みなさま
令和六年、2024年の年頭にあたり
謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
そしてこの度能登半島地震で被災されたみなさまに心からお見舞い申し上げます。
今年は辰年です。
だからというわけではないのでしょうが、世界的閉塞感のうっぷんを晴らすかのような暴挙
能登半島を中心にして地面が揺れ、海水が迫り、めでたいお屠蘇気分も一蹴されてしまいました…
自然は人の都合なんて考えてくれないとはいえ、正月でくつろいでいたであろう人々のハレの気分を黒く塗りつぶして、築いてきた日常や隣にいた人を根こそぎ力づくで奪うなんて、、、
あまりにも無情です。
私は昼過ぎから床に体育座りして漫画に没頭していました。ヤマシタトモコさんの「さんかく窓の外側は夜」全10巻の真ん中あたり。
年末に新聞のコラムで「違国日記」という漫画が紹介されていて、興味を持って、この人の作品を読んでみたいと思ったのです。
私は知らなかったのですが、さんかく窓は5年くらい前に岡田将生、志尊淳、平手友梨奈というキャストで映画化もされていたようですね。違国のほうもその予定みたいです。
イケメン枠の俳優を当ててもいるので、キャラの絵柄やストーリーに不安を残しつつも期待は高まり、まずはこれから、と
年末にフリマサイトで全巻購入していました。
オカルトテイストなのですが、少女漫画らしさを保ったところに安心して読みはじめました。
ところが、
けっこうのっけから、なんだこれはBLか?
というくらい直接描写がないのに
エ、エロい。
宇多田ヒカルの『俺の彼女』の歌詞に通じる感覚で体温上がるのを感じてました。
カラダより もっと奥に 招きたい招きたい
カラダより もっと奥に 触りたい触りたい♪
主人公冷川(ヒヤカワ)の掴みどころのない天然ダークキャラがツボすぎて、バディとなる三角(ミカド)の無自覚な純粋さも親鳥本能みたいなところを刺激してくるしで、その世界にどんどん没入していたところでした。
なんか膝頭が揺れてるような気が…
これは何事?と自分の中からきているのかどうか、神経を研ぎ澄ませてみると
違う
と分かった瞬間、来るのか?と心臓がバクつきました。部屋の中が薄く揺れ続け
テレビをつけたら、北陸がやられたようで、津波に備えて避難を強い口調で繰り返し促していました。
私の住まいが4階だったから多少揺れたのでしょう、普通に動いていたら感じなかったくらいのレベルで、その後がなかったから自分の近辺に関しては一応ほっとしました。久しぶりの緊迫感は解けても、油断は禁物です。
振り返ったら北陸も近年結構地震が起きていたんですよね
当地でも、十年?くらい前に大きくはないけど揺れが続いたことあります。
夜中が多くて、あのときみたいに来ないでよ、と祈るような気持ちで身構えてやり過ごしてました。
阪神淡路のあのときは両親と同居する二階の部屋で本棚が倒れそうになって、でも避難もしないでそれを押さえてました。家が壊れるなんて考えもなかったし危機感も全然ぬるかった。揺れが収まったらまた寝たくらいです。
それが起きてみたら神戸の方が…
今は揺れを感じたらビクビクもんですが
休みということもあり、テレビはつけっぱなしでずっとNHKに合わせていました。
やがて日没となり暗くてよく分からないけど、震度7は相当だと思うし、古い木造家屋が建ち並んでいるだろうから倒壊してるのも相当あるのではと気が気ではなかったのですが、だからと言って何かできるわけでもなく、テレビの音を小さくして、漫画を読み続けました。
自分は日常を送れているのだから、ありがたく享受しよう。それだって何の保証もなくて、明日は我が身かもしれないし
"うしろめたさ"を感じながらでいいやん、の境地です。
「さんかく窓の外側は夜」はドロドロした中に救いがあり、細かなところでは消化不良もありましたが、結果この年明けに読んでよかったです。
「呪術廻戦」のようにハードでもなく、「鬼滅の刃」のように外連味もなく、ついでに言うとBL要素も薄れ、というか溶け込んでいき、人間味に溢れていました。良い意味でも悪い意味でも。
生きている者同士だけでなく、生者と死者も、身体のあるなしにかかわらず認め合い尊重することが大事であり、人を救うのはやっぱり人。愛と救済の物語りを読んで改めてそう思いました。
ふと現実に立ち戻ったとき
祈りたい…
古来、この国を護ってきたとされる八百万の神々に頭を垂れたい…
なぜか自然とそう思いました。
この何十年、初詣なんてしなかった私ですが、
地元で有名な大きな神社にお参りしようと決めてベッドに入りました。
とはいうものの、頭の中はぐるぐる状態でなかなか寝付けません。
夜中にU-NEXTでさんかく窓の映画を観ることにしたのですが、
へ?
てなりました。
漫画10巻分の尺と内容は、まだ連続ドラマだったらもっと深掘りもできたかもしれませんが…
原作の実写化って難しいですね。特に漫画からのいきなりの映画化は。。
じゃあ先に映像作品の方を観てたらそれなりに満足出来たかと言うと、それもどうかなあ…
と、これはあくまでも個人の感想です
アニメもあったので、今度はそれを観ようかと思います。こちらは原作を忠実に再現してくれてそう。
翌二日は
お天気がすごく良くて、冬の陽光を一身に浴びて歩いているとエネルギーがチャージされていくのを感じました。なんだろ、この高揚感はというくらいに
突如として牙を剥き人を翻弄し叩きのめすのも自然なら、ふくよかな懐に包み込んで力や安らぎを与えてくれるのも自然です。
人間は自然を超えたところで存在するなんてできない。つくづくそう思います。
さて
ご機嫌さんで神社に着いたはいいものの、想定外の長蛇の列に、えー!!
しかもほとんど進んでない。
揚々としていた意気が一気に萎んでしまいました。
その昔、友だちと二度ほどここに初詣したことありましたが、こんなに人は多くなかったし、並ばずとも山門くぐれました。何がどうなってこうなってるのか、さっぱりです。
しばし逡巡の挙句、私は回れ右をしました。
元々、何事においても
並んでまで…という気質
覚悟もっていたならまた違ったかもしれませんが…
よし、明日地元の氏神様にお参りだ!
と、気持ち切り替えました。
お宮参りもそこ、厄祓いもそこだったのだから、初めからそこにしとけば良かったのですが、ちょっと色気づいてしまったことを反省です。
駅前のデパートやショッピングビルの初売りを覗いたりして
夕方帰宅してテレビをつけると、、、
これは何?
飛行機?
旅客機が燃えてる?!
私が見た段階ではJAL機のほうは乗員乗客全員が脱出した模様と報道されてましたが、海保機の方は不明。
二日続けてのこの惨事に、ちょっと説明し難い気持ちになりました。
それからずっと暇さえあればテレビのニュースやYahooのニュース、YouTubeの動画を見ています。
気持ち引きずられるのが分かりながらやめられません。
初詣はもちろん行きました。
ニ礼 ニ拍手 一礼
不調法者は大人になってからようやく覚えた礼儀にのっとり、安寧を願いたいところぐっと抑えて、ただ無心に手を合わせました。
おみくじ引くと大吉でした。
渦を巻く 谷の小川の 丸木橋
渡る夕べの こゝち するかな
初めは危ない谷の小川の橋を渡るような心配事があるが驚き迷うことはありません。後には何も彼も平和に収まります。凡て小さい事も用心してすればよろしい
と解説されてました。
これは私ひとりのことではなく、年の初めに酷い目に遭いながらも命をつないでいる人々がいるこの国全体のことであってほしいと思いました。
世界に平和を、とやっぱり祈らずにはいられませんでした。
時間の経過とともに能登のほうが酷いことになっているのが徐々に映像で伝わってきました。どんな揺れだったのか、津波がどう襲ってきたのか、生々しい被害の様子は見ているだけで心身が強ばります。
余震が収まることなく避難されている方々は気の休まることもないでしょう。
そして二次災害に見舞われるかもしれない危険な状況で、務めを果たしている災害救助犬や、救助隊の背中にOSAKAや山口などの文字を認めると、何もできない私の分もよろしくお願いします、と神妙な気持ちになります。
リミットといわれる72時間を大きく過ぎても救助された方がいたということが、諦めてはいけないということだと思いました。一人でも多くの方が救出されてほしいです。
被災地では今雪が降っているところもあるようで、避難されている方々は寒さが堪えているでしょう。なんとか乗り切ってほしいです。
みなさん同じ気持ちだと思います。
支援物資をとにかく早く必要とされている方々の元に届けてほしいです。
阪神淡路でボランティアの認識が広まりましたが、東日本大震災や熊本地震、これらからの教訓が公的にはどれほど生かされているのでしょう。
ケースバイケースだとは思いますが、国や自治体はもっと災害時の具体的な対応策を十分練っておくべきだと思うのです。外患への対応も重要ですが、震災はより備えが求められる内憂であり、速やかな救助救援、長期の支援が必要とされる紛れもなく有事です。
今回ニュース映像を見ていると消防や警察は頑張ってくれていますが、
自衛隊は?
支援物資の搬送でちらっと見たくらいで、十分な力になってくれているのでしょうか
政府は自分たちの家がぐらついてて、それどころではないのでしょうか…
JAL機が衝突したのは支援物資の輸送を担っていた海上保安庁の機体で、すでに現地に一往復か二往復した後とのことでしたよね。この方たちも恐らく正月返上の出動で、今回の地震がなければ乗員5名の命が奪われることもなかった。
それを思うと本当にいたたまれないです。
こちらはどうもヒューマンエラーのようですが、誰かひとり、何かひとつが原因でひきおこされたものではないと思います。
二度と同じような事故を起こさないための原因究明とそれを生かした安全対策に徹してもらいたいです。
不幸中の幸いであったのが海外からも称賛されている"奇跡の脱出"ですが、その後乗客から提供された映像などを見ていると、私には日航機123便が蘇りました。
あの事故については乗客の遺品や機内の様子を映した写真でしか彼らの心境を推し量れませんが、同じ日航、それが頭をかすった人もいたのではないでしょうか。
日航はあの事故以来、徹底した訓練を乗務員たちに課してきたそうですね。今回乗客全員を避難誘導できたのは、そういう努力の賜物でもあったと思います。
また
いつ襲ってくるかもしれず、コントロールもできない地震や津波と共に生きてきた日本人であるなら、前日の地震のことも深層心理で作用した人が少なからずいたのではないでしょうか。
自然には逆らえない無力感。
空中にいた123便の乗客たちは運命を委ねるしかなかったけど、着陸後に炎をあげた飛行機なら逃げだせる可能性はまだある、無意識にもそんな認知が冷静さを生み乗客のパニックを和らげていたなら…
乗員と乗客がみんなで助かろうという気持ちになって、それぞれがとるべき行動をとって上手くいったようにも感じられるのです。
「日本人だから可能だった」というコメントを見たりしますが、私なりにそれは一理あると思います。
そしてこれは他の人もコメントに挙げていましたが、機内の動画を見て思ったことです。
CAさんのタイトスカートはキリッとして美しいのですが、立ち上がって歩き出したときバックスリットが割れるだけでなく、内布が当てられているのが見えました。膝周りを気にせず動けるようなデザインなのでしょう
こんな非常時には保安員となるのだから、制服はパンツスタイルでもいいのでは…
そんなふうに思いました。
そんな活躍をする機会がないのが一番なんですけど…
本当に新年早々、なんと言っていいやら…です。
今後も何が待ち受けているかわかりませんが、
どうぞ今年もよろしくお願いいたします。
個人が今出来ることといったら、やはり義援金ですよね。
シリアのときも私は直接大使館に送り、
今回もその方が回り道しなくていいかなと思いました。
あいも変わらずの長文に最後までお付き合いいただきありがとうございます😊