一本ですね(^^)v


(塩尻の小口市長とワイン)

さてさて、今回はサポート役に

湘南日本ワイン爆走族の

旗持ちミカリンが駆けつけてくれたので

トークイベント前にサクッといつもの駅前の
フォンタナーナ・デル・ヴィーノでランチ。

野中シェフの絶品料理と

塩尻ワインが堪能できる最高のお店で
ここに寄らずして塩尻からは帰れないと思う

愛すべきお店のひとつです。

塩尻のワイナリー各種のワインが
グラスでいつでも気軽に

飲めるところも嬉しいですね✨


実は前回の塩尻取材後に
カッパと来店しようと

店の前にたたずんでいたところ、

 

すぐに(ベレー帽で)私と気づいて

外にまで駆けつけてきてくださった

野中シェフには感動しました✨

 

(フォンターナの野中さんと元フォンタナのカッパシェフ)

しかもたまたまバッタリ
サンサンワイナリーの戸川さんとも遭遇し

その日塩尻で共通の話題となっていた
シャルドネは塩尻の地に合うのかどうかのお話も
ちゃっかり聞かせていただきました。

(結果、4社共に自社管理の畑なら大丈夫だけど
農家さんに任せるには安定しにくい品種との結論)

流石はワインの町塩尻!

至る所でワイン関係者と自然に遭遇します✨

私、確実に湘南よりも塩尻や甲府の方が

知り合い遭遇率高いです(゜-゜)💦



そんな訳で

ランチを慌ててかっ込んで

塩尻図書館の皆さんに迎えられてえんぱーくへ

さっそく会場で打ち合わせ


旗持ちミカリンには
本の販売のお手伝いをしていただき

本当に本当に助かりました✨

スペシャルサンクスミカリン!

(ミカリン日本ワイン西遊記孫悟空エヂィ江島をハガイヂメの図)


本番では高山先生からの
ドメーヌ・スリエの成り立ちと

私からの地図を用いながら
日本各地の産地の説明をするつもりが…

写真と地図のタイミングがうまく合わず中途半端に💦

北海道の最北端の畑
「森臥」さんの栽培の苦労話や…

高山村の地域をワイン産地に育てる動きや

塩尻ワイン大学の話なども絡めつつ…

マンズワイン勝沼の新たな
甲州とベーリーAへの取り組み…

そして昨年その山梨を抑えて
日本ワインコンクールで
部門最高賞を受賞した甲州を生み出した
島根ワイナリーの甲州の話などをしつつ…
(上記市民タイムスさんの記事のシーン)

あっ、肝心の九州の写真がないぞと慌てながらも

ここで普通に普通の参加者としていらしていた

客席の五一わいんの醸造責任者

添川さんに無茶ぶり!!

今年の春ようやく商品化されて
ワイナリー限定で発売された
五一の甲州について聞かせていただきました。


今まで長野で商品化されている甲州は
はすみふぁーむの「信州の甲州」だけでしたが

最近温暖化が進み
長野でも甲州の可能性が見えてきた様子

五一わいんでもいろいろと栽培の工夫を重ね、
安定した甲州のワインが造られはじめた模様

最北端は山形月山ワイン

最南端は宮崎の都農ワイン

 

日本各地での甲州のこれからに

注目したいという話と共に…

 

塩尻で昔から愛されてきた品種といえば

龍眼そしてナイヤガラとコンコード

秀逸なメルローやシャルドネを生み出す

塩尻の城戸わいなりーの城戸さんも

最期に飲みたいワインは

 

ブルゴーニュの有名なワインでも
ボルドーの名だたるワインでもなく
 

この地でブドウを育ててきた証として

ナイヤガラであると話してくれたお話や…


このコロナの状況下でも

アルプスワインは家飲み用の

ナイヤコンコのワインが非常に売れていると

話されていたアルプスワインの話などしつつ…

 

湘南で行われた

全国のワイナリーが集まったワインイベントで
 

あるフレンチのシェフが

いろいろなワインを試し

多くの名だたるワインが並ぶ中、

 

最後に一枚100円のチケットが余り、

それで買えるワインとして選んできた

一本1000円前後の井筒ワインの

ナイヤガラがあまりに秀逸で
 

その日最高のワインとして賞賛したこと…
(上記読売新聞さんの記事のスピソード)

そして高山先生とのナイヤコンコ談義で
ありとあらゆるナイヤコンコ話を語り…

そして時折
添川さんに無茶ぶり(≧▽≦)

ヤイヤコンコは年々農家さんの高齢化が進み
食用でもシャインマスカットなどに

切り替えが進む中
 

新たに立ち上げる新規ワイナリーでも

植えられることはほぼ皆無であることから
守るべき品種として語り継いで行きたいという流れに

いやぁ、ここまでナイヤコンコについて
熱く語ったことがあるかと思うがごとく

ナイヤコンコを守る会&推進普及委員会代表のごとく

暑苦しくナイヤコンコについて
語らせていただきました。


高山先生の志學館高校のフランス研修のエピソードや
長い栽培人生等々深いお話もあり…

お勧めのワインやワイナリー話などもあり…

(私はここで忖度やサクラではなく本気で
ドメーヌ・スリエのベーリーAと力説!)

テーマの「日本の中の塩尻ワイン」とは
ちょっと離れた流れとなってしまいましたが

ほぼイキアタリバッタリで
流れに任せて話していたので許してください💦
 

という感じで…

とにかく高山先生と

五一の添川さんに救われました(≧▽≦)

(帽子とマスク姿でどこにいるのか分からなかった添川さんと

塩尻観光ガイドの八幡さん(中央)と)

添川さん、この本には載ってないのに
(五一は桔梗ヶ原メルローのお話中心で
林幹雄社長のインタビューなので)
大活躍してくださってありがとうございました✨

 

今度は五一わいんに

添川伝説を聞きにいかないと!!

そして今回のお話のために
約一年に渡りスケジュール等の
やり取りをしてくださった塩尻図書館の藤牧さん
司会進行を務めてくださった宇治橋さん
館長の上條さん

橋渡しになっていただいた
塩尻観光協会の小嶋さん

本当にお世話になりましたm(__)m

そして打ち上げは
塩尻で塩尻ワインを飲みながら
美味しい塩尻を丸ごと味わうといえばここ!

ラ・メゾン・グルマンディーズ


私がトモリンと呼ばせていただいている
親愛なる友森シェフが造るのは


塩尻産の食材にこだわった
塩尻キュイジーヌ

広島出身で横浜経由で塩尻にきて
この地の野菜のレベルの高さに惚れ込んで
住み着いてしまっただけあって

その徹底した塩尻料理は
当然その地で育ったブドウで造られる

塩尻ワインと相性抜群!

ワインはやはりその地域に行って、
その地域の食材と味わうのが一番✨

そんな中このコロナの影響下でも

やれることをひとつひとつ形にして
積極的に動き続けたトモリンの活躍を
Facebookで見守り続けた私は

その尊敬に値する料理人としての姿勢に
コロナじゃなければ思いっきりハグしたいくらい
トモリンとの再会が嬉しかったのです

かつてはKT浅井とも何度も来たこの場所…


本当は出版記念イベントを
開催する予定だったものの
残念ながら中止となりましたが

少人数だけでトモリンの料理を
味わえる贅沢は何にも代えがたい幸せです✨

ワインはもちろんドメーヌ・スリエのもの

まずは今日散々トークイベント中も
盛り上がったナイヤガラ!

を、採れ立てコーンポタージュに合わせて悶絶!!

もうね、コーン丸ごとかじってるみたいでねっっ

そこにスッキリとしたナイヤガラが組み合わさって
甘さが際立ち歓喜あげまくりっ

そしてトモリン自慢の塩尻料理が続き…

皆さんあまりの美味しさに唸りまくります


そしてこちらのコンコード甘口…

用意されていたコンコードが甘口と聞いた時、

高山先生も我々も

「え、料理には辛口の方がいいのでは?」


と、

素直に口に出したのですが…

「甘口でいいんです。

塩尻で一番愛されている
このワインに

合う料理が作れなければ
塩尻でシェフをやっている
意味がありません!」


と、

トモリン言い切ったー(≧▽≦)

いや、この甘口コンコードがまた
甘さスッキリでまた素晴らしいっっ
 

たまらないっ
これはたまらないっっ

これぞ
塩尻キュイジーヌ!!


そしてまたあまりの美味しさに唸る皆さん


そしていよいよ出ました
高山先生のベーリーA!!

高山先生としても気合の入った

私が個人的に近年ナンバーワンと力説する
とんでもないベーリーAです✨

もう、飲んだ瞬間から

ヒデシーーーー💓(≧∇≦)!!

 

です。

皆さんも
この香りこの濃厚さ
このバランスにゾッコンです✨


昨年の年末
その年の日本ワインコンクールで
甲州で部門最高金賞を獲得した
島根ワイナリーの皆さんと

今度はベーリーAで金賞獲ろう!と

話しておりましたがーー

今年の日本ワインコンクールがもし開かれていて
このベーリーAが出ていたら

銅賞どころか
金賞いっちゃってたのでは??


話題は塩尻のワイン事情から観光等々…

 

ありとあらゆる話に塩尻愛に満ちた

皆さんの本音が炸裂


これほどまでに塩尻に熱い夜があるか!というほど

実は高山先生…

最近胃のご病気で入退院を繰り返していらして

食事がまともに食べられず
お昼もウィダーインゼリーで済ませ

お酒も飲めない状態だとお聞きしていたのですが…

前回ワイナリーを訪問した際

「今日は飲めないけど、
次回はできたら一緒に飲もうなっ」


と、送り出してくれたので
この日ご一緒できることを楽しみにしていましたが…

正直料理もワインも飲めないんだろうな…と
思っていましたがーー

 

この日は見事に料理もワインも
いつの間にかペロリと平らげてましたーー( ゚Д゚)!!


ヒデシが食べたーーー( ノД`)

と、

クララが立ったーーくらいの勢いで
胸が熱くなりました✨

それだけ高山先生にとっても
楽しく美味しく嬉しい夜であったのだな

と…

感じることができて感無量です✨

友森シェフ、
本当に素敵な会をありがとうございました。

いつ来ても塩尻の素晴らしさを
伝えてくださる本当に素敵なお店です✨


その後二次会はやはりこちら


2017年よりいにしぇの里葡萄酒をスタートした
稲垣さんのお店

ブラッスリーのでVin


です。

もう、フォンターナ、トモリン、のでVinの三件は
塩尻に来たならば必ず顔を出さずには
いられない鉄板の塩尻ワインのお店です。

三件共にそらしどワッペンの協力店にも
なってくださっております✨


 

この日も稲垣さんのワインを飲みながら

稲垣さんとピノ・ノワール談義をしつつ

スクリーンに映し出された
宮崎の台風の様子を気にしながら

打倒山梨!を謳う都農ワイナリーの話をしつつ

ちょうど今日のテーマが
「日本の中の塩尻ワイン」ということもあり


台風が年に100回以上も当たり前に来るという

厳しい環境の中で
都農ワイナリーは素晴らしいワインを
生み出すのだから
長野が環境のせいとか言ってられないという
話などしつつ…

とことん熱い熱い塩尻の一日が終わりました

 

って。

いい加減長すぎだろと思うかもしれませんがーー

 

まだ終わらないんですよ

 

塩尻ワイン愛を語るには!!

 

もうひとつはずせないこの場所が!!

翌朝朝食を食べに行ったこちら

ほっとしてざわ塩尻駅前店
 

塩尻駅の階段を降りるとまっすぐそこにあるお店


よくツーリズムの後に寄って

店名通りほっと一息する憩いのお店なんですが…

ここでね
山賊焼きの乗った蕎麦と漬物にね

信濃ワインのキンキンに冷えた
甘口コンコードを合わせるのが

何よりも塩尻らしいんです✨

もうこれぞ

THE塩尻!!

ここでもよくKT浅井と蕎麦を頼んで

お疲れのビールを乾杯したなぁ思い出し…

なんだかもう、

塩尻があまりに私に優しくて…

思わず店主さんにお声がけして

塩尻ワインの文化が
まさにここにある!
店名通り心からほっとする


と、

力説しながら少しウルッと来た自分

若干驚かれながら

 

「まぁ、ここは駅から近いんで

ゆっくりできるっておっしゃってくれますよね」

 

はにかみながら、
答えていただきました。

コロナで仕事がストップし

何ヶ月も行動を制御され


皆の為にと誠意ある対応を求め
実直に向き合って欲しいと伝え続けても
想いが通じない悲しい存在と

共に戦ってきた
大切な相棒の死を目の当たりにし…

苦しいことばかりの日本ワインの世界で
これだけ苦しんで傷ついて

なんの意味があるのだろう…



途方に暮れることもあったけど…


塩尻がとても優しく私を迎えてくれて…

本当に優しく包んでくれて…

偶然にも
ドメーヌ・スリエのパンフレットに
使われていたこの写真に





大丈夫

私の役割はここにある


と、

塩尻は改めて

私に強さと勇気を与えてくれました。

ありがとう塩尻

ありがとう塩尻ワイン



この直後

念願の企画が決まり

それが自分が思っていた以上の
まさかの展開に動き出し

自分が長年日本ワインを追いかけてきて
本当に望んでいたことを
叶える流れが生まれてきました。

私は今また
 

大きな夢を叶えるため

大切な日本ワインを伝えるために

ブドウ畑を駆け回っています。



 

全国各地日本のワイナリーを駆け回り
改めて勝沼と並ぶ私の原点
 
「日本の中の塩尻ワイン」
 
を見つめさせていただいたこの機会は
私にとって本当に大きな収穫となりました。
 
地の時代から風の時代へ
 
もう私は自分を犠牲にしたりしない。
不毛な存在に振り回されることもない。
 
さあ、新たに始まった
プロジェクトの成功に向けて
 
私らしくしっかりと突っ走ります(^O^)/✨