3月3日はひな祭り…
大神神社の雰囲気はおかしかった。
狭井神社まで何とか辿りついた。
山に入るとほっとした。
上る途中のことである。
「裸足、気持ちよさそうですね!」
珍しく、若いお姉さんに声をかけられた。
向こうは下り、こちらは上りである。
「気持ちいいよ!」
「今からでも遅くないよ、やってみたら?」
私がそう言うと…
「やってみようかな?」
そう言って、靴を脱ぎ始めた。
珍しく、オープンな方に出会えた。
私は何だかうれしくなった。.
「何かないかな?」
伝えられる事を探した。
「下の滝の締め縄の下辺り…」
「エネルギー出てるから、祈ってみたら感じるかもよ…」
上だといろいろあるのだが、今いる所からだとそこしかない。
「有り難うございます!行ってみます!」
お姉さんのその言葉で別れた。
それにしても、タイミングが悪い。
だが、すれ違いにも意味がある。
このあと、それを体験することになる。
頂上で祈りを済ませた後、
上下白い服のお姉さんがやってきた。
白いダウンジャケットに白のパンツ。
祈りの時間から見て、その手の方である。
何かを探しているような雰囲気…
様子を見ていたのだが、余り感じ無いのか…
「初めてですか?」
私の方から声をかけた。
「いいえ…」
その反応からわかる。
変なおじさんは苦手の様である。
知りたいが、変な人とは関わりたくない。
それが見て取れる。
先に下山されたが、私が追いついたので、
もう一声かけてみた。
「結構な頻度で登られているんですか?」
「いえ、時々、暇がある時に…」
答えを聞きながら、追い抜き先に降りた。
そこで、私は気付くのである。
「そういうことか…」
全く対照的な二人。
しかし、求めているものは同じだ。
どちらに伸びしろがあると聞かれれば、
靴を脱いだお姉さんである。
これは、誰が見てもそう言うだろう。
体験することが、扉を開く鍵である。
それ以外に方法はない。
自らで声をかけ、未知なる扉を開く。
伸びしろはここにあると言える。
真冬に裸足で登拝する変なおじさんに、
声をかけるのは勇気がいるだろう。
それでも、エネルギー体験が出来たら、
かけがえのないものになるのだ。
知りたいのなら、聞いた方が良い。
自分で感じ、判断する事は難しいからである。
「それ、その感じ、ここの波動だよ…」
そう答え合わせをするのが、一番の近道である。
人と関わらずにスピリチュアルに目覚めていく…
それは…
私自身、難しいと感じる。
出来るのは一部の天才だけだ。
師と出会い、滝行でのエネルギー体験がなかったら、
今の私もいないのである。
誰にでもその力は存在する。
しかし、それを開くのは自らの行動である。
閉じた貝は死んでいる。
そこに伸びしろは、無いのである。