今回は品川女子学院です。
今のママ世代のイメージは、スポーツキャスターの八木沼純子さんや女優の広末涼子さんの出身校という感じが強いでしょうか。ただこの20年この学校の大きな改革の波は止まっていません。まだ今の品川女子学院をご存じでない方は、新鮮な目線でこの後の記事にお付き合いいただけたら幸いです。
学校説明会は
①学校の沿革・紹介 漆 紫穂子校長先生
②企業コラボにはじまるライフデザイン教育の具体例
③DVDによる学校紹介
④学習指導・進路・進学について
⑤入試変更等について
上記の流れで進められました。
冒頭の漆校長先生のお話では、「私教育に関わる者のMissionとして、公教育との違い(特に首都圏は違う)ことを広く知っていただくこと、今の時代だからこそ女子教育が必要」というお話がありました。ご自身も都立のトップ校のご出身なので、共学校・今変化を続ける中高一貫校の魅力もご存じの中での発言、非常に興味深いものです。
多くの私立学校が共学化を推進してきている流れの中、なぜ今女子教育が必要なのか。日本の総人口の減少、高齢化、年金問題という社会問題の解決策として、女性の社会進出が不可欠であるというのが根本にあります。今、子ども世代の減少を考えると仕事を持たない女性が今以上に積極的に社会に出ていく環境があれば、確かに高齢化社会を支えるひとつの大きな要因になるのでしょう。女性が活躍する社会。かつてとは働き方が異なってきているというお話もありました。
“しなやかに協調性を活かせる女性を育てたい”
それが、品川女子の
「28歳に向けたライフデザイン教育」
の根っこにあるようです。
多くの学校で、OGや著名人を招いての講演会をはじめとするキャリア教育が導入されています。でもそれだけでは、不十分というのが品川女子のスタンス。
中学3年生の総合学習での企業コラボレーション。導入して7年、大手企業の協力を得て、新商品の開発や広告制作など、実際の業務の流れに生徒たちも関わるのだそうです。その中では利潤だけでなく、その仕事に携わる人々の理念にも触れていくのでしょう。
また高校生には「起業体験プログラム」。文化祭の模擬店や飲食品・物品販売の事業を生徒たちの500円ずつの出資により、会社を設立・登記し、会社運営を体験するそうです。
「自分に何ができるか」、「社会で何が求められているか」を考える貴重な経験になるのでしょう。
生徒たちは、これらの体験の中から将来の自分、28歳の自分のビジョンを描き、そこから今やるべきこと、進学先を選択していくそうです。
○2013年の大学合格実績
東大1名・東工大1名・お茶の水1名・横浜市大2名・横浜国大1名・東京外語大1名・筑波大1名・千葉大1名
早稲田30名・慶応義塾14名・上智16名・東京理科大19名
定員200名の学校で、上記のような国公立、早慶上智の合格者数は中学の四谷偏差値53(2/1 80%偏差値)と考えると伸ばしてくれる魅力的な学校ですね。
○品川ファミリー
今年のポスターは生徒からの公募。そこにあるのは白いバラの葉にちょこんと座った高校生、「ただいま、おかえり」というフレーズ。成人式の日、28歳を迎えた時に学校に多くの卒業生が集まるそうです。それを「品川ファミリー」という言葉で表現しています。「妹募集!品川ファミリーになりませんか」ポスターを見ながら、憧れの制服のポスターの前で「はい!」と元気に返事をする小学生が目に浮かびます。
○入試変更について
2014年度入試(※変更点)
第1回 2/1 100名
第2回 2/2 70名※
第3回 2/4 30名※
生徒募集に苦労をしている学校が少なくない中、強気の変更です。
1日の受験生、複数回受験の生徒の動向から、第一志望者の数が7割を越えたことが理由。複数回受験者は2回以上の受験でボーダーにいた際に考慮。返金制度も受験生の保護者にとても親切!
ケース1
第1志望のAさんが、3回分の受験料を事前に振り込んであったとします。第1志望の彼女はめでたく、2/1の第1回入試で合格。そして、入学手続きをしたとします。受験しなかった2回、3回入試の受験料(20000円×2回)を返金してくれます。
ケース2
第2志望のBさん、品川女子に手続きをした後、第一志望校から繰り上げ合格の連絡がありました。その場合は、手続金の35万円を返金。
2つ目のパターンは多くの学校で取り入れていますが、1つ目のパターンはなかなかないですよね!また4日の最後の入試に向けて、2/3に受験票を持参したご家庭には第1,2回の入試の得点を開示して下さるそうです。本番の入試ではなかなか自分の状況がわからないまま不合格が続いてしまう受験生が少なくありません。そんな時に、冷静な分析をするのに貴重な資料となりますね。
○入試問題について
国語…文章は比較的長め。
知識20点・読解80点の計100点満点(50分)
算数…記述部分が50点。途中式も採点。
100点満点(50分)算数で40点はないときつい!
理科…4分野バランスよく!60点満点
社会…地理&歴史が4割ずつ、公民が2割。漢字指定もあり!
60点満点
※理社を併せて60分。60分の使い方は自由。
今春の入試では、190点台が合格ラインでした。(約60%)
初めに書いたように、保護者の皆さんが学生だった頃の学校のイメージと大きく変化している学校が多くあり、また品川女子学院はその中でも変化の大きな学校の一つでしょう。自分のライフデザインができる女性を育てる、そんな学校の軸、漆校長のメッセージが強く伝わってきます。卒業して母校は実家のように帰ってこれる、そして、一生を支える自分軸を育む場所、そんな言葉が強く残る説明会でした。
保護者向け学校説明会
6/27(木)10:00~・7/5(金)18:50~
9/5(木)10:00~
学校見学会
6/29(土)・9/28(土)・10/5(土) 9:30~10:50 ※11月以降は省略
他にも「祖父母向け学校説明会」「オープンキャンパス」など、様々な機会に公開しています。将来、活き活きと社会で活躍するお嬢様をイメージされる保護者の方にはお勧めな学校です。ぜひ一度お嬢様と足を運んでみてはいかがでしょうか。