RIOSメルマガvo.7 育成年代のスポーツ障害予防 ②第二次性徴前の故障・怪我の特徴 | スポーツ選手の怪我・故障を予防するトレーナー尾形のブログ

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東北 宮城
トレーナーの尾形竜之介です。

一人でも多くの怪我や故障に悩むスポーツ選手を救うため日々奮闘しています。







本日は、“育成年代のスポーツ障害を予防する ②⑴第二次性徴前のスポーツ障害・外傷の特徴”についてお話しさせていただきます。

 

 

 

 

  

第二次性徴前というのは、ここでは小学生~中学1年生頃までの時期を指します。

 

 

 

 

 

競技により異なりますが、サッカーではこの時期をジュニアもしくは、U-12と呼びます。

 

 

 

 

 

この時期の子ども達からはよく、「踵が痛い!膝が痛い!腰が痛い!肘が痛い!」という話を聞くことが多いかと思われます。

 

 

 

 

 

また、保護者からも「うちの子痛いところがあるみたいで成長痛かしら?」などという話を聞くこともあります。

 

 

 

 

 

 

 

さて、これらの痛みの原因はなんでしょうか?

 

 

 

 

 

 

 

第二次性徴前の身体の特徴を抑えておくことで理解が深まります。

 

 

 

 

 

 

 

抑えておくべきその特徴は、

 

①この時期の最脆弱部は骨軟骨であり、その中でも特に骨端である。

 

②骨の横方向の成長が乏しい。

 

この2点になります。

 

 

 

 

  

今回は、なぜ骨端が最脆弱部なのか?その結果どういうスポーツ障害・外傷の特徴が出てくるのか?というところを整理していきましょう。

 

 

 

 

 

 




 

最脆弱部が骨端の理由

 

 

 
それは主に、
「第二次性徴前は骨端線が閉鎖していない。」

ということが原因です。
 

 

 

 

 

骨端は、骨端核、骨端線、骨端軟骨から形成されます。

 

この骨端軟骨が増殖し骨へ置換することで骨が縦方向へ成長していきます。

 

年齢と共に徐々に閉鎖していき、大半は中~高校生の時期に完全に閉鎖します。

 

 

 

成長途中の骨端は周りと比べて非常に脆い組織であるため、最脆弱部となります。

 

 

 

 

 

 




 

スポーツ障害・外傷の特徴

 

 

 

最脆弱部が骨端であるため、スポーツで強い外力が加わると靭帯や筋より先に骨端が傷つきます

 

 

 

小学生にアキレス腱断裂や肉離れなどの軟部組織障害が極めて少ないのはこのためです。

 

 

 
従って、
第二次性徴前では骨軟骨障害が多くなります。
 

 

 

 

 

 

 

この時期に多いスポーツ障害は、骨端核の障害である「骨端症」す。

 

 

 

骨端症は、肘や膝だけでなくあらゆる四肢関節や脊椎、骨盤にも見られます。

 

 

 

代表的なものでは、オスグッドシュラッター病や踵骨骨端症、腰椎終板障害、離断性軟骨炎などです。

 

 

 



引用:主婦と生活社 子どものスポーツ障害こう防ぐ、こう治す




 好発部位は、画像の部位になります。







 

また、この時期に多いスポーツ外傷は、骨端線の外傷である骨端線損傷」です。

 

 

 

代表的なものでは、大腿骨頭や脛骨近位部、上腕骨頭や橈骨、尺骨の遠位部、腰椎に見られます。

 

 

 

 








 

●対処方法

 

 

 

成長期における骨軟骨障害は、適切な治療を受けることなく放置されてしまうと、後に重大な障害を引き起こしてしまいます。

 

 

 

骨軟骨障害を疑った場合、まずは医療機関にてレントゲンやCTエコーなどの検査により精査し、その後適切な段階を踏んでスポーツに復帰するべきだと考えます。

 

 

 

また、先に述べたような「成長痛かな?」という場面においては、本当にそれが成長痛なのか、歴とした骨軟骨障害なのか鑑別する必要があります。



注意すべきポイントは、


「成長痛は、10歳以上にはない」




ということです。









 

 

 

次回は、“育成年代のスポーツ障害を予防する ③⑵第二次性徴加速期のスポーツ障害・外傷の特徴”についてお話しさせて頂こうと思います。

 

 

 

 

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。





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